会議や運転の前後に「生あくび」が続く
——そんな経験はありませんか?
実は、あくびは単なる眠気だけでなく、脳と体からのSOSの可能性もあります(※1,※3)。
本記事では、あくびのメカニズムと対処法、そして見逃されがちな睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関係を、やさしく解説します。
目次
あくびが止まらないのはなぜ?原因・メカニズム・対処法と検査のすすめ
皆さん こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。年間延べ1,200人以上の睡眠時無呼吸症候群(SAS)診療に携わっています。
- しっかり寝たのに、日中にあくびが止まらない
- 授業・会議・運転前後に生あくびが続く
- 集中力が落ちて、頭がぼんやりする
- いびきや睡眠の質が不安だが、自分では分かりにくい
あくびは「眠い」だけじゃない——脳と体のSOS
あくびは、脳が疲れたときに「深く吸って吐く」ことで酸素を取り込み、同時に脳の温度を下げて働きを整える生理反応です(※1,※3)。
夜更かしや長時間の画面作業のあと、ついあくびが出るのはこのためです。「退屈でも出るけど?」というツッコミももっともですが、退屈やストレスも脳疲労を招くため、同じ生理反応としてあくびが起こります。
「生あくび」は自律神経のゆらぎサイン
眠くないのに出る生あくびは、自律神経(交感・副交感)の切替えがうまくいっていないサイン。
緊張の直前や人前で話す前に出やすいのは、体がリラックス側に戻ろうとする「自然な調整」です。
たまになら問題ありませんが、毎日のように続くなら、生活リズムや睡眠環境の見直しが必要です。
しっかり寝ても止まらない?あくびが止まらないと考えられる病気は?
しっかり睡眠を取っているのに日中に強い眠気やあくびが出る場合は、以下の病気の可能性があります。
-
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
-
ナルコレプシー
-
甲状腺機能低下症
-
貧血・低血圧
-
うつ病や自律神経失調症(※4)
特に睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に何度も呼吸が止まり、脳が酸素不足に陥ることで、日中の強い眠気やあくびが出やすくなります。
睡眠中に呼吸が繰り返し止まることで酸素が不足し、脳が何度も浅い覚醒を起こしてしまいます(※4)。
本人の自覚は乏しくても、日中の過度な眠気・集中力低下や居眠り運転リスクの上昇につながります。
今日からできる対処法(まずは“呼吸と姿勢”)
- 深呼吸:ゆっくり鼻から吸って口から吐く×5回。浅い呼吸をリセット。
- 姿勢を整える:猫背は呼吸を浅くします。胸を開いて座るだけでも酸素取り込みが改善。
- 軽い体操:肩回し・首ストレッチで血流を上げる。
- 短時間の仮眠:15〜20分のパワーナップ。
- 睡眠環境の見直し:就床・起床の固定、寝室の温湿度・光・騒音調整。
それでも「しっかり寝ても止まらない」なら、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの器質的原因を一度チェックしましょう。
当院の特徴:自宅で検査 → 約2週間で結果説明 → オンライン診療も可
- 自宅でできる検査:指先や鼻に小型センサーを付けて一晩睡眠。ふだん通りの環境で測定できます。
- スピード回答:検査後約2週間で医師が結果を丁寧にご説明。
- オンライン診療:遠方・多忙でも、検査手配〜結果説明〜治療方針までオンラインで完結可能。
「いびきが強い」「家族に呼吸が止まっていると言われた」「日中のあくび・眠気がつらい」——ひとつでも当てはまる方は、お気軽にご相談ください。
まずは「自宅でできる検査」から——当院でサポートします
あくびが止まらない背景に、睡眠の質の低下やSASが潜んでいないか。
当院なら、自宅で完結できる検査と、約2週間後の分かりやすい結果説明、オンライン診療対応まで、無理なく進められます。気になる方は、今このタイミングで一歩踏み出してください。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の詳しい説明・検査と治療の流れを見る
参考文献
- (※1) Guggisberg AG, Mathis J, et al. Neurophysiology of yawning: clues for a potential therapeutic role. Neurosci Biobehav Rev. 2010;34(8):1267–1276.
- (※2) Johns MW. A new method for measuring daytime sleepiness: the Epworth Sleepiness Scale. Sleep. 1991;14(6):540–545.
- (※3) Gallup AC, Eldakar OT. The thermoregulatory theory of yawning: what we know from over 5 years of research. Front Neurosci. 2013;6:188.
- (※4) American Academy of Sleep Medicine. International Classification of Sleep Disorders (ICSD-3). 3rd ed. Darien, IL: AASM; 2014.
よくある質問(Q&A)
Q1. あくびが多いと病気ですか?
A. 一時的なら心配いりません。ただ、十分寝ても何度も出る・日中の眠気が強いなら、睡眠の質低下やSASが隠れていることがあります(※4)。
Q2. 生あくびは何が違う?
A. 眠気がなくても出るあくび。ストレスや自律神経の乱れが背景にあることが多く、続く場合は生活習慣の調整や受診を検討してください。
Q3. ストレスであくびは増えますか?
A. はい。緊張や退屈も脳疲労を生み、あくびを誘発します(※1)。
Q4. SASの検査はどう受けますか?
A. 当院では在宅検査を採用。小型機器を装着して一晩眠るだけで、無呼吸の回数や酸素低下を測定します。
Q5. 検査は痛くない?
A. 痛みはほぼありません。就寝前の装着・取り外しも簡単です。
Q6. 結果はいつ分かる?
A. 検査後約2週間で、医師が結果と今後の方針を分かりやすくご説明します。
Q7. CPAP以外の治療は?
A. 軽症〜中等症では、マウスピース(口腔内装置)・体位療法・減量などを検討します。重症例ではCPAPが標準的です(※4)。
Q8. 遠方でも診てもらえる?
A. はい。オンライン診療で検査手配・結果説明・治療までサポートします。
Q9. 放置するとどうなる?
A. 放置はおすすめしません。SASは高血圧・糖尿病・心血管疾患のリスク上昇と関連します(※4)。
Q10. いびきが強い=SASですか?
A. 必ずしも一致しませんが、強いいびきはSASの重要なサインです。検査で見極めましょう。
Q11. 眠気とあくびの関係は?
A. 眠気は「脳が休みたい」状態、あくびはその調整反応のひとつ。眠気がなくても、酸素不足や自律神経のゆらぎであくびは出ます(※3)。
Q12. 日中の眠気を数字で確認できる?
A. エプワース眠気尺度(ESS)などの質問票で日中の眠気の程度を評価します(※2)。
関連ブログ

