こんにちは、あまが台ファミリークリニックの院長細田です。
今回はあなたの寿命を縮めるかもしれない、
驚くべき意外な悪習慣を紹介します。
悪習慣を紹介する前に、
- 悪習慣は私たちにどんな影響を及ぼすのか
- どうして悪習慣が身についてしまうのか
- どうすれば悪習慣を断ち切ることができるのか
についてお話させてください。
目次
あなたの寿命を縮める!?悪習慣3選
悪習慣とは?
みなさんは「悪習慣」ときいて、どんなことを想像するでしょうか?
悪習慣とは、皆さんの健康寿命を縮めたり、やりたいことや目標に向かうことを、妨げるような習慣のことを指します。
- 食べ過ぎて、太ってしまった
- つい無駄遣いしてしまう
- 夜更かしし過ぎて寝不足
- 課題をついつい先延ばしにする
数えあげたらキリがないですよね。
25歳から35歳ぐらいになると、生活の8割以上が、無意識に行う習慣で成り立っているといわれています。
例えば車の運転や、寝る前の歯磨き、なんかも無意識にやっていますよね。
どうして悪習慣が身についてしまうんでしょうか?
その背景には4つの理由が隠れています。
その4つの理由についてまず説明したいと思います。
なぜ悪習慣が身についてしまうのか?
❶即効性
悪習慣になってしまう理由1つ目が、「即効性」です。
勉強、ダイエットなどの結果が出るのは時間がかかりますが、甘いお菓子を食べればすぐに満足できますし、コーヒーやお酒を飲めば、すぐに高揚感が得られますよね。
また、ゲームなどで達成感を得ると、脳内で興奮物質であるドーパミンが分泌されます。
そしてまたその興奮状態を味わいたくなり、その行動を繰り返しやっていくうちに習慣化していくわけです。
❷承認欲求
悪習慣になってしまう理由2つ目が、「承認欲求」になります。
SNSにアップした写真に、200個イイネがついた。
素敵ですねというメッセージが、何度もつく。
このような経験により承認されたというニーズが満たされ、それが気持ちよくなり、何度も繰り返したくなり習慣化します。
人から注目されたい、愛されているか確かめたい。という欲求は誰にでもあるものですが、やりすぎによって生活に大きな支障が出てしまう場合は、悪習慣になってしまいますよね。
❸現実逃避
悪習慣になってしまう理由3つ目が「現実逃避」です。
職場の辛い関係を思い出すと気分が暗くなりなかなか寝付けなかったり。
その気持ちを忘れたくてゲームや映画に没頭する。
あるいは何か今日は暇だなと仲の良い友達と居酒屋で、お酒を飲んで憂さを晴らす。
これは現実逃避の現れかもしれません。
現実逃避とは意図的に現実から逃げる行動や心の状態のことを指します。
現実逃避は必ずしも悪いとは限りません。
仕事から離れる時間を増やし、好きなものを食べたり、映画を観るのはとても大事な時間です。
ただ行き過ぎると何事にもメリハリがつかず、集中力が無くなったりと、
デメリットも出てくるかもしれません。
❹快感欲求
悪習慣の背後に隠れた理由4つ目、それが「快感欲求」です。
口寂しさを紛らわすために、タバコを吸う。
また喉ごしの良い冷えたサイダーやコーラを、グビグビと飲んだ時に口の中に広がる、あの快感を止められない人は多いと思います。
心地の良い感覚が得られるような行動は習慣化しやすい理由の一つです。
今お伝えした4つの理由のうちのどれか一つは、ご自身の悪習慣に当てはまるはずです。
理由を知ることで、悪習慣を改善しやすくなりそうですね。
そうなんです。どうしてその悪習慣が発生してしまうのか?
理由を考えることで根本的な解決への近道になりますよ。
それではいよいよあなたの寿命を縮める超意外な悪習慣3選をご紹介していきます!
