めまいについて
めまいはなぜ起こるの?
人間は今いる自分の位置や、姿勢を眼、筋肉、骨、末梢神経、脊髄、内耳(三半器官)、から脳幹、大脳へと信号を送ることで位置が傾いたり、頭が回転したことを感知する仕組みになっています.
ですからこれらのどれがひとつでも障害されると「めまい」で表現される様々な症状起こります.
めまいの原因について
めまいの性状によって、どういう原因か区別します。
そして持続時間や、増悪因子、眼振(眼が左右、上下に勝手に振れる)の性状によりさらに具体的に原因を絞ります。
めまいの種類 | めまいの表現 | めまいのメカニズム,原因 |
回転性めまい vertigo |
「ぐるぐる回る」「まわりが動いている」 | 三半器官(内耳にある)の障害 例:良性発作性頭位眩暈症、前庭神経炎、メニエール病、片頭痛など (詳しい原因は裏へ) |
浮動感,平衡失調 disequilibrium |
「フラフラする」「不安定」 | 眼、筋肉、大脳など複数の異常が複雑に絡むことが多い |
前失神 presyncope |
「気が遠くなる」「眼の前が暗くなる」 | 貧血、脱水、不整脈、心不全、血管迷走神経反射などによる脳血流量の異常 |
その他 other |
「めまいがするような」「揺れているような」など、あいまいで表現するのが難しい | 経反射などによる脳血流量の異常、揺不安、うつ病、精神疾患 |
外来におけるめまいの原因の頻度
- 40%:末梢性(三半器官)の異常(良性発作性頭位眩暈症、前庭神経炎、メニエール病など)
- 10%:脳の異常(脳梗塞、脳腫瘍、片頭痛など)
- 15%:精神的な疾患(うつ病など)
- 25%:前失神、平衡失調など
- 10%:診断がつかない
*年齢によっても頻度は変わります。高齢者では脳の異常が20%近くになります。若い人では、精神疾患や前失神によるものが増えます。
見逃したく原因は?
脳梗塞、脳腫瘍などの脳の異常や、不整脈などの心臓疾患です。
以下のようなサインがある場合はそれらを疑い、CTやMRIなどの検査が必要です。
- 物が2重にみえる、顔のまひがある、手足の力が入らない場合)
- めまいが持続する。または治療に反応せずに長引く場合
- 意識が遠のくなど前失神の場合
どうやって診断するの?
まず「めまい」が具体的にどのような症状が上記4つに分類できるか考えます。
そのためには、当院では具体的に「めまい」の誘引、持続時間などを把握するために事前に問診表を記載していただきます。
それを参考にして診察(神経所見:まひがないか、眼の動きはどうかなど)を実施して、必要であれば採血(貧血がないか?など)を実施し、頭の中の異常が疑われ場合は、CT、MRIなどによる精密検査が必要ですので、専門病院を紹介いたします。