赤ちゃんのおしりが真っ赤!おむつかぶれの原因・治し方・受診目安を医師が解説

赤ちゃんのおしりが真っ赤!おむつかぶれの原因・治し方・受診目安を医師が解説

赤ちゃんのおしりが真っ赤!
おむつかぶれの原因と正しい治し方

おむつを替えようとしたら、赤ちゃんのおしりが真っ赤になっていて驚いたことはありませんか?

「痛そうだけど、家で様子を見てよいの?」「市販のクリームを塗っても大丈夫?」「カンジダではないか心配」と不安になるお母さんも多いと思います。

多くは、尿や便、湿気、こすりすぎなどによる一般的なおむつかぶれです。ただし、カンジダや細菌感染など、別の治療が必要な場合もあります。

まず知っておきたい結論

  • おむつかぶれの多くは、尿・便・湿気・摩擦による刺激性皮膚炎です。
  • 便をやさしく洗い流し、こすらずに乾かして、皮膚保護剤を塗ることが基本です。
  • 赤みが皮膚のしわの中まで広がり、周囲に赤いポツポツがある場合はカンジダを疑います。
  • ジュクジュクする、水ぶくれや膿がある、発熱する、強く痛がる場合は早めの受診が必要です。
  • 自己判断でステロイドや抗真菌薬を長期間塗り続けるのは避けましょう。

こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。
医師歴25年の家庭医療専門医として、地域の小児科・皮膚科診療に携わってきました。
この記事では、赤ちゃんのおしりが赤くなったときに、ご家庭でできる対処法と医療機関を受診する目安を、できるだけわかりやすく解説します。

おむつかぶれとは?

おむつかぶれは、医学的には「おむつ皮膚炎」と呼ばれ、おむつで覆われている部分に起こる皮膚炎の総称です。

赤ちゃんの皮膚は大人より薄く、皮膚を外からの刺激から守るバリア機能も未熟です。さらに、おむつの中は尿や便、汗によって蒸れやすく、皮膚がふやけた状態になります。

ふやけた皮膚は、濡れたティッシュのように傷つきやすい状態です。そこへ便に含まれる消化酵素や尿、おむつ・おしり拭きによる摩擦が加わることで、赤みやただれが起こります。(※1)

特に下痢をしているときは、便の回数と皮膚への刺激が増えるため、おむつかぶれが急に悪化することがあります。

最も多いのは「刺激性のおむつかぶれ」

赤ちゃんのおしりが赤くなる原因として最も多いのは、尿・便・湿気・摩擦による刺激性接触皮膚炎です。

刺激性のおむつかぶれの特徴

  • おしりの盛り上がった部分や、陰部など、おむつと接触する部分が赤い
  • 皮膚の深いしわの中は、比較的赤みが少ない
  • 皮膚がカサカサする、テカテカする、少しただれる
  • 拭いたり、お湯がかかったりすると痛がる
  • 下痢や便の回数が増えたあとに悪化した

通常のおむつかぶれでは、皮膚が密着している深いしわの部分よりも、おむつや便に直接触れる盛り上がった部分が赤くなりやすい傾向があります。(※2)

カンジダ性おむつ皮膚炎との違い

おむつの中は暖かく湿っているため、カンジダという真菌、いわゆるカビの一種が増えることがあります。

特に、下痢が続いているとき、抗菌薬を飲んだあと、通常のおむつかぶれが長引いているときには、カンジダが増えやすくなります。(※3)

一般的なおむつかぶれ

  • おむつに触れる部分が赤い
  • 深いしわの中は比較的きれい
  • 赤みが平面的に広がる
  • 下痢や拭きすぎのあとに起こりやすい

カンジダ性皮膚炎

  • 皮膚のしわの中まで赤い
  • 赤みが鮮やかで、湿ったように見える
  • 赤い部分の周囲に小さな赤いポツポツがある
  • 小さな膿疱が混じることがある

カンジダ性皮膚炎では、赤い部分の少し外側に小さな発疹が散らばる「衛星病変」が特徴です。ただし、写真だけで確実に判断することは難しく、一般的なおむつかぶれとカンジダが同時に起きていることもあります。(※2)

