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子宮頸がんワクチン(HPVワクチン:シルガード9)について

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子宮頸がんワクチン(HPVワクチン:シルガード9)について

  • 子宮頚癌ワクチンのお知らせを受け取り興味はあるが、効果について知りたい
  • 副作用が心配
  • どのくらいの間隔で接種するのか知りたい

上記のような疑問、不安がある方はこちらの情報が参考になるかもしれません。こちらのページでは、子宮頚癌ワクチンは今後HPVワクチンと略して表示します。

子宮頸がんとは?

 

子宮頸がんイラスト

子宮頸がんは子宮の入口部分にできるがんです。

このがんになると子宮やその周りの臓器を摘出しなければならない、、、というケースもあります。

妊娠や出産の問題はもちろん、その後の生活や命そのものにも重大な影響を及ぼす危険な病気です。

どのくらいの人が子宮頸がんになっているの?

がんのイラスト

日本では婦人科領域の悪性腫瘍の中で、乳がんに次いで多いがんです。

年間約11,000人が罹患し、その内約2,900人が亡くなっています。

また、若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんです。患者さんは20歳代から増え始め、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう。(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1000人います。日本では25歳から40歳の女性の癌による死亡の第2位が子宮頸がんによるものです。

 

子宮頸がんワクチンの対象者は?予防するためにはどうしたらいいの?

ワクチン接種のイラスト

対象者は日本では

小学校6年~高校1年相当の女の子

になります。対象に、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチンの接種を提供しています。

HPVの感染を防ぐことで、将来の子宮頸がんを予防できると期待されています。

カナダ、イギリス、オーストラリアなどでは女の子の約8割がワクチンを受けているくらい大切なワクチンです。

HPVワクチン接種後も子宮頸がん検診を受診する必要はありますか?

子宮がん検診のイラスト

HPVワクチンを受けていても、すべての発がん性のあるHPVを予防できるものではありませんので、子宮頸がん検診は必要です。

20歳を過ぎたら2年に1度検診を受けましょう。

子宮頸がんの原因は?

子宮頸がんのイラスト

子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染によるものです。

皮膚と皮膚(粘膜)の接触によって感染するウイルスで、多くの場合、性交渉によって感染すると考えられています。

女性の50%は一生のうちに一度は感染すると言われていますが、感染は一時的で自然消失するのがほとんどです。

しかし、免疫力の低下等により感染が長期化すると子宮頸がんへと進む危険性があります。

HPVワクチンについて

HPVは100種類以上確認されており、その内約15種類がんとの関連が指摘されています。

現在、HPVの感染に起因する疾患の予防ワクチンは以下の3種類ですが、シルガード9が接種できるようになってから、子宮頸がんの原因の80-90%を占める7種類のHPVの感染を予防することができます。(16型、18型:高リスク型、31型、33型、45型、52型、58型)

ワクチンの種類 予防効果のあるHPVの種類
サーバリックス 16型、18型(高リスク型)
ガーダシル 16型、18型(高リスク型)6型、11型(低リスク型)
シルガード9 16型、18型(高リスク型)31型、33型、45型、52型、58型

※高リスク型は子宮頸がんなど、低リスク型は突圭コンジローマ等の原因。

※令和5年(2023年)4月よりHPVワクチンの接種の機会を逃した方も9価のシルガード9を公費で接種できるようになりました。

公費で接種できるのは令和7年3月末までです。希望される方は早めに3回目の接種を完了してください。

いずれかのワクチンを接触することにより、再感染や持続感染を予防して、がんになるリスクを低減することができます。感染する前の接種が効果的です。

感染した後にHPVワクチンを打った場合は効果があるの?

すでに感染しているHPVを排除したり、がんの治療をしたりする効果はありません。

あくまでも接種後のHPV感染を予防するワクチンです。

HPVワクチン:シルガード9を接種したら絶対に発症しなくなるの?

すべての発がん性HPVを予防できるものではありませんので、接種しても発症する可能性はあります。

ですので、ワクチン接種をしてもがん検診の年齢に達したらがん検診を定期的にうけることが大切です。

HPVワクチンを6ヵ月間に2-3回接種することで抗体をつくることができます。
※シルガード9は、15歳未満でしたら、2回の接種で十分な抗体を作ることが可能ですす。

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン:シルガード9)の効果は?

HPVの中には子宮頸がんを起こしやすい種類のものがあります。HPVワクチン(シルガード9)は、このうち一部の感染を防ぐことができます。

そのことにより、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。

また、HPVワクチンでがんになる手前の状態(前がん病変)が減るとともに、がんそのものを予防する効果があることも分かってきています。

HPVワクチン接種のスケジュールは?