悪習慣❶週に140分を超える筋トレ
私も週に一回筋トレをしているので、この論文を読んだ時にはびっくりしました。
この研究では、筋トレと疾患死亡リスクを調べています。
※この研究は、東北、早稲田、九州大学のグループで18歳以上の方を対象とし、論文1250本から、信頼性の高い16本を選びその結果を統合して分析されました。
このグラフは横軸が週に実施する筋トレの時間、縦軸が死亡のリスクを表します。
週40分程で総死亡リスクは最も低くなります。
つまり、それぐらいの時間までの筋トレなら問題ないということです。
むしろ筋トレをすることで、死亡率や疾患リスクを下げることができます。
週140分以上筋トレをすると、全くやらない人よりも死亡リスクが上がるなんて、びっくりですよ。
筋トレを習慣化している人にとっては衝撃の結果ですよね。
筋トレの適正な時間とやり方
また、筋トレによって分泌されるマイオカインという物質は、様々な病気の発症リスクを下げて、寿命を伸ばすという働きもあることがデータで分かっています。
ですが何事も過ぎたるは及ばざるが如し。
どんなに体に良いものでも食べ過ぎれば、
お腹を壊すこともありますよね。
お腹が消化しやすい量にするためには、腹8分にしておきなさいという教えがありますが、それを表す貴重な研究結果だと言えるかもしれません。
筋トレにおける腹8分とは、週30分から60分くらいが適正ということです。
まとめると、
週30分で総がん発症のリスク、
週60分で心筋梗塞や脳卒中のリスクを下げることができます。
また、健康のためには筋トレだけ頑張るよりも、ランニングなどの有酸素運動も併せて行った方が、死亡や心筋梗塞のリスクも下がりやすくなります。
ここで言う有酸素運動とは、ちょっと息が弾んで、隣の人とやっと話せるぐらいの負荷を指します。
まずは続けることが大切です。
1日10分の有酸素運動から
始めてみるのはいかがでしょうか?
悪習慣❷週末の寝溜め
厚生労働省の調査では、日本人における睡眠不足の人が増加傾向にあるといわれています。
睡眠不足が身体に悪い影響を与えるのは皆さんご存知だと思います。
心筋梗塞のリスクが3倍
自殺率は4.3倍
と様々なリスクが知られており、十分な睡眠時間を確保することはとても大切です。
私は寝る前についついテレビやスマホを見て、気づいたら1時間2時間経っていていつも寝不足です・・。
そんな睡眠不足をカバーするため増えているのが、週末の寝溜めです。
寝溜めとは?
ここでいう寝溜めとは、
平日に5時間睡眠、週末に9時間から10時間ぐらい眠るというかんじです。
先生!私は仕事で朝は早く、夜は残業。
ですから毎日5時間くらいしか寝られません。
週末の寝溜めは疲れを回復させるためにとても大事なんですよ。
わかります。私も週末数時間プラスアルファ寝ることもありますし、
一時的に頭がスッキリする感覚もあります。
しかし、いくつかの研究で、寝溜めは短期的に体調を良くする一方で
長期的には体に様々な影響を与えることが分かっているんです。
寝溜めが食欲や体重に与える影響
この研究では、寝不足の人、寝溜めをする人、十分な睡眠を取る人、
3つのグループに分けられました。
寝溜めの有無で体重や食欲の変化を調べています。
その結果、
食事後の食欲が増え、2週間で平均体重が1.4kg増加した
という結果が得られたのです。
睡眠と全死亡率との関係
もう一つはこちらのプロスペクティブスタディーと言って、信頼性の高い研究で、40歳から64歳の3128人の参加者のデータを使い、睡眠と全死亡率との関係を表しています。
この研究の結論を先に言ってしまうと、
また、注目すべきは、平日5時間睡眠で週末は10時間というように、
大きければ大きいほど死亡リスクが高まっていることです。
また、週末の寝溜めが多い人ほど、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる重大な病気になるリスクも上がることも分かっています。
週末の極端な寝溜めは、食欲を増加につながり、肥満や糖尿、そして命に関わる病気のリスクを高める可能性がある
週末の寝溜めの解決策
では解決策は具体的にどうしたらいいでしょうか?それは、
先生、私は今年65になるのですが、朝ぱっちりと目が覚めてしまって、6時間しか寝られません。
睡眠時間は足りないでしょうか?
それについてはこちらのグラフが参考になります。
下に行くほど歳を重ねるというグラフになっていますが、年齢を重ねるとともに必要な睡眠量が減少していきます。
ですので、睡眠時間が短くても、日中元気に過ごせるのであれば問題ありません。
悪習慣❸孤独を好む
私は一人の時間を大切にしていて、
その時間があるからこそ自分らしく生活できると考えています。
それなのに悪習慣だなんて・・納得いきません!
