目次
- ダイエットでやってはいけないこと7選
- 肥満の定義
- ダイエットでやってはいけないこと1:極端な糖質制限
- 参考:ロカボ(低炭水化物食)について
- 極端な糖質制限のデメリット
- 様々な炭水化物の特徴
- おすすめの食べ物
- ダイエットでやってはいけないこと2:朝食を抜く
- 朝食を抜くデメリット1:基礎代謝が落ちる
- 朝食を抜くデメリット2:昼食で食べた糖質、脂を吸収しやすくなる
- おすすめの朝食メニュー
- ダイエットでやってはいけないこと3:野菜の代わりに野菜ジュースを飲む
- ダイエットでやってはいけないこと4:●●を極端に食べる
- ダイエットでやってはいけないこと5:完璧を目指してしまう
- 完璧なダイエットを目指すとからだの中で何が起こるのか
- ダイエットでやってはいけないこと6:運動をしない
- おすすめの運動
- ダイエットでやってはいけないこと7:極端な体重減少を目指す
- 今回のまとめ
- 動画
- 当院のご案内
ダイエットでやってはいけないこと7選
皆さんこんにちは。
あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
今回のテーマは「ダイエットでやってはいけないこと」です。
特に以下の条件に当てはまる方、今回の内容は必見です。
- ダイエットしてもすぐにリバウンドしてしまう
- お腹周りの脂肪をすっきりとしたい
- 血圧が高いので痩せたい
肥満の定義
BMIは体重を身長の二乗で割った値です。
たとえば170cm・75kgの方は、75÷(1.7×1.7)=25.95です。
BMIは22が一番健康的な体重と言われています。
25を超えると、日本では肥満と定義され、さまざまながんや、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のリスクにもなります。
一方、18.5以下は「痩せ・るい痩」と言われる状態です。例えば低蛋白血症などの栄養障害を伴うリスクも上がってきます。
ダイエットでやってはいけないこと1:極端な糖質制限
糖質は体が効率よくエネルギーを得るために燃やせるエネルギー源です。そのため、糖質を制限してしまうと様々なデメリットがあります。
ある研究では、
1日に炭水化物を20~30g以下にする糖質制限をすると、半年まではしっかり痩せるものの、1年ほどでリバウンドしてしまうという結果が出ています。
そこまで極端にしてしまうと、これからお伝えする様々なデメリットがありますので、糖質制限を試すなら、適度なほうがいいですね。
糖質制限にも、いろいろな方法がありますが、ロカボという方法もあります。またあとで具体的な方法をお伝えします。
参考:ロカボ(低炭水化物食)について
ロカボは、炭水化物を通常よりも少し減らしていこうという考え方です。
たとえば毎食のご飯を大人用のお茶碗で1杯食べている方は、子供用のお茶碗に変えてみる。おやつも含めて1日あたりの糖質を70~130gの間に制限しましょうというやり方もあります。
ちなみに、炭水化物は複合炭水化物といって、糖質と食物繊維が一緒に入っています。そのため炭水化物を極端にカットしてしまうと、食物繊維の摂取量も減ってしまいます。
単純糖質というのが、ジュースや、お菓子など精製した炭水化物で、これは食物繊維が剥ぎ取られてしまっている状態です。
食物繊維は善玉の腸内細菌のエサになる大切な栄養素と同時に、便のかさを増して排便を促すためにも重要な役割を持ちます。ですので炭水化物を制限することで、下記のようなデメリットが生じます。
極端な糖質制限のデメリット
極端な糖質制限をすると
- 便秘
- お腹が張って苦しい
などの副作用が出ることもあります。それが結局、ダイエットが長続きしない理由の一つになります。
また、糖質を摂らなすぎることによって体は省エネモードになりますので、
- やる気がなくなる
- 全身倦怠感(体がだるくなる)
といったこともあります。それも極端な投資制限が長続きしない理由の一つになります。
そして、極端な糖質制限をする方は満足感の無さから
- 脂っこいもの
- お肉
- タンパク質
といったものを過剰に摂る傾向があります。赤身のお肉を食べ過ぎることで、
- 大腸がんのリスクが上がる
- コレステロールが上がる
- 心筋梗塞のリスクが上がる
- 狭心症のリスクが上がる
というデータもあります。
様々な炭水化物の特徴
炭水化物にも種類が色々あります。
- 精製した白米
- 精製したパン
などは食物繊維やビタミン、ミネラルを削ぎ取ってしまっていて、栄養が糖質だけに偏っています。
そのため血糖が上がりやすく、逆に糖尿病のリスクが上がってしまうというデータもあります。
おすすめの食べ物
毎日摂る糖質を複合糖質といって、糖質と食物繊維が一緒になったものにするのがおすすめです。
- 玄米
- 五分づき
- 全粒粉のパン
具体的には、1食の炭水化物を20~40gぐらいに設定するといいでしょう。
