りんご病(伝染性紅斑)

りんご病(伝染性紅斑)

りんご病(伝染性紅斑)

「お風呂に入ってから顔が真っ赤になりました。腕や足も赤くなっていますがしばらくすると元に戻ります。」
「外で遊んでいたら、顔が赤くなりました。腕も真っ赤です」

このような訴えで来院したらそれはりんご病かもしれません。

りんご病(伝染性紅斑)は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。顔面が平手打ちされたような紅斑と、手足の赤い発疹が特徴です。赤い発疹は一旦消えたあとも、日光に当たった後や運動によって再び出現することがあります。

発症の時期にはすでにウイルスの排出ありませんので、予後良好な病気です。

りんご病の経過

経過としては顔面が平手打ちんされたような赤い発疹から始まって徐々に徐々に下に向かって点状の赤い発疹が出現します。それが次第に網状になってきます。主として手足の伸側に発症することが多いようです。発症から皮膚症状が一旦消えるまでに約1週間程かかります。しかしながらその後1ヶ月ぐらいの間は日光暴露や運動などによって再び赤い発疹が出ることがあります。

ほっぺの赤い発疹等、手足の赤い発疹が両方セットになれば診断は簡単なのですが、実際は両方そろってくる場合は少なくないと思われます。診断がつかない場合は時間の経過を追う必要がありますので、全身状態とあわせて注意深く経過観察する必要があります。

症状が似ているけど違う病気

左右対称にほっぺに生じる赤い紅斑が出現する疾患はほかにも以下のようなものがあります。

全身性エリテマトーデス(SLE):全身症状がありますので、発疹だけではありません。

光線過敏症 接触皮膚炎:この場合は治療ですぐに発疹が消えます。しかし初期症状の頃には区別が難しいことがあります。

風疹と麻疹:この場合は、両方のほっぺが赤くなっていると言う診察だけでは区別が難しいです。

治療

特に治療はありません。1週間ほどで治ります。痒みが強いときは、レスタミンコーワクリーム外用等で対応することがあります。

合併症、生活上の注意点

妊産婦が感染すると胎児水腫を生じることがあり、流産死産の原因になることがありますので、その場合は血液検査で調べることがあります。(保険適応です。)

保育園、幼稚園学校などは問題ありません。プールについては屋外の場合、太陽光で発疹が悪くなることがありますから注意してください。プールに入ったからといって、病気が悪化することはありません。

赤血球の特別な病気はありませんか?

こういった患者さんは貧血がひどくなり入院が必要となる場合もあります。そのような特殊な病気がない限りはこの病気は問題なく治りますのでご安心ください。

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