それはもっともな意見ですが、ここでいう孤独とは、社会的な孤立孤立感のことを指します。
20代、30代、40代と、活発に動ける時は毎日の仕事も忙しく、一人の時間があるからこそ、ゆっくりできるという方も多いでしょう。
- 趣味などを楽しい時間を共有できる仲間がいない
- 困った時に何かを相談できたりサポートしてもらえる仲間がいない
という状態が続くと、社会的孤立になりかねません。
家族と同居していても、つながりを感じられなければ、それは社会的孤立かもしれません。
なによりあなた自身が寂しさを感じて辛いときと感じれるのならば、それはまさに孤独な状態です。
社会的な孤立感というのは、あなたの体を蝕む
様々なリスクがあるということがわかっています。
早期死亡リスクが50%も低下する
という報告もあります。(ボストン大学の教授の研究、アメリカのブリガムヤング大学の研究から抜粋)
これは1日15本のタバコを吸う方の死亡リスクに匹敵し、運動不足や肥満の死亡リスクの3倍に相当します。
他にも
という研究結果もありますから、いかに社会的な孤独が健康に与える影響が大きいかわかると思います。
社会的孤独の影響ってそんなに大きいんですね・・・
社会的な孤独を解決するためにはどうすればいいんですか?
これから3つの方法をご紹介したいと思います。
社会的孤独の解決策❶ボランティアに参加する
ボランティアは、何か人の役に立っているという感覚以上に、
私が担当している患者さんの中には、月に2回程度それぞれがお菓子やお茶を用意して、地域に住んでいる高齢者の方のために、お茶会を催している方がいらっしゃいます。
その方は、その会を楽しみにしていて、いろいろな方と交流でき、とても楽しい。
と外来にいらっしゃったときに、笑顔でおっしゃっていました。
先生、私は人見知りで交流の場が苦手なんです・・どうしたらいいでしょうか?
そんな方におすすめの方法を紹介します。
社会的孤独の解決策❷SNSを利用する
現在は大人向けのSNSがとても発達しています。
【50歳以上 SNS】と検索すると、様々なアプリが出てきます。
好きな趣味を持った人同士、まずはスマホでやり取りできる場が増えているのです。
社会的孤独の解決策❸シルバー人材センターに参加する
シルバー人材センターとは、高齢者の方が社会で活躍し続けるための支援をする団体です。
その場を通して体を動かしたり、何よりも人の役に立っているという充足感が得られることが大きいと思います。
・庭の手入れをする
・手作りの製品を作って販売する
・学校の行き帰りの見守りなど
また、仕事をすることで収入が得られるという大きな特徴です。
私が担当する患者さんでも、シルバー人材センターに登録している方がいます。
外来でお話しする中で、草刈りをよくやっているんだよ、とおっしゃっていました。
2年、3年と、長く続けていらっしゃったので、なんで続けることができるんですか?と質問したところ、
一緒にやっている仲間がとても良くて、会うのが楽しいんだよね、と話していました。
興味のある方は、最寄りのセンターに問い合わせしてみてはいかがでしょうか?
社会的孤立を解消するための3つの方法について解説しました。
他にも地域のジムやフィットネスセンターに参加したり、学習やスキルアップのために市民講座に参加するなどもいいかもしれません。
こんな症状がでていたら注意
・孤立感が強く、気分の落ち込みが、2週間、3週間、4週間と続く
・理由がないのに涙が出てきて悲しい
・今まで楽しみにしていた趣味に興味が湧かなくなってしまった
などのうつ症状がある場合は、心療内科や精神科など、
専門家に相談することが大切だと思います。
まとめ
今回は悪習慣に潜む4つの理由や、
あなたの寿命を縮める超意外な悪習慣3選について、お話しさせていただきました。
これを機会に、ご自身の日々の習慣を振り返ってみるのも良いかもしれません。
こちらのブログでは、これからも健康的な生活に役立つ知識を配信していきます。
どなたかの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
動画も配信中ですのでぜひご視聴ください
あなたの寿命を縮める 超意外 な 悪習慣 3選【これをやめれば寿命が伸びる?!】
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