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漢方で本当に痩せる??
「自然に体質を変えてダイエットしたい」

そんな声をよく耳にします。
実際、漢方薬の中には「水分代謝を整える」「むくみを取る」「便通を改善する」といった作用を持つものがあり、体質改善による“ゆるやかな減量”が期待できます。
一方で、現代の肥満医学では、より明確なエビデンスをもつGLP-1/GIP製剤(ゼップバウンド)なども登場し、「効率的に体重を落とす」選択肢も広がっています。
今回は、医師の立場から「漢方で本当に痩せるのか?」を科学的に解説し、
「自分に合ったダイエットの選び方」まで詳しくお話しします。
- 漢方を試してもなかなか体重が落ちない
- 自然に痩せたいけど効果が実感できない
- 最近リバウンドを繰り返している
- 健康的に効率よく体重を減らしたい
当院でしたら、上記の悩みが解決できるかもしれません。

皆さん こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。年間延べ5,000人以上の糖尿病、肥満症患者さんの診療に従事しています。
漢方で痩せるって本当?

漢方では、「気(エネルギー)」「血(栄養)」「水(うるおい)」のめぐりを整えて、内側からキレイを育てる考え方を大切にします。
体が整うことで、自然と代謝も上がり、“頑張らなくてもスッキリしていく”状態を目指します。
そのため、体重減少の“直接的な薬理作用”というよりも、代謝やむくみの改善を通じて結果的に体重が減るというアプローチになります。
実際、肥満症に対する漢方の研究報告はありますが、平均で体重1〜2kgの減少に留まることが多く(※1)、
生活習慣の見直しと併用してこそ効果が発揮されると考えられています。
痩せる漢方薬にはどんな種類がある?
- 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
脂肪の分解・排出を促し、便秘やむくみの改善にも有効。 - 大柴胡湯(だいさいことう)
ストレスによる過食傾向のある方に。 - 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水太り・むくみ体質の方に。 - 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
血行を良くし、冷えや月経不順を伴う女性に。
これらはすべて“体質別”で選ぶことが重要です。
合わない漢方を服用しても効果が出ないばかりか、副作用を感じることもあります。
漢方のメリット・デメリット
メリット
・自然な形で代謝を整える
・体質改善を通じてリバウンドしにくい
・長期的に服用できる
デメリット
・効果が出るまで時間がかかる
・体質に合わないと効果が乏しい
・むくみ、下痢、発疹などの副作用が出ることもある(※2)
医学的な肥満治療との併用という選択
体質改善を目指す「漢方ダイエット」に対し、GLP-1/GIP製剤(ゼップバウンド・ウゴービ)は「食欲と代謝を直接コントロールする」アプローチです。
臨床試験では以下のような結果が報告されています。
- ゼップバウンド(チルゼパチド)
5mg投与群でも1年4か月で平均15%以上の体重減少(※3) - ウゴービ(セマグルチド)
2.4mg投与で平均14.9%の体重減少(※4)
いずれも生活習慣改善+薬物療法を組み合わせることで、より高い減量率が得られています。
つまり、「体質改善+ホルモン治療」というハイブリッド戦略こそ、無理せず・確実に体重を落とす最短ルートといえるでしょう。
医師が考える“賢いダイエット戦略”
・「漢方」は体質を整えるベース
・「GLP-1/GIP製剤」は代謝を直接変えるブースター
それぞれをうまく組み合わせ、医師のもとで安全にコントロールすることが大切です。
自己判断でサプリやネット通販の漢方を使うのは危険です。
医療機関では、血液検査や副作用チェックを行いながら、あなたの体に合った治療プランを立てられます。
まとめ
- 漢方での減量は“1〜2kg程度”が一般的
- 本格的に体脂肪を減らしたい場合は、医学的肥満治療を併用
- 医師と相談しながら、無理のない継続が大切
「体質を整えながら、確実に痩せたい」方へ
医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニックでは、
漢方治療とゼップバウンド・ウゴービを組み合わせた
医学的肥満治療を行っています。
よくある質問
Q1. 漢方だけで大幅に痩せられますか?
A. 大幅減量は難しく、体質改善+軽度の体重減少が主な効果です。
Q2. ゼップバウンドやウゴービと併用してもいいですか?
A. 医師管理のもとであれば併用可能です。食欲や便通の改善を助けることがあります。
Q3. 漢方はどのくらいで効果が出ますか?
A. 体質改善に3か月〜半年かけて効果を実感する方が多いです。
参考文献
(※1) Suzuki et al. Obes Res Clin Pract. 2014;8(3):e201–e209.
(※2) 厚生労働省「漢方薬の副作用に関する安全性情報」
(※3) SURMOUNT-1 Trial. N Engl J Med. 2022;387:205-216.
(※4) STEP-1 Trial. N Engl J Med. 2021;384:989-1002.
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【ご注意】
本記事は、体質改善や漢方の考え方をわかりやすくお伝えするための一般的な情報です。
効果のあらわれ方には個人差があり、すべての方に同じ結果をお約束するものではありません。
気になる症状やお悩みがある方は、医師にご相談ください。




