喘息

喘息

喘息

喘息とは?

なんらかの誘因,原因により気道に炎症が起きて狭くなり,呼吸が苦しくなったり,ゼイゼイと音がします.

ひどい場合は,横になったり,歩くのも,声を出すのも困難になる場合があります.

発作を繰り返すことも少なくないため慢性の経過となることもあります.

喘息_女性

喘息治療の目標は?

1. 症状を軽減させ日常生活への影響を減らす

咳,呼吸困難,それに伴う不眠,発作時の吸入薬(メプチン)の使用回数を減らす(週2回以下)休学,欠勤を減らす

2. 喘息に関係する危険を減らす

喘息死の予防,喘息発作の頻度を減らす,救急病院,入院を減らす,喘息の薬をできるだけ減らす,喘息の薬による副作用がない状態

誘因

数多くの原因が挙げられますが,複数重なったり,患者さん自身の体調,体質も関係します

薬剤(非ステロイド系解熱鎮痛剤<湿布も含む>やアスピリン製剤),ペット,ほこり,ダニ,たばこ,ゴキブリ,食物,大気汚染物質,食品に含まれる亜硫酸塩剤(ビール,ワイン,加工したポテト,ドライフルーツ)など

何がこわいの?

国内で毎年5000-6000人もの患者さんが発作で亡くなっていますから決して侮れない病気です.

喘息の治療について(予防と発作治療)

ポイントは3つ.病気の理解と自己管理,誘因の除去,合併症の有無とその治療があります。

  • まず大切なのは病気を正しく理解することが大切です.そしてアレルギーの誘因を避けることが大切です.できれば患者さん自身に自宅で毎日息を吐く検査(ピークフロー)をしてもらいますとより病状がわかり,治療に役立ちます
  • 薬物治療は発作を治す治療と発作予防の二つに別れます.発作が起きる回数や,症状の程度によって薬の量が変わります.落ち着いた状態が続けば薬を徐々に減量していくことができます.

発作を予防するために長期間使用する薬(発作の回数や症状の程度で複数使う場合もあります)

  • 吸入ステロイド(アドエア,レルベア、シンビコート)
    *使用方法が多少わかりずらいので事前に良く説明を聞いてから使いまし
    ょう
  • 抗ロイコトリエン薬(シングレア,オノン)
  • 長期間作用型吸入β2刺激薬(セレベント)
  • テオフィリン製剤(テオロング)
  • 抗アレルギー剤

発作を鎮める薬

  • 吸入β2刺激薬(メプチンエアー,サルタノールインヘラー)
  • 経口ステロイド(上記の吸入薬でも改善しない場合など病状に応じて内服します.副作用として胃痛や血糖上昇などありますので事前に医師と相談のうえ使います)

発作時は吸入β2刺激薬を使用します.速効性がありますが,ひどくなってからでは効果が弱いためなるべく早めに使用してください.副作用としてまれに動悸などがあります.心臓疾患の方は医師と相談の上使うか決めましょう.

以下の場合は夜間でもすぐに救急病院を受診するか,救急車を呼んで下さい.

  • 会話や歩行が困難なほどの発作
  • 吸入β2刺激薬がいつものように効かず苦しい
  • 吸入β2刺激薬を頻回に使う(あまり頻回,多量の吸入は危険です)
  • 次第に症状が悪化していく

喘息のときに併存(同時に発症)する合併症は?

喘息の患者さんに下記のような疾患が合併する場合があります.

急性副鼻腔炎,慢性閉塞性肺疾患,逆流性食道炎,肥満,閉塞性無呼吸症候群,アレルギー鼻炎,うつ病,子供では,RSウイルス,気管肺異形成など.

喘息_男性
この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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