子供用お茶碗1杯分がおよそ33g程度です。これぐらいあると、脳や白血球の機能を維持するために、最低限の糖質は取れるということがわかっています。
1日3食プラス間食で10g分で大体1日70~130gぐらいの糖質量になります。
大人用のお茶碗1杯に含まれる糖質は55g。これは角砂糖にすると18個分です。ちなみに食パン6枚切りのパン1枚が糖質27gです。
私も実際にダイエットとして、子供のお茶碗1杯程度の食事を続けてみました。極端な糖質制限による便秘や頭痛、だるさは気にならないと実感しています。
ダイエットはバランスが大切です。
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂肪
様々な栄養素をしっかりと摂るように心がけましょう。
ダイエットでやってはいけないこと2:朝食を抜く
朝食を抜いたり、サラダだけなど簡単に済ませてしまう方は多くいらっしゃると思いますが、それは危険です。その理由をお話していきます。
朝食を抜くデメリット1:基礎代謝が落ちる
寝ている間も、私たちは体の機能を維持するために栄養を必要としています。
そのために肝臓や筋肉に蓄えられたグリコーゲンが分解され、糖分というエネルギーになったり、足りない場合は(脂肪だけでなく)筋肉を分解してエネルギーにする必要があります。
皆さん大体6~7時間の睡眠とすると、少なくとも8~10時間ぐらいは朝まで食べない状態になりますよね。
そこからさらに食べないでお昼の12時まで、多くの人は学校や会社に行って、寝ている時以上に体を使いますよね。
そういった方が朝食を抜くと、脂肪だけでなく筋肉も分解してしまうことで体の機能を維持しようとします。
そのため体の筋肉量が落ちてしまい、基礎代謝で消費してくれるカロリーが少なくなってしまいます。
結果的にそういった生活を続けていると2~3ヶ月後は太りやすくなってしまいます。
朝食を抜くデメリット2:昼食で食べた糖質、脂を吸収しやすくなる
7時、8時にご飯を食べたとして、お昼の12時まで何も食べないと、16~17時間は何も食べない状況ですから、体は軽い飢餓状態になっています。
そこに例えば
- 天ぷら定食
- かつ丼
といった糖質、脂たっぷりのものを食べると、体はいつも以上に等質油を吸収して脂肪に蓄えようとします。そのため、かえって太りやすくなってしまうというわけです。
おすすめの朝食メニュー
こちらは、ある日の私の朝食です。参考程度ですが、タンパク質である納豆、卵、鮭などもたくさんとっています。
また具だくさんのお味噌汁には、煮干し、昆布、かつおをミキサーで粉にして自家製のだし汁がはいっています^^(自分でつくってます)
遅いと午前の診療が終わるのが、13時半になる場合もありますので、しっかりと頭と体が働くように、朝食は欠かせません。
ただ、普段食べすぎているとか、夜おそくに食べた場合などは、ゆで卵とおにぎりなど朝食を軽くするか、職場にもっていって、空腹時間をいつもと同じくらい長くするようにこころがけています。
ダイエットでやってはいけないこと3:野菜の代わりに野菜ジュースを飲む
ダイエットするうえで野菜が大事ということは、ほとんどの皆さんが分かっていると思います。
- 野菜…食物繊維、ビタミン、ミネラルなど
- トマト…リコピン
- キャベツ…キャベジン
こういった体にいい成分がたくさん入っています。
免疫力を高める緑黄色野菜。食物繊維は、心筋梗塞や脳卒中、ある種のがんの予防効果もあります。
そして、野菜ジュースをとれば野菜がとれると思っている方が多いのですが、これは間違いです。
野菜ジュースは野菜の最もメリットのある部分「食物繊維」を削ぎ取ってしまっています。ジュースよりは少量のビタミン、ミネラルは入っていると思いますが、基本的には砂糖ジュースを飲んでいるようなイメージを持っていただけるといいと思います。
野菜ジュースを飲むと血糖が急上昇します。体にとってそんなに高い血糖値というのは要りません。
余ったエネルギーが中性脂肪になり、身体に蓄えられてなかなか痩せられなくなります。
ダイエットでやってはいけないこと4:●●を極端に食べる
よくダイエットに効果がある食べ物の情報を見ると、そればかりずっと食べてしまう方がいるのですが、どんなものでも食べ過ぎはよくありません。
例えば果物。たしかにお菓子やジュースを飲むよりは果物の方がいいかもしれませんが、そればかり食べすぎては栄養が偏ってしまいます。
以前私が担当した患者さんで、素焼きのナッツがダイエットにいいと聞いて、手のひら4個分ぐらい食べているという方がいらっしゃいました。
ナッツは体にとてもいいですが脂肪分が多いので、食べ過ぎたらカロリーオーバーになって太ってしまいます。
素焼きのナッツの場合、片手分ぐらいがちょうどいいと言われています。男性30g、女性25gくらいです。
ダイエットでやってはいけないこと5:完璧を目指してしまう
何事も完璧を目指してしまうと疲れてしまいます。
たとえばダイエットをしようと考えたときに、糖質制限がいいと聞いて、糖質を全部カットしてしまったとします。すると、
