錠剤のイラスト 院長ブログ
院長ブログ

知らないと危険!【4人に1人が飲んでる?】アムロジピンの副作用5選

錠剤のイラスト 院長ブログ

「アムロジピン」を飲んでいる人は絶対に知ってほしい副作用

皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。今回のブログタイトルを見てドキッとした方はいませんか?

アムロジピン

今回は、日本で最も多く処方されているお薬アムロジピンをテーマにブログを書いてみたいと思います。

  • アムロジピンを飲んでから足のむくみで靴がきつくなった
  • 夜中にトイレで何度も目が覚める

それは、薬の副作用かもしれません。

良かれと思って飲んでいるのにかえって体調が悪くなっている?

こんな風に思ってしまった方にお伝えしたいのは、アムロジピンは正しく使えば、あなたの体を守ってくれる最高のパートナーであるということです。

今飲んでいる薬をチェック

 

お手元に、ご自身やご家族のお薬手帳やお薬の袋はありますか?ぜひ今ご確認ください。

もしあなたが飲んでいる薬がアムロジピンで無かったとしても、アムロジピンにはそっくりな副作用の薬がたくさんあります。

シルニジピン_ニフェジピン

アムロジピンとは、薬の成分名であり一般名です。
商品名はノルバスクアムロジンといいます。
兄弟にあたる薬にはニフェジピン(商品名:アダラート)シルニジピン(商品名:アテレック)などがあります。名前の最後が〇〇ジピンとなっていたらアムロジピンと同じカテゴリーの薬だと思っていただいていいと思います。

もしあなたが飲んでいるお薬の中に〇〇ジピンとつくお薬があったら、自分事としてぜひしっかりと聞いてくださいね。

アムロジピンの長所

血管を優しく広げるイラスト

アムロジピンは血管を優しく広げてくれるお薬です。

私たちの体の中には栄養や酸素を運んで、また肺に戻ってきて酸素たっぷりの血液にするために静脈・毛細血管・静脈といった血管があります。アムロジピンは静脈を広げて、血液の流れをスムーズにし血圧を下げてくれます。

アムロジピンの長所①効果が長持ちする

アムロジピンは1日1回の服用でしっかり効くため、飲み忘れも少なくて済みます。

アムロジピンの長所②効果がマイルド

急に血圧がぐんと下がることがないため、体に優しいお薬です。

アムロジピンの長所③お財布に優しい

アムロジピン_ジェネリック

ジェネリック医薬品もあって、たとえば…

アムロジピン2.5mg 薬価1錠10円(3割負担:1錠3円)

1ヶ月でたったの90円です。缶コーヒーより安い値段で、私たちの体をしっかりと守ってくれます。

こういった長所がありますから、血圧を下げる薬の中でも50~60%はアムロジピンを使用されています。

アムロジピンの特徴

アムロジピンは効き始めるまでに時間がかかります。体の中で薬の濃度が安定するまでに約1週間かかります。

飲み始めたのに血圧が下がらない

こんな風に焦らず、効果をみるために1週間程度は様子をみましょう。

血圧がゆるやかに下がるイラスト

そして逆に、効果が消えるまでも時間差があります。アムロジピンは体からゆっくり抜けていくので、もし1回飲み忘れて血圧を測っても

あれ?意外と血圧が下がってる…

などということもあります。それは、前の日に飲んだお薬がまだ効いているからです。

つまり、お薬を止めることになっても、本当の血圧はお薬を止めてから1週間ほど経ってからわかります。

血圧下がってるから、薬を飲むの止めちゃおう!

こんな風に、自己判断で薬を中断するのは危険です。

複数の薬のイラスト

また、例えばもしアムロジピン2.5mgで血圧が下がらない場合に、最近の主流の方法は、少ない量で複数の血圧を下げる薬を組み合わせる方法です。

なぜならば、1つの薬をどんどん増やすよりも作用の違う薬を少しずつ組み合わせた方が副作用は出にくく、血圧を下げる効果はぐっと高まり、相乗効果が期待できるからです。

アムロジピンの副作用5選

ここでご紹介する副作用は必ず起きるというわけではありません。しかし知っておくことでご自身の体を守る武器になりますから、ぜひ一緒に勉強していきましょう。

副作用が出るまでの時間

アムロジピンの副作用は、早いタイプと遅いタイプの2つに分かれます。この違いを知っておくことはとても大事です。

アムロジピンの副作用①足のむくみ

静脈、動脈、毛細血管のイラスト

アムロジピンは血管の中でも動脈を広げる効果がありますが、その先の毛細血管や静脈は広げません。

すると、出口で渋滞を起こし、パンパンになった血管からお水が出てしまう。これがむくみの正体です。

特に心臓から最も遠く、重力がかかる足に出やすいんですね。

夕方に足がむくむなんていつものことですよ

運動不足でもなるよね?

