ニキビ(尋常性痤瘡)

ニキビ(尋常性痤瘡)

ニキビ(尋常性痤瘡)


こちらのページでは、ニキビの原因、対策、治療などを掲載しています。少しでも不安な方、治療したいという方は気軽にクリニックまでお問い合わせください。

ニキビの原因

主な原因は下記のように3つが考えられます。
1 性ホルモンなどの影響により、皮膚の脂の分泌が多くなる
2 古い角質が毛穴に詰まることで、皮脂を分泌する穴がふさがってしまう
3 毛穴の中でニキビの原因菌が増えることが考えられます。

10代前半から30代前半位までは、女性ホルモン、男性ホルモンの影響により皮脂の分泌が多くなります。分泌が多くなってもそれがしっかりと外に排出されれば問題がないのですが、それによって毛穴がふさがってしまい、ニキビの原因菌が増えることで炎症が悪化してしまいます。

ニキビの症状

左側の正常な皮膚では、皮脂は毛穴を通って分泌され肌の表面を追い健康な状態に保っています。

右側は炎症のないニキビです。毛穴がつまり、皮脂が排出されていない状態です。白色や黒色にみえるニキビがあります。ニキビの原因となるアクネ菌は皮脂を好み酸素をきらうため増えるのに好都合な環境となります。

ニキビ痕を残さないために

ニキビを早めにきちんと治療することが重要です。ニキビ痕を残さないために、ニキビを早めにきちんと治療することが重要です。放って置くと、下記のように、アクネ菌が増殖して感染して赤ニキビ、黄色ニキビになることがあります。
ニキビ痕は消えづらいため、早めに治療することが大切です。

ニキビの治療

10年以上前のニキビの治療といえば、抗生物質を内服する、あるいは抗生物質入りの外用剤、あるいはローションを塗布するくらいでしたが、近年効果的な治療ができました。

それが、「過酸化ベンゾイル」と、「アダパレン」という二つの有効成分です。

下記のイラストのように、過酸化ベンゾイルは、毛穴のつまりを改善します。またニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖も抑えます。

アダパレンは、ニキビの原因となる毛穴が詰まるのを防ぎ、面皰ができるのを抑制します。

赤ニキビ、黄色ニキビなってしまった場合は、抗生物質入りの外用剤も併用しますし、必要に応じて抗生物質の内服もしていただく必要があると思います。

こういったお薬を使用することで、正常な毛穴に近づけて、ニキビの予防にも役立てます。

ニキビの治っていく経過

治療開始時(開始から2週間)

使いはじめてから2週間以内に、乾燥やヒリヒリ感、赤みなどが現れる場合があります。通常は使い続けるうちに症状は改善していきますが、気になるときや、縫ったところが真っ赤になったり、腫れ退治した時は使用中止し、医師または薬剤師にご相談ください。

効果を確認していく時期 (2週間から3ヶ月)

ニキビが少しずつ減っていきます。治療開始時に撮影していた写真と比べると効果を実感できます。

良くなっている状態を維持する時期(3ヶ月から1年)

ニキビは様々な要因で繰り返してできます。ニキビが治まっている状態をキープするために指示に従って治療を継続しましょう。ニキビは繰り返しできることも多いため、面皰(毛穴のつまり)の治療継続しましょう。目標は、1年後のツルツルお肌です。

治療開始3ヶ月以内に症状の改善が認められない場合には、使用を中止してください。

薬の副作用について

お薬の使用中に、下記のような症状が現れることがあります。

乾燥
皮膚掻痒感(ヒリヒリ感など)
落屑(皮膚が細かく図れる)
紅斑(皮膚が赤くなる)
掻痒感(痒み)

これらの症状は使い始めてから2週間以内に現れることが多く、通常症状は軽く、一過性ですが気になる時は医師または薬剤師にご相談ください。

注意!!
発疹や発熱など全身性の過敏反応が生じたときや、塗ったところやその周囲まで皮膚が真っ赤になる、腫れるなどの症状が強くみられるときは薬の使用を一旦やめて、できるだけ早く受診してください。症状の程度によっては、使用中止や休薬、症状に対する治療などの処置を行うことがあります。アダパレン(商品名 ディフェリンゲル)過酸化ベンゾイル(商品名 ぺピオゲル)アダパレン、過酸化ベンゾイル配合体(商品名 エピデユオゲル)

<ディフェリンゲル>

通常、副作用は軽度で、多くは使い始めてから2週間以内にあらわれ、その後やわらいできます。

<ベピオゲル・エピデュオゲル>

全身性の過敏反応(発疹や発熱など)が生じたときや、塗った部分の皮膚が真っ赤になる、腫れるなど副作用の症状が強くみられるときは、使用をやめてできるだけ早く受診してください。妊娠中、あるいは妊娠希望の方、授乳中の方は使えないです。