- 便秘
- 頭痛
- 倦怠感
- リバウンド
といったさまざまなリスク、デメリットが出てきます。
もし糖質、脂の多い食べ物がどうしても食べたくなってしまったら、食べてもいいと思います。
その代わり、翌日、翌々日の食事をセーブするなど、帳尻を合わせるようにしてみましょう。
外来で生活習慣病の方を担当させていただくと、
▼体重が増えた結果
- 血糖コントロールが悪くなる
- 血圧が上がる
- コレステロールが上がる
といった傾向があります。
完璧なダイエットを目指すとからだの中で何が起こるのか
完璧にやろうとすると、思いどおりにいかないことがある分、ストレスが溜まってしまいます。すると、体の中では腎臓の上にある副腎からコルチゾールという高ストレスホルモンが出ます。
コルチゾールは、血糖値を高い状態にしてストレスに反応しようとする性質があります。
また、このコルチゾールが分泌されることで、テストステロンという男性ホルモンの分泌が減ってしまいます。
テストステロンは筋肉を合成し、脂肪を燃焼しやすくするホルモンです。それが抑えられることで、より脂肪を溜め込みやすくなってしまいます。
あなたにとってのストレス解消法を考えてみましょう。
- 自分だけのリラックスする時間を意識的に作る
- 趣味の時間に没頭する
- 森の中をリラックスして散策する
こういったことで、緊張から解放される時間を作ることが大切だと思います。
ダイエットでやってはいけないこと6:運動をしない
運動をしないというのは非常にリスクがあることです。
ある研究で、2週間寝たきり状態で過ごすと、筋肉は約15%減ってしまうという報告があります。
寝ているというのはほとんど重力がかかりません。たとえば筋肉量が25kgあるとすると、約3.75kgの筋肉量が2週間で減ってしまいます。
これを体脂肪に換算すると、2週間で約100gもの脂肪が増えてしまうことになります。
お茶碗1杯が大体120gですから、お茶碗の大体8~9割ぐらいが体の中で脂肪に入れ替わるということです。
また、40代以降は太ももなどにある大きな筋肉を中心にして、年間1%ぐらいの割合で筋肉が減っていくと言われています。運動しないと筋肉は落ちます。
40歳になって、30歳と同じ食事の量をとっていたら、当然その分脂肪になって体の中に蓄えられていきます。
おすすめの運動
息が弾むぐらいの運動を週に5回程度30分やるといいと思います。
研究では20分以上連続で運動しなくても、朝の通勤時に10分歩き、夕方20分歩き、夜家で10分スクワット、腕立て伏せ、腹筋をやるだけでも脂肪の燃焼効果があるということがわかっています。
アフターバーン効果と言って高度の筋トレをした場合は、最大36時間程度筋肉がカロリーを消費すると言われています。
また、運動にはセロトニンといって気持ちを安定化させたり、睡眠を促すホルモンを出す効果もあります。
ハードルが高く感じる方は、週に一回10分からでもOKですから、ウォーキングから始めてみてはいかがでしょうか。
ダイエットでやってはいけないこと7:極端な体重減少を目指す
特に若い女性の方に多いのですが、ダイエットのためにとほとんど食べず、拒食症のような状態になってしまった方も見てきました。
BMIが18.5以下をるい痩といって、この状態は栄養障害が出るとお話しました。15、14、13などBMIが極端に低い場合は、命に危険が及ぶ可能性もあります。
ダイエットをする際は
- バランスの取れた食事
- しっかりと睡眠をとること
- 適度な運動
- ストレスを溜め込まない
といった健康的な生活習慣を取り入れていただいて、健康的に痩せるということをイメージしてほしいと思います。
今回のまとめ
ダイエットやってはいけないこと 1つ目:極端な糖質制限
便秘・倦怠感などの不調を起こしたり、満足感の無さからお肉などを過剰に摂ってしまう
ダイエットやってはいけないこと 2つ目:朝食を抜く
基礎代謝が落ちたり、食べたものの糖質・脂を吸収しやすくなる
ダイエットやってはいけないこと 3つ目:野菜の代わりに野菜ジュースを飲む
野菜の大きなメリット「食物繊維」を削ぎ取った野菜ジュースを飲んでも、代わりにはならない
ダイエットやってはいけないこと 4つ目:●●を極端に食べる
果物やナッツなど、ダイエットにいいと言われる食べ物も食べすぎは危険
ダイエットやってはいけないこと 5つ目:完璧を目指してしまう
完璧を目指すあまり極端なことをしてしまい、心身ともに不調があっては逆効果
ダイエットやってはいけないこと 6つ目:運動をしない
2週間の寝たきりで筋肉は約15%減。おすすめは息が弾むぐらいの運動を1日30分
ダイエットやってはいけないこと 7つ目:極端な体重減少を目指す
ダイエット目的で食べずにいると、拒食症や、命に危険が及ぶ可能性も
動画
ダイエットでやってはいけないこと7選について、動画でも詳しく説明しています。ぜひご覧ください!
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