カンジダに通常のステロイドだけを塗ると、見た目が一時的に改善しても感染が悪化する場合があります。自己判断で薬を塗り続けず、治りにくい場合は受診してください。

家庭でできる5つのケア

1.おむつを早めに交換する

尿や便が皮膚に触れている時間を短くすることが大切です。特に排便後は、気づいた時点で早めに交換してください。

夜間まで何度も無理に起こす必要はありませんが、起きたときや授乳時に便が出ていることに気づいた場合は交換しましょう。

2.便は「拭き取る」より「洗い流す」

赤くなった皮膚をおしり拭きで何度もこすると、炎症がさらに悪化します。

便が多く付着しているときは、ぬるま湯を入れた霧吹きや洗浄ボトルを使う、シャワーでやさしく流す、ぬるま湯を含ませた柔らかい布やコットンで押さえるように取り除く方法がおすすめです。

石けんは毎回使う必要はありません。使用する場合も、香料の少ない低刺激性のものを少量使い、よく洗い流してください。

3.こすらず、押さえて乾かす

洗ったあとは、柔らかいタオルやガーゼで軽く押さえるように水分を取ります。ゴシゴシこするのは避けましょう。

室温に注意しながら、数分間おむつを外して皮膚を空気に触れさせるのも有効です。

4.皮膚保護剤をしっかり塗る

亜鉛華軟膏や白色ワセリンなどの皮膚保護剤は、皮膚と尿・便の間に「透明なレインコート」を作るような役割をします。

赤い部分が見えなくなる程度を目安に、こすり込まず、皮膚の上にそっと置くように塗ります。
おむつ交換のたびに、便などで汚れた部分だけをやさしく取り除き、残っている保護剤を無理にすべて落とさず、その上から補う方法も推奨されています。(※4)

5.刺激になりそうな製品を一時的に減らす

香料やアルコールを含むおしり拭き、新しく使い始めた保湿剤、消毒薬などが刺激になる場合があります。

おむつかぶれが起きている間は、使う製品を増やすよりも、「ぬるま湯でやさしく洗う」「しっかり保護する」というシンプルなケアに戻すことが大切です。

赤みが強いときは無理に様子を見なくて大丈夫です

普通のおむつかぶれなのか、カンジダや細菌感染なのかによって、使用する薬が異なります。「家でケアしているのに改善しない」「何を塗ればよいかわからない」という場合は、小児科・皮膚科へご相談ください。

市販薬やステロイドを使ってもよい?

ワセリンや皮膚保護剤

軽い赤みであれば、白色ワセリンや酸化亜鉛を含むおむつかぶれ用の保護剤は使用できます。目的は炎症を直接治すことよりも、尿・便・摩擦から皮膚を守ることです。

ステロイド外用薬

炎症が強い場合には、医師の判断で弱いステロイド外用薬を短期間使用することがあります。(※4)

ただし、おむつの中は薬が吸収されやすい環境です。また、カンジダや細菌感染にステロイドだけを使用すると悪化する可能性があります。以前処方された薬を自己判断で長期間使用することは避けてください。

抗真菌薬

カンジダ性皮膚炎の場合は、クロトリマゾールなどの抗真菌薬を使用しますが、一般的なおむつかぶれには必要ありません。(※4)

見た目だけでは判断が難しいため、「赤いから、とりあえず水虫薬を塗る」という使い方はおすすめできません。

こんな症状があれば早めに受診してください

  • 皮膚がむけて、ジュクジュクしている
  • 出血している、深いただれがある
  • 水ぶくれ、膿、黄色いかさぶたがある
  • 赤みや腫れが急速に広がっている
  • 発熱がある、元気がない、哺乳量が減っている
  • 触れなくても強く痛がる
  • 肛門の周囲だけが境界明瞭に真っ赤になっている
  • 皮膚のしわの中まで赤く、周囲に赤いポツポツがある
  • 家庭で2~3日ケアしても改善しない
  • 何度も繰り返す、治ってもすぐ再発する