HPVワクチン接種スケジュール_シルガード9

年齢によってワクチンの接種回数が異なります。

9価ワクチン(シルガード®9)で接種を開始する方は、決められた間隔をあけて、合計2回または3回接種します。1回目または2回目に気になる症状が現れた場合は、2回目以降の接種をやめることができます。
  • 1回目の接種を15歳までに受ける場合…合計2回
  • 1回目の接種を15歳になってから受ける場合…合計3回

いずれの場合も、1年以内に接種を終えることが望ましいとされています。

1回目の接種を15歳になるまでに受ける場合

1回目と2回目の接種は、少なくとも5か月以上あけます。5か月未満である場合、3回目の接種が必要になります。

1回目の接種を15歳になってから受ける場合

2回目と3回目の接種がそれぞれ1回目の2か月後と6か月後にできない場合、2回目は1回目から1か月以上、3回目は2回目から3か月以上あける必要がありますのでご注意ください。

HPVワクチンの副反応について

接種は筋肉注射になります。

ワクチン効果を高める為、アジュバント(免疫増加剤)が添加されており、痛み・赤み・腫れなどの接種部位の反応があります。

体内でのウイルスに対しての免疫反応です。通常数日で治ります。

主な副反応は以下の通りです。

頻度 シルガード9 サーバリックス ガーダシル
10%以上 疼痛(痛み)、腫脹(腫れ)、紅斑(赤み)、頭痛 かゆみ、注射部分の痛み・赤み・腫れ、胃腸症状(吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など) 注射部位の痛み・赤み・腫れ
1~10%未満 浮動性めまい(頭がぼーっとしてふらつく感覚)、悪心、下痢、そう痒感(かゆみ)、発熱、疲労、内出血など 発疹、じんましん、注射部分のしこり、めまい、発熱、上気道炎 発熱、注射部分のかゆみ・出血・不快感頭痛
1%未満 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、出血、血腫、
倦怠感( だるさ) 、硬結など
注射部分のピリピリ感、ムズムズ感 注射部分のしこり、手足の痛み、筋肉が硬くなる、下痢、腹痛、白血球数増加
頻度不明 感覚鈍麻(刺激に対して感覚が鈍い状態)、失神、四肢痛など 失神・血管迷走神経発作(息苦しい、息切れ、動悸、気を失うなど) 無力症、寒気、疲労、倦怠感、血腫、失神、浮動性めまい、関節痛、筋肉痛、嘔吐、悪心、リンパ節症、蜂巣炎

※まれに重い副反応としてショック・アナフィラキシー様症状があらわれることがあります。

これまでに、2価 または 4価のHPVワクチン(サーバリックス®またはガーダシル®)を1回または2回接種した方へ

原則として同じ種類のワクチンを接種することをお勧めしますが、医師と相談のうえ、途中からシルガード9に変更し、残りの接種を完了することも可能です※。

この場合にも公費で接種することができます。

※2価または4価のHPVワクチン(サーバリックス®またはガーダシル®)を接種した後に9価ワクチン(シルガード®9)を接種することに対する効果やリスクについての科学的知見は限定されています。

HPVワクチン接種後に重篤な症状があらわれた例はどのくらいありますか?

めまいを起こした女性のイラスト

ワクチンが原因となったものかどうかわからないものを含めて、接種後に重篤な症状として報告があったのは、ワクチンを受けた1万人あたり約6人です。

※重篤な症状には、入院相当以上の症状などが含まれていますが、報告した医師や企業の判断によるため、必ずしも重篤でないものも重篤として報告されることがあります。

HPVワクチンによる健康被害があった場合の救済制度はありますか?

定期の予防接種によって引き起こされた副反応により、

  • 医療機関での治療が必要になった
  • 生活に支障がでるような障害を残す

などの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく給付を受けることができます。

ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因によるものかの因果関係を専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に給付を受けることができます。

HPVワクチン予防接種の注意事項

予防接種は体調の良いときに受けることが原則です。

接種の予約については、かかりつけ医にご相談ください。

      • 高校生までは母子手帳を必ずご持参ください
      • 予診票は接種をする医師への大切な情報ですので、責任を持って記入してください。
      • 予防接種の効果や副反応、健康被害救済制度について理解した上で接種をお受けください。わからないことがある場合は接種を受ける前にご相談ください。
      • 妊娠中の接種に関する有効性・安全性は確率していないことから、妊娠の可能性のある者には接種を行わないことが望ましいとされています。
      • 新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは同時に接種できません。新型コロナワクチンとその他のワクチンは、互いに片方のワクチンを受けてから2週間後に接種できます。
      • (例)4月1日に新型コロナワクチンを接種した場合、その他の予防接種を接種できるのは、4月15日(2週間後の同じ曜日の日)以降になります。

当日の持ち物について

※以下の持ち物を忘れますと接種することができません

  • 予診票(来院前に氏名等全ての項目を記入しておいてください)
  • 本人確認書類(健康保険証)
  • 母子健康手帳(高校生までは必須です)
  • お薬手帳(お持ちの方)

母子健康手帳のイラストお薬手帳のイラスト

新型コロナウイルスワクチン接種券のイラスト問診票のイラスト

HPVワクチンに関する相談先一覧

  • 接種後に、健康に異常があるとき…
    接種を行った医師・かかりつけの医師、HPVワクチン接種後に生じた症状の診療に関する協力医療機関
    ※協力医療機関の受診については、接種を行った医師またはかかりつけの医師にご相談ください
  • 不安や疑問があるとき、困ったことがあるとき…
    お住まいの都道府県に設置された相談窓口
  • HPVワクチンを含む予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般についての相談…
    厚生労働省 感染症・予防接種相談窓口
  • 予防接種による健康被害救済に関する相談や、どこに相談したらよいかわからないとき…
    お住まいの市町村の予防接種担当部門

HPVワクチン接種後の一般的注意事項

  • 接種後30分は急な副反応がみられることもありますので、接種会場で様子をみてください。
  • 入浴は差し支えありませんが、接種部位はこすらないようにしましょう。
  • 接種当日は、激しい運動は避けてください。

当院のご案内

ワクチンの接種については在庫状況の都合上、必ず電話予約をお願いいたします。

電話番号 0475-36-7011

インターネット予約はこちらです。

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