おなかの痛み(腹痛)

おなかの痛み(腹痛)

おなかの痛み(腹痛)


皆さん こんにちは。あまが台ファミリークリニックの細田です。こちらのページでは腹痛について解説しています。

腹痛の原因はたくさんあります。

想像していただけると分かると思いますが、お腹の中は、沢山の臓器が含まれています。

食道、胃、十二指腸、小腸、大腸.直腸、虫垂(盲腸)
肝臓、胆のう、胆管.
膵臓
腎臓、尿管、膀胱、
腹部大動脈
その他の動脈や、静脈
子宮、卵巣、膣、
精巣

つまり上記の臓器に異常があれば腹痛を起こすこともありえます。

他にも腹痛を引き起こす病気として

糖尿病性ケトアシドーシス(糖尿病の緊急状態)
高Ca血症
伝染性単核球症、リュウマチ熱

などがあげられます。

このように腹痛をおこす原因は多岐にわたるため、熟練した医師でも診断が難しいのが腹痛です。

頻度が多いおなかの痛み(腹痛)の原因

しかしながら、プライマリケアの現場までよくある腹痛としては、下記のようなものがあります。

急性胃腸炎

吐き気、下痢、発熱の3つがそろった状態の場合に、確率が高くなります。実際には、吐き気だけであったり、下痢だけなどの場合もあるので、最初に受診された時に診断がつかない場合があります。とりあえず整腸剤や、解熱剤などで様子をみることもありますが、吐き気と熱だけが続いて食べれない飲めない、痛みが強くなってくる場合は他の緊急性の高い病気なども考えられますので医療機関の受診が必要です。

過敏性腸症候群

他には慢性的に繰り返す。腹痛としては過敏性腸症候群があります。

この場合は、診断基準がありまして、腹痛或いはお腹の不快感が最近3ヶ月で少なくともひと月あたり3日以上自覚し、以下の2項目以上がある場合になります。

症状が排便によって軽快する.
症状の発現に排便頻度の変化を伴う
症状の発現に便性状(外観)の変化を伴う。

こういった病気の場合は、もともと胃腸が弱いと思われ、自分でセルフケアをしている方も多いと思いますが、頻度が増してきたり日常生活に支障が出たりするようであれば一度受診していただければと思います。お腹の動きを整える漢方薬、整腸剤、過敏性大腸症候群の薬などで改善する場合も少なくありません。

初期診断が難しい腹痛

実はプライマリケアの現場では、腹痛の全体の25~30%は初期の診断が難しいといわれています。

診断ができない腹痛の約8割は2週間以内に自然に治癒すると言われていますが、残りの20%が悪化してくると言われていますので、注意が必要です。

それでは、どんな場合に、注意が必要でしょうか?

赤信号の腹痛

下記のような場合は、医療機関を受診の上、精密検査が必要です。

■突然に痛くなった場合
(突然起きた場合は、その時の状況を鮮明に覚えていることが多いといわれています。)■便が赤くなってきた、便が黒くなってきた場合、お腹のある場所がピンポイントで痛い場合
(特に右下腹部が痛い場合は、虫垂炎が強く疑われます。)

■歩いていてもお腹に痛みが響く場合

(咳をしてもお腹に響く場合なども要注意です。)

■お腹が痛くて立つとふらふらしてしまう場合。
(出血していて血圧が下がっていることがあります。)

突然おきた腹痛では、どんなことが考えられますか?

突然起きた腹痛の場合は、どの場所が痛いとしても、早めに病院の受診をおすすめします。

突然痛くなった場合は、

①詰まった
石が詰まった(尿管、胆のう、胆管など)
血管が詰まった(その臓器が壊死してしまうことがあります。)
②ねじれた
腸がねじれた(腸が壊死してしまうことがあるので注意が必要です。)
③破れた
腸が破れた(重篤な腹膜炎)
血管が破れた(大量出血)

こういった場合を最悪を想定して診察しています。

あまが台ファミリークリニックでは、総合診療医として、上記のように重篤な病気が考えられる場合、専門病院に迅速に紹介いただきます。

 

 

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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