スキンケアについて

肌を健康な状態に保つために、肌に負担をかけない正しいスキンケアを行いましょう。

洗 顔


・洗顔料を手にとり、しっかり泡立てて、Tゾーン(おでこと鼻の周辺)など皮脂が多い部分を中心に、泡で顔全体を包み込むようにやさしく洗ってください。

・洗顔料を残さないように丁寧にすすぎ、フェイスラインのすすぎ残しに注意してください。
・洗顔後は、柔らかいタオルで軽く押さえるように水分を拭き取ってください。

保 湿 日焼け止め

・肌の乾燥や皮膚刺激感を防ぐために、保湿は重要です。
・化粧水、乳液などをこすらずに、手のひらで押さえるように重ねつけしましょう。
・乾燥が強い場合は、医師に相談しましょう。
・スキンケアの基本として、紫外線対策は重要です。

・刺激感が気になる場合は、紫外線吸収剤を含まない製品や敏感肌用の製品を選びましょう。
洗顔・保湿・日焼け止め、化粧水、乳液などは低刺激性(化粧品ではノンコメドジェニックの表示のあるもの)をおすすめします。
※ノンコメドジェニック:ニキビができにくいことをテストで確認しているものです。

ニキビを繰り返さないためのポイント

生じたニキビが少なくなった時点で治療中断してしまうと、ニキビが再発することがあります。

これは肉眼ではわからないくらい小さな、次のニキビの元が残っているからです。ニキビ繰返さないためにも、微小面皰.面皰(白ニキビ、黒ニキビ)の治療を継続することによって、毛穴のつまりを取り除き、ニキビができにくい肌にすることが大切です。

↓微小面皰、面皰、炎症生じたニキビが混在している写真です。

ニキビをくり返さない、悪化させない ニキビを悪化させないライフスタイル

食 事

特定の食べ物がニキビに影響するという科学的な根拠はありません。極端に食事を制限するなどの偏った食生活は避け、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

髪型・服装

ニキビに髪や服が触れると、刺激になり、悪化の原因となります。

自宅ではヘアバンドなどを使って、ニキビがある部分に髪の毛が触れないようにし、服装もできるだけ顔に触れないものを心がけましょう。また、ニキビを触ったり、頬杖をつくことも悪化の原因となることがあるので、控えましょう。

睡 眠

睡眠不足や不規則な睡眠はホルモンの変調をきたし、皮脂の分泌が促され、ニキビ悪化の原因になります。規則正しい生活を行い十分な睡眠をとるようにしましょう。

ストレス

ストレスは皮脂の分泌を高めます。ニキビの悪化や再発を防ぐために、上手にストレスを解消しましょう。

ニキビ肌のメイク

ニキビを目立たなくして、気持ちを明るくするメイクで、イキイキした毎日を送りましょう。ノンコメドジェニックの表示のあるものをおすすめします。

1ベースメイク ~ニキビから視線をそらす~

化 粧 下 地:ニキビをこすらないように顔全体に薄く均一に伸ばします。ニキビや肌の赤みが気になる場合は、黄色のコントロールカラーやコンシーラーを使うことで、ニキビが目立ちにくくなります。

ファンデーション:クリームやリキッドタイプより、油分が少なく毛穴につまりにくいパウダータイプのファンデーションがおすすめです。

2ポイントメイク

眼の周りや唇にはニキビができにくいため、眉、アイメイクや口紅を効果的に使うことでニキビから視線が外れ、表情もぐっとイキイキします。

メガネや髪型・服装などを工夫することも有効です。

3メイク落とし

ニキビができているときには、やさしく洗い流すタイプのクレンジングがおすすめです。顔面を手がスムーズに滑るくらいの量を手に取り、指先で強くこすらないようにしましょう。手のひらを使ってメイクとなじませます。

すべりが軽くなったら、なじんだサインです。水かぬるま湯でやさしく洗い流しましょう。

ニキビに関するQ&A

質問1 ニキビを自分で潰すのはだめですか?

自分でつぶした場合、どうしても周囲の皮膚を傷つける傾向があります。うまく膿が排出されないことで皮膚の下で破裂してしまうとニキビ痕が残りやすくなります。

質問2 ニキビ痕は治りますか?

ニキビ痕ができると元に戻す治療法がないため、治療が難しくなります。目立つニキビ跡を残さないためにも早めにニキビ治療行いニキビを作らないことが大事です。

質問3ニキビ治療薬はいつまで塗れば良いですか?

決められた期間はありません。ニキビが治ったと思っても自己判断で治療中断せずに、医師、薬剤師の指示に従い新しいニキビができにくくなるまで続けることが大事です。

質問4 薬は沢山使うと早くよくなりますか?

お薬にはニキビを改善する効果がある反面、副作用が生じることがあります。決められた用法用量で守っていれば出ない副作用は、お薬を沢山使うことによって出てくることもあります。自分の判断で量や回数をふやすことなく、必ず医師薬剤師の指示に従って使用ください。

質問5 保湿をすればニキビは治りますか?

ニキビ肌では水分が失われやすいため保湿も大切ですがニキビを治すためにはニキビの原因(毛穴のつまり)などを取り除く治療しなければなりません。

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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