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血糖値が気になる人へ|医師が選ぶ「太りにくいおやつTOP5」と食べ方のコツ

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血糖値が気になる人でも安心して食べられる「おやつトップ5」

おやつは大好き。でも、血糖値のことを考えるとつい我慢してしまう…。そんなジレンマを抱えている方は本当に多いです。

「甘いものを食べると血糖が急上昇するのでは?」
「どれくらいなら食べてもいいのかわからない」
「医師に“おやつは控えてください”と言われて余計に不安になった」
疑問男女

——当院に来られる患者さんからも、よくこのような相談があります。

そして実際に話を聞いてみると…

“ダメと言われるから怖くなるだけで、正しい選び方と量さえ知れば、おやつは味方になる”
ということをほとんどの方がご存じありません。

糖尿病治療や生活習慣の改善は、“我慢”ではなく“仕組みの理解”が鍵です。特に血糖値は、「何を選ぶか」「いつ食べるか」だけで大きく変わります。

当院について・自己紹介

★院長診察 シュライバー5

こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。
(日本糖尿病学会正会員、日本プライマリケア連合学会 家庭医療専門医)

私自身はプライマリ・ケア 総合診療を専門に医師として25年目になります。クリニックを開業して7年目ですが、現在では年間延べ5,000人以上の糖尿病の患者さんを診察しております。

毎日の診療の中で、「先生、これは食べてもいいんですか?」「量はどのくらいなら大丈夫ですか?」とおやつに関する質問を本当によく受けます。そのたびに「おやつ=悪いもの」ではなく、「選び方とタイミングの問題なんですよ」とお伝えすると、安心して笑顔になられる方が少なくありません。

ランキングに入る前に知っておいてほしいこと

おそらく、あなたが一番知りたいのは「結局、どのおやつなら安心して楽しめるのか?」という点だと思います。

ただし、本当に大切なのは“甘いかどうか”だけではありません。

大事なのは、血糖値の上がり方、吸収のスピード、食物繊維やたんぱく質、噛む回数、食べる量、そして食べるタイミングといった、血糖値が上下する“仕組み”全体です。

血糖値 乱高下

ここを少し理解しておくと、自然と血糖値が乱れにくい食べ方ができるようになります。

この記事では、その仕組みをふまえたうえで、当院が実際に患者さんへおすすめしている「血糖値に優しいおやつトップ5」をご紹介します。

「え、これ食べてよかったの?」と驚くものもあると思いますが、どれも量とタイミングを守れば味方になるおやつばかりです。

この記事は“理論だけ”ではなく、血糖値が実際に改善した方々の「食べ方のコツ」や「量の目安」「コンビニでの選び方」まで具体的に書いています。

読み進めていただくうちに、「今度はこれを試してみよう」「無理なく続けられそう」と自然に思えるはずです。

もし今、おやつを我慢しすぎてストレスになっていたり、何を食べていいかわからず不安だったり、ときどきドカ食いしてしまうような状態なら、あなたの血糖値はおやつの選び方を少し変えるだけで大きく変わる可能性があります。

少しでも不安があれば、当院でも丁寧にサポートできますので、気軽に相談してくださいね。

それではさっそく、血糖値に優しいおやつトップ5をご紹介します。

第5位:冷やして美味しい「焼き芋」

甘くて満足感のある焼き芋ですが、実は血糖値が急に上がりにくい食品の一つです。

食物繊維が豊富なため、腸で糖質がゆっくり吸収され、同じ甘さでもケーキやクッキーとは血糖の上がり方が全く違います。

さらに、一度冷やすことでレジスタントスターチという成分が増え、これが食物繊維のように働いて、糖の吸収をさらにゆっくりにしてくれます(※1)。

「焼き芋って甘いからダメだと思っていました」という方も多いのですが、実は正しく食べれば、血糖値に優しいおやつになり得るのです。

量の目安は、小ぶりの焼き芋なら1本、大きめのものなら1/2本程度。

皮には食物繊維がたっぷり含まれているので、できれば皮ごと食べるのがおすすめです。一度冷蔵庫で冷やして「冷やし焼き芋」にしたり、朝食やおやつに少しずつ切って食べるのも、血糖コントロール的には良い工夫です。