肛門の周囲が輪郭のはっきりした鮮やかな赤色になり、排便時に痛がったり、肛門周囲に亀裂ができたりする場合は、溶血性連鎖球菌による肛門周囲感染症のことがあります。(※5)

また、とびひ、手足口病、ヘルペス、乾癬、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、亜鉛欠乏症などが、おむつかぶれに似て見えることもあります。一般的なケアで治らない場合は、別の病気が隠れていないか確認することが大切です。

おむつかぶれを予防するポイント

  • 便が出たら早めに交換する
  • 便を取るときに皮膚をこすらない
  • 下痢のときは、赤くなる前からワセリンなどで保護する
  • 入浴後は皮膚のしわまでやさしく乾かす
  • おむつをきつく締めすぎない
  • サイズが合わない場合は、ひとつ大きいサイズも検討する
  • 新しいおしり拭きやスキンケア製品を使ったあとに赤くなった場合は使用を中止する

完全に赤みをゼロにしようとして何度も洗ったり拭いたりすると、かえって治りにくくなります。
「清潔にすること」と同じくらい、「こすらないこと」「便から守ること」が重要です。

よくある質問

Q

おしり拭きは使わない方がよいですか?

A

赤みがないときは、低刺激性のおしり拭きをやさしく使って構いません。
ただし、すでに赤くただれているときは、ぬるま湯で洗い流す方が刺激を減らせます。
何度も往復してこすらないことが重要です。

Q

ワセリンは毎回塗っても大丈夫ですか?

A

基本的には問題ありません。便や尿が皮膚へ直接触れるのを防ぐ目的で、おむつ交換時に塗り直します。
ただし、ジュクジュクした傷、膿、水ぶくれなどがある場合は、ワセリンだけで様子を見ず受診してください。

Q

ベビーパウダーを使ってもよいですか?

A

おむつかぶれの治療として積極的にはおすすめしていません。
粉が湿気を含んで固まり、皮膚への刺激になることがあるほか、赤ちゃんが粉を吸い込む心配もあります。基本は、洗浄、乾燥、皮膚保護剤です。

Q

下痢が続いていて、何度ケアしても赤くなります

A

下痢が続く間は、便の刺激を完全に避けることが難しいため、おむつかぶれも繰り返しやすくなります。
便のたびにこすらず洗い流し、保護剤を厚めに塗ってください。
下痢が長引く、血便、発熱、嘔吐、尿量低下、元気がないなどがある場合は、下痢についても診察が必要です。

Q

何日くらいで治りますか?

A

軽い刺激性のおむつかぶれであれば、適切なケアによって数日で改善傾向がみられることが多いです。
2~3日ケアしても良くならない、むしろ広がる場合は、カンジダや細菌感染などを考えて受診してください。

まとめ

赤ちゃんのおしりが真っ赤になると、見ているお母さんも心配になると思います。しかし、多くのおむつかぶれは、皮膚をこすらず、尿や便から守ることで改善します。

大切なのは、汚れを完璧に落とそうとして何度もこすることではありません。

  • 便はぬるま湯でやさしく流す
  • こすらずに水分を取る
  • ワセリンや亜鉛華軟膏で皮膚を守る
  • 治りにくいときは、カンジダや細菌感染を疑って受診する

赤みが強い、痛がる、ジュクジュクする、数日たっても改善しない場合は、遠慮なくご相談ください。赤ちゃんの皮膚の状態に合わせて、必要な塗り薬やケア方法をご提案します。

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参考文献

※1 DermNet. Napkin dermatitis.

※2 Royal Children’s Hospital Melbourne. Clinical Practice Guidelines: Nappy rash.

※3 DermNet. Candida infection/Fungal skin infections.

※4 Royal Children’s Hospital Melbourne. Clinical Practice Guidelines: Nappy rash.

※5 Royal Children’s Hospital Melbourne. Perianal streptococcal cellulitis, differential diagnosis of nappy rash.

 

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属、日本肥満学会所属

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