こんな風におっしゃる方もいると思います。確かにそういったことでも足はむくみます。

それでは、運動不足等の足のむくみとアムロジピンの副作用による足のむくみは、どうやって区別したらいいのでしょうか?

一番大切なヒントは、アムロジピンを飲み始めてからむくむようになったかどうかです。

ただしこの副作用は飲み始めてすぐに出るわけではありません。数週間~数ヶ月かけて出てきます。

私たち医師も、患者さんからお話を聞いてはじめて

これは薬の影響かもしれない

と気がつくこともあります。今あるその足のむくみが、医師に相談した方がいい病的なむくみなのかどうかを自分で調べる方法があります。

その足のむくみは病的なものなのか?セルフチェック方法

足を抑える

  1. 手の指を3~4本、すねの内側にあてて圧迫します
  2. そのまま10秒数えます

この後むくみが10秒程度経っても戻らなければ、病的なむくみです。

アムロジピンの副作用②夜間頻尿

この話をすると

私は寝る前にお茶を飲むからトイレに行きたくなるんです

運動不足のせいと言われたことがあります

こういった声を聞きます。おっしゃる通り、夜間頻尿の原因は様々です。

あなたの夜間頻尿が生活習慣によるものなのか、アムロジピンによる影響か。その見分け方には大きな2つのヒントがあります。

ヒント①昼間の尿の回数は多くないのに夜に多くなる

もし単純に水分をとりすぎているだけなら、昼も夜も尿の回数は多くなりますよね。でもアムロジピンの副作用の場合はむくみと連動しています。

つまり日中は足に水分が溜まっているので意外にトイレは遠く、夜横になってからその溜まっていた水分が一気に尿に出るというわけです。

この昼と夜のギャップが大きいのが薬の副作用を疑う1つ目のサインです。

ヒント②足のむくみを伴っている

アムロジピンによる夜間頻尿は、日中のむくみが夜に尿となって出てきている現象です。つまり薬を飲み始めてから足がむくみやすくなったし、夜のトイレが近くなったと感じるようであれば、お薬の影響が強く考えられます。

なぜそうなるのでしょうか?体の仕組みをシンプルに説明します。

ペットボトル

ペットボトルの中に入っているのを血液だと仮定します。血液は全身を巡っていますが、立ったままの状態だと足の方に重力で血液が溜まっていきます。これが足のむくみです。

足を強調したイラスト

水分は足の方に向かっていきます。体からするとこの足に溜まった水分は心臓にうまく戻れない。つまり渋滞している状態です。その状態で夜、ベッドに横になるとどうなるのでしょうか。

体を横にすると、重力の影響がなくなります。すると、今まで足で渋滞していた血液が一気に心臓に戻ります。そして心臓から腎臓に一気に血液を送り出し、尿がたくさん作られます。それが夜中に行われるため、夜何度もトイレに行きたくなります。

昼間はそうでもないけど夜になるとトイレが近いし足もむくんでいる…

こんな方は薬の副作用かもしれません。ぜひ主治医に相談されてみてください。

アムロジピンの副作用③歯茎の腫れや出血

血圧の薬で歯茎の腫れ?

あまりイメージが無いかもしれませんが、実はこの副作用はご本人や私たち内科医ではなく、歯医者さんが先に気づくケースが多くあります。

実際に私の患者さんでこういった方がいました。

定期健診や虫歯の治療で歯医者さんに行ったら「最近歯茎が腫れてきていますね。出血もしやすいようですがお薬変わりましたか?もしかしてアムロジピン飲んでいますか?」と言われました

歯医者

もしあなたが歯医者さんで同じような指摘を受けたり、ご自身で歯磨きをしていて出血しやすくなったことに気がついたら、薬の副作用の場合がありますのでぜひ主治医に相談してみてください。

アムロジピンの副作用④頭痛・顔のほてり・動悸

ほてり

この4つ目の副作用については先にご紹介した3つと違い、早いと1~2日、あるいは1~2週間で出ることが多いです。なぜ早く出るのでしょうか?それは、

アムロジピンは血管を広げるお薬で、飲み始めは急な血管の変化に体がまだ慣れていないから

頭の血管が急に広がればズキズキした頭痛を感じます。顔の血管が広がればほてりや赤みが出てきます。心臓も急な変化に対応しようとして動悸を感じることもあります。

動悸のイラスト

 

そんなに副作用があるなら怖いから飲みづらい

こう感じる方もいると思います。

アムロジピンの量のイラスト

ですから私たち医師がアムロジピンを処方する際は、一番少ない2.5mgから始めます。

いきなり5mgのような多い量から始めてしまうと、血管が広がる作用が強すぎて頭痛・ほてり・動悸がひどくなってしまうことがあります。

そのためまずは少ない量で体をそっと慣らしていく。これはこうした副作用をできるだけ少なくするための工夫です。

でも2.5mgから始めても症状が出たら体に合わないということ?

