脂漏性皮膚炎(しろうせい皮膚炎)

脂漏性皮膚炎(しろうせい皮膚炎)

脂漏性皮膚炎

 

症状は? 診断はどうするんですか?


ほとんどの場合、3~6ヶ月程度で自然に治る皮膚の疾患です。しかしながら、2ヶ月以上続き、痒さが続く場合は、アトピー性皮膚炎の場合もありますので、2、3週間に1回診察が必要です。「脂漏」という現象によってこの疾患は生じます。脂漏は皮脂腺が活発に皮質を分泌することです。しかし、ここにマラセチアという真菌が感染すると、炎症を起こすと考えられています。マラセチアは、常在菌つまり通常私たちの皮膚にいるものです。他の真菌やばい菌が進入しにくい環境を作っているのではないのか?と考えられていますが、新生児にマラセチアが定着し始めたときに、免疫反応が起きて炎症が起こるのではないかと推測されています。

脂漏性皮膚炎と区別する病気はありますか?

アトピー性皮膚炎
これは最初の1ヶ月或いは2ヶ月は区別が難しいです。

不潔
洗わないほうがよい言うお婆ちゃんの知恵があるそうで、その結果かさぶたが蓄積されてしまって炎症を起こします。洗うことで解決します。

新生児のニキビ
新生児ニキビと脂漏性皮膚炎は合併していることが多く、鑑別というよりは新生児ニキビがあれば脂漏性性皮膚炎もあるという考えが正しいと思われます。

乳児湿疹
脂漏性皮膚炎、長引く新生児のニキビ、それに汗疹などがかあると何が何だかわからない状態となり乳児湿疹という言葉で解決しようとします。つまり乳児湿疹とは乳児期に発症する湿疹の総称です。最も多い疾患はおそらくこの脂漏性皮膚炎だと考えられています。

治療はどうするんですか?

1ヶ月から2ヶ月すると自然に治ります。逆に治らない場合は、アトピー性皮膚炎など他の疾患も考える必要があります。外用薬を処方するとすれば、ヘパリン類似物質軟膏を手のスキンケアで十分です。

スキンケアは何をしたらいいですか?

保湿薬で十分です。3ヶ月をすぎると、乳児は、乾燥肌になる傾向があります。しかしながらそのタイミングは乳児によって個人差があります。早めに保湿し予防も兼ねて、スキンケアが必要です。また、丁寧に洗ったり、ゴシゴシこすらないことも重要です。

保育園、幼稚園、学校については、大丈夫ですか?

脂漏性皮膚炎の場合は制限はありません。とびひに近い状態起こすことがありますのでそのときは別の対応が必要になります。

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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