第4位:無糖炭酸 × りんご酢のスッキリドリンク

「どうしてもシュワッとしたものを飲みたい」というときに使えるのが、無糖の炭酸水にりんご酢を少量加えたドリンクです。

りんご酢は、胃から腸への内容物の移動をゆっくりにすることで、食後の血糖値の上昇をなだらかにする効果が報告されています(※2)。

作り方はシンプルで、りんご酢大さじ1を無糖の炭酸水200mlで割るだけ。酢の酸味と炭酸の刺激で満腹感やリフレッシュ感が得られやすく、「何か飲みたい」「つい甘いジュースを選んでしまう」という場面の代わりとして活躍します。

一方で、「酸で歯が溶けるのでは?」という心配もよく聞きます。

確かに、酸性飲料をダラダラ長時間飲み続けると“酸蝕”のリスクは上がりますが、飲んだあとに水で口をすすぐ、寝る直前に飲むのは避ける、といったポイントを守れば過度に恐れる必要はありません。

甘みが欲しいときは、カロリーゼロで血糖値に影響しにくい甘味料を少量使うと、安心して続けやすくなります。

第3位:無糖ギリシャヨーグルト

ギリシャ

ヨーグルトは選び方さえ間違えなければ、血糖値にとても優しいおやつになります。

中でも無糖のギリシャヨーグルトはたんぱく質が多く、とろっと濃厚で満足感が高いのが特徴です。たんぱく質は、糖質単独で摂るよりも血糖値の上がり方をゆるやかにしてくれることが知られています(※3)。

「ヨーグルトは甘くしないと食べにくい」という方は、ブルーベリーやいちごなどの果物を少量トッピングしたり、無塩のナッツを少し加えたりすると、一気に食べやすくなります。噛む回数が増えることで、満腹感も得られやすくなります。

注意したいのは、市販の“飲むヨーグルト”です。一見ヘルシーに見えますが、砂糖が多く含まれている商品が多く、コップ1杯でスティックシュガー数本分の糖質が入っていることも珍しくありません。

しかも液体は噛まずに一気に飲めてしまうので、血糖値が急上昇しやすい形です。同じヨーグルトでも無糖の固形タイプを選ぶことで、血糖コントロールは大きく変わります。

血糖値やおやつの選び方を、医師と一緒に見直してみませんか?

「自分の場合、どのくらいなら食べても大丈夫なのか知りたい」「HbA1cの数字が気になっているけれど、何から変えたらいいかわからない」という方は、医師と一緒に「食べ方の作戦」を立てることで、無理なく血糖値を整えていくことができます。

当院の糖尿病専門ページでは、検査内容や治療の流れ、生活習慣のサポートについてくわしくご紹介しています。まずはページを読んでいただくだけでも、安心材料が増えると思います。

当院の糖尿病専門ページを見る

「話を聞いてみたい」と感じたタイミングで、いつでもご相談ください。

第2位:手のひら一杯の「ナッツ」

ナッツは、「少量で満足しやすく、血糖値が安定しやすい」理想的なおやつです。食物繊維やマグネシウム、良質な脂質がバランスよく含まれており、同じ量のスナック菓子と比べると、血糖値の上がり方が穏やかだと報告されています(※4)。

「脂質が多いから太りそう」という心配をされる方もいますが、実際には、ポテトチップスなどと違い、少しの量でも満腹感を得やすいため、むしろ「ダラダラ食べ続けてしまう」ことを防いでくれる側面があります。

ポイントは“量を決めておくこと”です。

目安は1日20g程度(手のひらに軽くのるくらい)

塩や砂糖、衣のついていない素焼きのミックスナッツを選ぶと、血圧や体重の面でも安心して続けやすくなります。

第1位:適量なら最強、「果物」

「果物は糖が多いから控えるように言われた」という声はとても多いのですが、実は研究では、適量の果物を習慣的に食べている人ほど糖尿病の発症リスクが低い、という結果も報告されています(※5)。

果物には食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれており、清涼飲料水のような“液体の糖”と比べると、吸収がゆっくりなのが特徴です。

もちろん、“食べ放題でいいですよ”という意味ではありません。大事なのは量とタイミングです。

量の目安としては、りんごなら1/2個、みかんなら1個、小さめのバナナなら1本、ぶどうなら10粒程度、ブルーベリーなら拳1つ分ほどがイメージしやすいと思います。

もう一つ重要なのが、食べるタイミングです。食後のデザートとして果物を追加すると、食事で上がった血糖値の上にさらに糖がのって“二段ロケット”のように血糖が上がってしまうことがあります。