こんな風に心配になる方もいらっしゃると思います。でも多くの場合、これは一時的なものです。体が薬の作用に慣れてくる1~2週間くらい経つと自然と症状が軽くなったり、消えていることがほとんどです。

もちろん頭痛が我慢できないほど酷かったり動悸がどんどん強くなるような場合は、少量から始めていたとしても、無理せずすぐに主治医に相談してください。

アムロジピンの副作用⑤男性の機能への影響

血圧が高いのもEDの原因なのに、血圧を下げても悪化するの?

こんな風に、少し矛盾するように聞こえるかもしれません。これをホースと水で考えてみましょう。

ホースと水のイラスト1

男性の機能が正常に働くためにはしなやかで健康な血管に、十分な勢いで血液が流れ込む必要があります。

ホースが割れている状態のイラスト

高血圧の状態…
ホースの中の水圧が異常に高い状態です。水圧が高すぎるとホースがだんだんと傷ついて硬くボロボロになってしまいます。これが動脈硬化です。

痛んで硬くなったホースはいざという時にうまく膨らむことができず、血流をコントロールできなくなります。これが高血圧がEDの原因になる理由です。つまり血管そのものがダメージを受けてしまうということですね。

ホースの水が少ない状態のイラスト

アムロジピンを飲んだ状態…
アムロジピンは血管を全体にふんわりと広げて血圧を下げるお薬です。既に高血圧で痛んでしまったホースにさらに圧力を下げる薬を使うとどうなるのでしょうか?ホースに流れ込む水そのものの勢いが弱くなってしまいます。

高血圧は血管のダメージの問題です。お薬による影響は血液の勢いの問題です。この2つの違う理由で影響が出てしまう可能性があります。これは本当に相談しにくい悩みだと思います。

でもお薬の種類を変えることで勢いの問題が改善することはあります。ぜひ勇気を出して私たちに医師にご相談ください。

副作用が出たときの正しい対処法

絶対にやってはいけないことは自己判断で薬を止めてしまうこと

心筋梗塞、脳卒中のイラスト

お薬をいきなり止めてしまうことで血圧が急上昇してしまい、脳卒中や心筋梗塞のリスクが跳ね上がります。これだけは絶対にお約束ください。

副作用かも?と思ったらどうすればいいんだろう

みなさんが心配している副作用が出たときの対処法を3つのステップでお伝えしていきます。

①気づく

体の変化にアンテナを張る。

②メモをする

いつからどんな症状か簡単にメモを取る。

③相談する

診察の時にメモを見せながら伝える。

メモのイラスト

診察の際に

実は最近足がむくむんですが、薬と関係がありますか?

このようにして切り出していただくだけで大丈夫です。私たち医師は、その一言で気がつくことができます。

もしアムロジピンが合わなくても血圧の薬には作用の違う様々な種類があります。あなたに合う薬はきっと見つかります。

まとめ

今回のブログでは、アムロジピンの副作用5選を説明しました。

むくみ

アムロジピンは安くて効果のあるとてもいいお薬です。しかしながら、むくみや夜間頻尿・歯茎が腫れるといった副作用が出ることもあります。それを知ることが安心な生活につながります。

一番大事なのは変化に気づき、自己判断せずに専門家に相談することです。お薬は医師と患者さんがタッグを組んで一緒に使っていくものです。

こんなことを言ったら怒られるかな?

などと不安にならず、どんな小さなことでも遠慮せずに私たち医師に伝えていただくことが一番の治療に繋がります。

このブログが、みなさんが安心して治療を続けるため・そして私たち医師との懸け橋になれば幸いです。

アムロジピンの副作用が心配な方へ

アムロジピンは高血圧や狭心症にとても効果のある薬ですが、副作用が出る方も一定数いらっしゃいます。

「足のむくみがなかなか取れない」
「トイレが近くなってきた」
「なんとなく調子が悪いけど、薬が原因かも?」

そんなお悩みがある方は、薬を勝手にやめる前に、医師に相談することがとても大切です。

当院では、患者さん一人ひとりの体調や生活スタイルに合わせて、薬の調整や他の治療法の提案を行っています。副作用の不安がある方には、ていねいな問診と必要な検査を行い、納得のいく説明と選択肢をご案内しています。

「副作用があるから仕方ない」と我慢せず、茂原市・白子町・一宮町の方もお気軽にご相談ください。どうぞお気軽にご相談ください。

▼診療のご予約はこちらから▼

👉 あまが台ファミリークリニック 予約ページ

 

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

タイトルとURLをコピーしました