小児の予防接種
千葉県長生郡長生村で内科、小児科、皮膚科を担当しているあまが台ファミリークリニックです。こちらのページでは、お母さんからよく聞かれる予防接種についての疑問をお答えしています。
動画でも解説しています。
目次
◆一度に何度も予防接種をすることで副作用のリスクが上がる事は無いのでしょうか?
◆ワクチンの副反応について教えてください
◆食物薬物アレルギーにおける摂取してはいけない場合はどんなときですか?
◆ワクチンを接種してはいけない場合はどんなときですか?
◆どんな時に接種を見合わせ(延期)する必要がありますか?
◆スケジュール管理が楽にできる方法はありますか?
◆異なるワクチンの接種間隔はどうしたらいいですか?
◆期限をすぎると接種できない予防接種はありますか?
◆小児の予防接種スケジュールは?
◆一度に何度も予防接種をすることで副作用のリスクが上がる事は無いのでしょうか?
赤ちゃんは1回に3本から4本打つことがありますが、それによって重篤な有害事象が増加すると言う報告は日本でも世界でも見られないのでご安心ください。
軽い副反応(発熱や局所の腫れなど)は増加するのと、しない、両方の研究結果が混在しています。しかしながら、たとえ軽微な副反応が増加していたとしても、ワクチンを接種することで病気を防ぐメリットが上回ります。
あまファミでは複数の予防接種の場合もウェブ予約をすることができます。来院した場合には、予約内容と実際の母子手帳確認して接種となりますので必ず母子手帳をお持ちください。
◆ワクチンの副反応について教えてください
ワクチンに共通する副反応としては、軽微な副反応と、生ワクチンによる原疾患と同じような症状、それに重篤な副反応の3つに分けられます。
軽微な副反応
■接種部位の局所反応
痛み腫れ、発赤、硬結などがあります。
■全身反応
発熱、倦怠感、頭痛などがみられることがあります。
頻度が多いのは発熱と接種部位の腫れになります。発熱については機嫌も良くミルクも飲めて元気でしたらワクチンによる熱は翌日に解熱するため受診の必要はありません。
しかし、37.5度以上で機嫌が良くミルクも飲めないなどの元気がない場合、熱も翌日に続いているようでしたらワクチン以外の発熱の可能性もありますので必ず受診してください。
接種部位の腫れに関しては1週間ほどで改善しますので、原則として受診の必要は特にありませんが、痛みが強い、関節が動かしにくいなど、日常生活に支障がある際は受診するようにお願いします。
重篤な副反応
稀ではありますが重篤な副反応としてアナフィラキシーショックがあります。こういった場合に備えて、当院では摂取した後30分程度院内で、あるいは当院にすぐにお越しいただける距離で待機していただくようにしております。
◆ワクチンを接種してはいけない場合はどんなときですか?
ワクチンを接種してはいけない場合(禁忌)は以下の通りです。
■重篤な急性疾患がある場合
■当該ワクチンによるアナフィラキシーショックの起用がある場合
■免疫抑制状態での生ワクチン接種
■先天性免疫不全症候群、ステロイド、免疫抑制剤、抗がん剤投与中
■輸血もしくはガンマグロブリン製剤投与後(十分な免疫効果が得られない)
■妊娠中の生ワクチン(不活化ワクチンは接種可能)
食物薬物アレルギーにおける摂取してはいけない場合はどんなときですか?
鶏卵アレルギー
インフルエンザワクチンは安全です。
麻疹風疹MRワクチンは全く問題ありません。
黄熱ワクチン(渡航ワクチン 検疫所でのみ取り扱い)は、接種できません。
抗菌薬アレルギー
麻疹、風疹、MR、ムンプス、水痘ワクチンはエリスロマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシンを含有していますので、これらの薬剤にアナフィラキシーショックなどの重症なアレルギー反応を起こした方は接種禁忌となります。
ラテックスアレルギー
B型肝炎ワクチンには、「ビームゲン」と「ヘプタバックス」の2剤がありますが、「ヘプタバックス」のバイアルゴム詮にはラテックスが使用されているため、ラテックスアレルギーの心配がある方には、「ビームゲン」を希望して接種する必要がありますので、十分注意をしてください。
参考までに、ラテックスアレルギーがある人は、アボガド、バナナ、キウイ、パパイヤ、メイロン、マンゴーなどにもアレルギーを示す場合があります。これらのフルーツに含まれる成分と似通っているタンパク質がラテックスにも含まれていることによる交叉反応によるものと言われています。
◆どんな時に接種を見合わせ(延期)する必要がありますか?