そのため、果物は食後ではなく、おやつの時間(特に15時ごろ)に単独で、もしくは無糖ヨーグルトやチーズなどのたんぱく質と一緒に食べるのがおすすめです。

このような食べ方に変えるだけでも、血糖の安定感が変わってくる方は少なくありません。

5つのおやつに共通する「血糖コントロールの原理」

ここまでご紹介した5つのおやつには、共通した特徴があります。

それは、吸収がゆっくりであること食物繊維やたんぱく質・良質な脂質が多いこと、そしてよく噛む必要があることです。

これらの条件がそろうと、同じ糖質量でも血糖値の上がり方が緩やかになりやすくなります。

反対に、ジュースや加糖コーヒー、スポーツドリンク、甘い炭酸飲料などの「液体の糖」は、噛まずに一気に飲めてしまうため、血糖値が急上昇しやすい組み合わせです。

果物やヨーグルトのような「噛んで食べるおやつ」との差は非常に大きいので、日常的に飲んでいる方は、ここを見直すだけでも血糖コントロールが改善していく可能性があります。

また、果物やヨーグルトは、無糖タイプを選び、たんぱく質と一緒に食べることで、さらに血糖の上がり方を抑えられることが多いです。

例えば、「午後3時に、無糖ギリシャヨーグルト+ブルーベリーを少量」という組み合わせは、血糖コントロールと満足感の両方の面でとてもおすすめです。

糖尿病の治療や食事のこと、ひとりで悩まないでください

「HbA1cがなかなか下がらない」「おやつや食事制限がつらくて続かない」「薬やインスリンのことも含めて、今の治療方針が自分に合っているのか知りたい」——

そんなときは、一度専門の医師にご相談いただくことで、今よりも楽に続けられる方法が見つかることがあります。

当院では、内科・糖尿病内科の診療とあわせて、食事やおやつの選び方、運動、睡眠など、生活全体を見渡したサポートを行っています。

まずは当院の糖尿病専門ページで、治療の流れや検査内容をご覧ください。

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受診・ご相談のご予約はこちら

千葉県内や茂原エリアからも通院しやすい立地です。初診の方も遠慮なくご相談ください。

まとめ

・「おやつ=悪」ではなく、選び方とタイミングが血糖値を左右する
・焼き芋、無糖ヨーグルト、ナッツ、果物、りんご酢ドリンクは、適量と食べ方次第で血糖コントロールの味方になる
・ジュースなど液体の糖は血糖値が急上昇しやすいため、なるべく控える
・おやつは食後ではなく、血糖が落ち着く「間食の時間」にとるのがおすすめ
・不安や疑問があれば、自己判断で我慢しすぎるのではなく、専門家と一緒に続けられる方法を探していくことが大切

今日からおやつを完全にやめる必要はありません。少しだけ選び方と食べ方を変えて、「血糖値を整えながらおやつも楽しむ」スタイルを一緒に目指していきましょう。

さらに理解を深めたい方へ|太る食べ物・痩せる食べ物もチェック!

私のYouTubeでは
太る食べ物10選・痩せる食べ物5選
という「本当に避けるべきもの」と「積極的に食べてほしいもの」を
短時間でわかりやすく解説した動画があります。

・太る食べ物の共通点
・代謝が落ちる原因
・痩せやすくなる食材
・今日から食事でできる小さな工夫
など、このブログ記事と組み合わせると、
“おやつも食事も無理なく整えられる” のでおすすめです。

数分見るだけでも、
「え、これが太りやすい原因だったの?」
と目からウロコだったという声をたくさんいただきました。

ぜひこちらも参考にしてください。

参考文献

  • ※1 Resistant starch and postprandial glucose response. Nutrients.
  • ※2 Vinegar ingestion and postprandial glycemia. Diabetes Research & Clinical Practice.
  • ※3 Protein intake and postprandial glucose control. American Journal of Clinical Nutrition.
  • ※4 Nut consumption and glycemic control. Journal of Nutrition.
  • ※5 Fruit consumption and risk of type 2 diabetes. PLoS Medicine.

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この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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