院長ブログ

尿が泡立つ・臭う…それ、放っておくと糖尿病のサインかも?原因と検査をわかりやすく解説

尿が泡立つ・臭うのは病気?糖尿病との関係を医師がわかりやすく解説

「最近、トイレで尿が泡立つ」
「前よりニオイが強くなった気がする…」

こうした不安で受診される方は、とても多いです。

この記事は、次のような方を想定して書いています。

  • 30〜60代で仕事や家事が忙しい
  • 糖尿病や高血圧を指摘されたことがある、または家族にいる
  • 健康診断で「尿たんぱく」「尿糖」を指摘されたことがある
  • 「病院に行くほどかな…」と迷いながらも、少し不安を感じている

こんにちは。
医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック 院長の細田俊樹です。

私はプライマリ・ケア(総合診療)を専門に、医師として25年目になります。
当院では、年間5,000人以上の糖尿病患者さんを診察しており、その中には「尿が泡立つ」「最近尿のニオイが気になる」といった症状をきっかけに受診される方も少なくありません。

「尿が泡立つ・臭う」は、まったく問題ないこともあれば、腎臓病や糖尿病のサインであることもあります。ここでは、医学的根拠をもとに原因や検査の重要性をわかりやすく解説します。

尿が泡立つ主な原因

  1. 尿の濃さ・勢い・トイレの形状
    朝イチの尿や水分不足、勢いよく出たときなど、一時的に泡立つことがあります。洗剤や便器のコーティングでも泡立ちが変わります。
  2. 一過性のたんぱく尿
    発熱、運動、脱水などで一時的に尿たんぱくが出ることがありますが、多くは回復します。
  3. 持続するたんぱく尿(糖尿病性腎症など)
    細かい泡が毎回のように続く場合は、糖尿病や慢性腎臓病が原因のことがあります。特に糖尿病では「微量アルブミン尿」の段階から腎臓にダメージが始まります。
  4. 尿路感染症
    排尿痛や頻尿を伴う場合は膀胱炎などの可能性があります。尿が濁ったり、強い臭いが出ることもあります。
  5. 精液の混入(男性)
    射精直後に排尿すると、尿道内の精液で泡立つことがあります。正常な現象ですが、血尿を伴う場合は泌尿器科受診を。
  6. ネフローゼ症候群などの腎疾患
    むくみや体重増加を伴い、強いたんぱく尿が出る場合があります。

尿が臭う主な原因

  1. 水分不足・食べ物・薬
    尿が濃くなったり、アスパラガス・コーヒー・スパイス・ビタミン剤などでも一時的に臭いが強くなります。
  2. 尿路感染症
    アンモニア臭やツンとする悪臭があり、排尿痛や頻尿を伴う場合は要注意です。
  3. 糖尿病・ケトン体
    血糖コントロール不良で、尿に糖やケトン体が含まれると甘い匂いがすることがあります。ただし匂いだけで判断はできません。
  4. その他の病気(まれ)
    肝疾患や代謝異常症などでも尿臭が変わることがあります。

どんな検査を受ければよいか?

  • 尿検査:尿たんぱく、アルブミン、尿糖、白血球、潜血などを調べ、微量アルブミン尿も評価します。
  • 血液検査:血糖値、HbA1c、クレアチニン、eGFRなどで腎機能や糖尿病の有無を確認します。

  • 超音波(エコー)検査:腎臓や膀胱の形、尿路結石の有無、残尿などを確認します。

「様子見でいい?」という疑問への答え

Q1:たまに泡立つくらいなら大丈夫?
→ 一度だけ、すぐ消える泡なら問題ないことが多いですが、2週間以上続く場合やむくみ、高血圧がある、体重が1,2か月で5kg以上減るあるいは増える、やたら喉が乾く、頻尿がひどいと言った症状があれば早めに受診が必要です。

Q2:「尿糖+」でも痩せているから大丈夫?
→ 痩せていても糖尿病の方はいます。尿に糖が出るのは血糖が高いサインなので、精査をおすすめします。(健常でも、尿に糖が混じる場合もあります)

Q3:臭いで病気はわかりますか?
→ 匂いだけでは判断できません。数日続く変化は一度尿検査を。

糖尿病の可能性も含めて検査をおすすめする理由

尿が泡立つ・臭う背景には、脱水や感染症だけでなく、糖尿病性腎症などの慢性疾患が隠れている場合があります。糖尿病による腎障害は初期には自覚が少ないため、「微量アルブミン尿」などの段階で早期発見することが重要です。

当院では、年間5,000人以上の糖尿病患者さんを診察しており、尿検査・血液検査・腎臓や膀胱のエコーを組み合わせて丁寧に原因を確認しています。
「糖尿病だったらどうしよう…」という不安がある方も、早期発見で腎臓を守れる可能性が高まります。

糖尿病や腎臓の検査をご希望の方へ

当院医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック)では、経験豊かな医師による診療を行っています。
千葉・茂原エリアからも通院可能ですので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。

 

参考文献

  1. Cleveland Clinic. Foamy Urine: Bubbles, Causes, Diagnosis & What’s Normal.
  2. Kidney Research UK. Proteinuria: symptoms, causes, treatments, testing and more.
  3. Lee SY, et al. Urinary biomarkers for early diabetic nephropathy. Int J Mol Sci.
  4. Wang C, et al. New urinary biomarkers for diabetic kidney disease. Biomarker Res.
  5. NHS. Smelly urine – Causes and when to see a doctor.
  6. Mayo Clinic / Healthline. Strong-smelling urine and diabetes-related odor changes.

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この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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