院長ブログ

過敏性腸症候群の治し方6選

皆さんこんにちは。
あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

腹痛で受診される方の中でもダントツに多い病気「過敏性腸症候群(IBS)」。

  • 便秘と下痢を繰り返している
  • おならが多い
  • お腹が張ってしまう
  • 電車で漏れそうになったことがある
  • 授業中にトイレに行きたくなる

そんな症状でお悩みの方は、過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。
過敏性腸症候群(IBS)は絶対に治らない病気ではありません。
12週間治療的な介入をしたところ、43%の人が改善したというデータもあります。
医療従事者に相談しながら、症状を改善する方法を探していきましょう。

過敏性腸症候群(IBS)の定義とは


簡単に言うと、腹痛に加えて排便異常がある病気です。
腹痛に加えて下痢があったり、便秘と下痢を繰り返したり。
内視鏡で見ても、明らかな炎症や腫瘍がないのが特徴です。
でも本人はとても辛いですよね。

ある研究では消化器内科を受診する患者の30%が過敏性腸症候群(IBS)だと言われています。

発症しやすい場面は
1)入学後
2)新学期
3)入社後
4)部署移動後
5)転職後

など、環境が変わった時に発症しやすいのですが、逆に学校を卒業したり転職・退職すると症状が改善されるのもこの病気の特徴です。

過敏性腸症候群(IBS)の原因

原因1:感染後の過敏性腸症候群(IBS)

感染性の胃腸炎。サルモネラ・カンピロバクターと言われる細菌性の腸炎、あるいはウイルス性の腸炎。

原因2:ストレスと不安

ストレスは万病の元と言いますが、人によって例えば片頭痛・胸の痛み・腹痛・腰痛などに現れます。
不安やストレスは長期間続くと様々な症状を引き起こします。これを心身症と言います。

原因3:食物不耐症とある種のアレルギー

代表的なのは乳糖不耐症。
日本人には乳糖を分解する酵素が欠損しているので、例えばヨーグルト・牛乳・アイスクリームなどを食べて
そこから胃、十二指腸、消化吸収されないまま大腸へ行き、腸内細菌が分解しようとする過程で異常にガスが出てお腹が痛くなる場合があります。

原因4:特定の食べ物


こちらの動画の13:36~FODMAPについてをご覧ください。
FODMAPとは小腸で吸収されない成分の食べ物のことで、それが原因で腹痛や下痢、お腹が張ってしまう症状を引き起こします。

原因5:内臓痛覚過敏

過敏性腸症候群(IBS)の人は必要以上に腸の収縮で痛みを感じてしまいます。
何か食べたときに腸が広がり、それを必要以上に強く感じるのではないかと考えられています。

過敏性腸症候群(IBS)の治療5選

治療1:食事行動日記


どんな行動をし、何を食べたかを細かく記録し、それを客観的に見て原因を探りましょう。特定の場所に対するストレスや、特定の食べ物などの可能性があります。

治療2:高FODMAP食をやめる


まずはFODMAP食を3週間やめてみて、症状が改善したら1週間に1つずつ取り入れてみましょう。

治療3:食物繊維を摂る


便秘型の方にオススメです。ワカメ、果物、こんにゃく、大麦、里芋など。毎日摂るのが大変な場合は粉末状の薬もあります。
「難消化性デキストリン」「イヌリン」で検索してみましょう。

治療4:運動


冒頭に書いた12週間の治療的な介入というのが、この「運動」です。医学論文によると、75名のうち38名に中~激しい運動をしてもらったところ、12週間後に43%の人の症状が改善しました。
さらに、運動した人は、この後症状が悪化しなかったという結果も出ています。

治療5:不安・ストレス対策


オススメは瞑想です。
マインドフルネス瞑想と言って、「いまこの瞬間の感覚に集中すること」を生活に取り入れることで症状が改善したというデータがあります。

治療6:薬


症状が辛い場合は、症状を緩和するために薬を使う場合があります。

今回のまとめ

1:過敏性腸症候群(IBS)は絶対に治らない病気ではない
2:自分の生活を客観的に見てみましょう
3:医師に相談しながら原因を探り、対策を立ててみましょう

動画

過敏性腸症候群(IBS)の原因や治療法について、動画でも詳しく説明しています。ぜひご覧ください!

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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