スギ花粉の舌下免疫療法

スギ花粉の舌下免疫療法

スギ花粉の舌下免疫療法

  • 「毎年2月ごろから5月まで、スギ花粉症の症状に悩まされる。」
  • 「スギ花粉症の時期は、鼻づまりがひどく、夜の睡眠の妨げになる。」
  • 「スギ花粉症の時期は薬を飲んで対応しているが副作用の眠気で辛い。」

このような症状でスギ花粉症に悩まされている方は少なくないのではないでしょうか?
日本人の4人に1人がスギ花粉症と言われています。

スギ花粉症はスギ花粉が原因となって起こるアレルギー疾患です。

症状としては、くしゃみ、鼻詰まり、眼の痒み、鼻水などの症状を伴い、それによって日常生活の様々な場面で影響をおよぼします。

これまではスギ花粉症の治療と言えば、抗アレルギー薬の内服、点鼻薬、漢方薬といった対症療法が主でしたが、近年、舌下免疫療法が治療の選択肢として保険適用になっています。

アレルゲン免疫療法は、アレルギーの原因となっている原因物質を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、症状やらげげたり、日常生活に与える影響を改善する。効果が期待されています。

最近では舌の下で治療薬を保持する舌下免疫療法のお薬が登場し、自宅で服用できるようになりました。

スギ花粉症の舌下免疫療法の効果はどれくらいですか?

この治療を受けられた方々の国内臨床試験結果によると、シダトレンによる舌下免疫療法を約2年間行った方266人のうち、

約6割の人が花粉症の症状が軽くなり
約2割の人が完解する(症状がほとんど出なくなる)

という報告がされています。

逆を言うと、約2割の方は効果が出ないということです。

治療の対象者を教えて下さい。

スギ花粉症の患者さんはすべて対象になります。

しかしながら、事前に血液検査あるいは皮膚反応テストで、スギ花粉に対するアレルギーがあることを確定診断しておく必要があります。

小さい子供も治療できるのでしょうか?

スギ花粉症の舌下免疫療法は、スギ花粉症と確定診断された5歳以上の患者さんが治療を受けることができます。

服用期間はどれくらいですか?

1日1回、少量から服用始め、その後決められた量を数年間(3年以上が推奨)にわたって継続して服用する必要があります。

初めての服用は、医療機関で主治医の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。

治療の流れを教えて下さい。

事前検査と治療説明

舌下免疫療法始めるためには、スギ花粉症である言う確定診断が必要です。そのため当院では特異的IgE RIST抗体という検査をしています。
☆当院以外で検査を受けたことがある方は、その結果用紙を、ご持参ください。

初回投与

初回投与はクリニックで医師の指導のもとに、ご自身で薬を投与していただきます。投与した後は30分間経過を見るために待合室でお待ちいただきます。

※写真は舌の下に滴下するタイプですが、タブレット(錠剤)もあります。

診察とお薬の処方

体調の変化や、薬の副反応がないか確認しながらの定期処方2週間~1ヶ月に一度受診が必要です。

治療開始に適した時期はありますか?

スギ花粉症の場合は6月~年内が適しています。

花粉の飛散時期(1月~5月)は、治療の開始ができません。

具体的な服用の仕方について教えてください。

治療薬を舌の下に置き、2分間保持した後、飲み込みます。

その後5分間はうがいや飲食を控えてください。スギ花粉が飛んでいない時期も含め、毎日服用します。

服用時に避けたほうがいいことについて教えてください。

服用する前後2時間程度は、激しい運動やアルコール摂取、入浴などは避けるようにしてください。

どんな人がスギ花粉症の舌下免疫療法を受けられないのでしょうか?

以下のような場合は、受けることができませんのでご了承ください。

◆β阻害薬を使用している場合、◆治療開始時に妊娠している場合

◆不安定な重症喘息を有している場合、

◆全身的に重篤な病気を合併している場合
悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症、重症心疾患、重症感染症が挙げられます。

◆全身ステロイド薬の服用や、抗癌剤を使用している場合

◆急性感染症に罹患している場合(発熱を伴う感冒など)

期待できる効果について教えてください。

長期にわたって正しく治療が行われるとアレルギー症状が緩和されたり、長期にわたって症状抑える効果が期待できます。

症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。くしゃみ、鼻水、鼻詰まりの改善

涙目、目の痒みの改善

アレルギー治療薬の減量

QOL(生活の質)の改善

舌下免疫療法の副作用にはどんなものがありますか?

主な副作用

おもな副作用としては下記があります

■口の中の副作用(口内炎や舌の下の腫れ、口の中の腫れなど)

■咽喉(のど)の痒み

■耳の痒み

■頭痛など

重大な副作用

非常に稀ではありますが、重大な副作用としては、ショックやアナフィラキシーがあります。

アナフィラキシーを疑うような症状がないか観察するため、当院では初めての舌下免疫療法の内服時はクリニックの中で行っていただき、30分は経過観察させていただき、万が一でも副作用が起きたときに迅速な対応ができるように準備しています。

当院の診療内容には、ダニアレルギーの舌下免疫療法も扱っていますので興味のある方はご覧ください。

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