わが国では一般的に37.5度以上の体温の時は延期することになっていますが、軽症の場合、せきや鼻水程度で機嫌が良い時は保護者の方と相談し接種も可能です。
小児は風邪をひきやすく、安易に延期しますと、髄膜炎、百日咳といったワクチンで予防できる病気にかかってしまうリスクが増えることがになります。延期するメリットよりも、延期するデメリットが増えるということです。
ご家族と十分に協議の上、早期の摂取をお勧めしています。もちろんこういった説明をしたうえで、延期を希望される場合はご意向に添いますのでご安心ください。
◆スケジュール管理が楽にできる方法はありますか?
乳児期は生ワクチン、不活化ワクチンと頻繁に接種するものがありますので、できるだけ同時接種をお勧めします。また、次回のワクチンのうち忘れがないように、接種が終わったタイミングで次の注射の仮予約を忘れないのもスケジュール管理を楽にするポイントの1つだと思います。
あまファミでは、ワクチン接種の後、スタッフより次回のワクチンのアドバイスをさせていただいております。
また、ウェブ予約で予防接種の予約もできますので是非ご利用ください。
◆異なるワクチンの接種間隔はどうしたらいいですか?
まず生ワクチン、不活化ワクチンについて整理しておきたいと思います。
生ワクチン
BCG、麻疹風疹(MR)、水痘(水ぼうそう)、ロタウィルス、おたふく風邪
※こちらはBCGです。
不活化ワクチン
ヒブワクチン(インフルエンザ菌b型)、プレベナー(肺炎球菌結合型)、B型肝炎、四種混合(DPT-IPV)、日本脳炎、二種混合(DT)、ヒトパピローマウィルス、インフルエンザワクチン
日本では、接種ワクチンの間隔は下記のようになっています。
不活化ワクチン⇒不活化ワクチン
不活化ワクチン⇒生ワクチン6日以上開ける。
1週後の同じ曜日から接種可能生ワクチン⇒不活化ワクチン
生ワクチン⇒生ワクチン28日以上開ける。
4週後の同じ曜日から接種可能
あまファミでは、ワクチン接種の後、スタッフより次回のワクチンのアドバイスをさせていただいております。
また、ウェブ予約で予防接種の予約もできますので是非ご利用ください。
◆期限をすぎると接種できない予防接種はありますか?
ワクチンの種類によっては、上限の年齢が決まっていますので注意が必要です。
例えばロタリックスは生後24週まで、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは5歳未満、4種混合は7歳6ヶ月未満などです。「0歳0ヶ月」までといった期限は誕生日によって違いますので注意しましょう。
予防接種は公費と言いまして、市町村が補助を出してくれるため無料で受けられるものがほとんどです。しかしながら、公費で受けられる年齢を過ぎてしまうと自費負担になりますので注意してください。
◆小児の予防接種スケジュールはどのようになってますか?
こちらのページには、小児のワクチンについて詳しい解説が掲載されていますので、ぜひご覧ください。
一応当院のホームページにも、スケジュールの部分を抜粋させていただき掲載しています。
0歳~1歳までのワクチンスケジュール(表をクリックすると拡大できます)
※2019年4月時点のスケジュールです。変更、改定になることがありますので、ご自身で最新の情報を確認してください。
上記表は「KNOW VPD!VPDを知って子どもを守ろう!」から出典しました。http://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age0.pdf
↑ 上のスケジュールを見ていただくとわかりますが、早いと生後2ヶ月からロタウイルスワクチン、B型肝炎、ヒブ、小児肺炎球菌ワクチンの計4種類のワクチンが接種開始が可能です。また、3ヶ月目には4種混合も加わり5種類のワクチンを同時接種可能です。
このように、生後7ヶ月から8ヶ月目までが接種回数も多いため、お子さんそしてご家族の通院負担軽減、重症疾患予防のためにも、出来る限り複数同時接種をお勧めしています。
1歳になると、MRワクチン、みずぼうそうワクチン、おたふくのワクチンに加え、ヒブ、小児肺炎球菌ワクチン、4種混合の計6本を同時接種で受けることが可能です。
0歳~13歳までのワクチンスケジュール(表をクリックすると拡大できます)
※2019年4月時点のスケジュールです。変更、改定になることがありますので、ご自身で最新の情報を確認してください。
上記表は「KNOW VPD!VPDを知って子どもを守ろう!」から出典しました。http://www.know-vpd.jp/dl/schedule_age0.pdf