院長ブログ
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耳の後ろにできる“しこり”、放置して大丈夫?原因・危険サイン・治療法を医師がわかりやすく解説|千葉・茂原エリアからも通院可能

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「耳の後ろにしこりができて、触るとドキッとする…」

こうした相談は、実はとても多いです。

しこりは “大丈夫なもの” と “放置すると危険なもの” の両方があるため、見た目だけでは判断が難しく、早い段階で専門医が確認することで、余計な心配をしなくて済むケースも多くあります。

この記事では、耳の後ろにできる代表的なしこりの原因、受診すべき危険サイン、治療法を、医師がわかりやすく解説します。

この記事はこんな方に向いています

  • 耳の後ろに丸い“しこり”を触れる方
  • しこりに痛みがある、触るとズキッとする方
  • 痛みはないけれど、数週間~数ヶ月しこりが続いている方
  • お子さんの耳の後ろにしこりを見つけて不安になっている保護者の方
  • 「粉瘤(ふんりゅう)?リンパ?脂肪腫?」とネット検索してしまう方
  • 忙しくて受診を迷っている方

当院では、こうした「耳の後ろのしこり」に対して、総合診療の視点と皮膚・外科の視点から総合的に診察しています。

当院の強み:外科経験のある今西医師が診察します

あまが台ファミリークリニックでは、耳の後ろにできるしこりの治療経験が豊富な外科専門医の今西医師が、皮膚のしこり(粉瘤・脂肪腫・リンパ節など)を多数診察・治療してきました。今西先生

今西医師の当院での粉瘤日帰り手術の実績

2024年11月1日~2025年11月1日までの実績
粉瘤切除術 92件
感染性粉瘤切開排膿 34件
※病理検査80件提出して、悪性疾患でないか確認しています。
  • 「これって放置していいの?」
  • 「本当に手術が必要?」

といった判断を、総合診療×外科的視点の両面からより正確に行うことができます。

よくあるお悩み:耳の後ろのしこり、これって大丈夫?

耳の後ろのしこりは、見た目は小さくても不安は意外と大きいものです。

「痛くないし放置でいいのでは?」
「痛いと悪いものなの?」
「赤く腫れてきたらどうしたらいい?」
「子どもでもできるの?」

こうした疑問に丁寧に答えながら、まずは安心していただけるように解説していきます。

耳の後ろのしこりの主な原因

耳の後ろにできるしこりは、主に次のようなものが多いです。

1. 粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤2

皮膚の中に袋ができ、その中に皮脂がたまって膨らんだ良性のしこりです。触るとコロッとした丸い形をしていることが多く、中央に黒い点が見える場合もあります。

日帰り手術の適応となります。

  • 痛みがない → 初期の粉瘤であることが多い
  • 赤く腫れて熱を持つ → 炎症を起こした粉瘤の可能性

一度できた粉瘤は、基本的に自然には消えません※1

2. リンパ節の腫れ

風邪やのどの炎症、虫刺されなどに反応して、耳の後ろのリンパ節が一時的に腫れることがあります。

  • 数日~1週間ほどで小さくなる
  • 押すと痛いときは、炎症のサインであることが多い

多くは自然に落ち着きますが、長く続く場合や大きくなる場合は受診をおすすめします。

3. 脂肪腫(しぼうしゅ)

脂肪種
脂肪細胞が増えてできる、やわらかい良性のしこりです。

  • ゆっくり大きくなる
  • 痛みはないことが多い

必要に応じて日帰り手術で取ることもできます。

4. 子どもに多いリンパ節の反応

子どもは免疫反応が出やすく、耳の後ろや首のリンパ節が腫れやすい傾向があります※2

  • 風邪・中耳炎のあとに腫れやすい
  • しばらくすると小さくなることが多い

明らかに大きくなる、小児で元気がないなどがある場合は診察が必要です。

こんな症状があるときは受診をおすすめします(危険サイン)

・しこりの痛みが強い
・赤く腫れて熱を持っている
・短期間で急に大きくなった
・数週間~数ヶ月、しこりが消えない
・膿が出る
・発熱を伴う
・子どもでしこりが明らかに大きくなる

医学的なポイント:痛みがなくても「長く続くしこり」は確認を

耳の後ろのしこりは、痛みや赤みがあると炎症の可能性が高く、放置すると悪化することがあります。

炎症を起こした粉瘤は、

・袋の中に皮脂がたまり続ける
・その中で細菌が増える

という仕組みのため、塗り薬・飲み薬だけでは根本的に治らない場合が多いとされています※1
粉瘤 炎症 細菌 感染

よくある質問:痛くなければ放置でもいい?

「痛くないしこりは放置していい?」とよく聞かれます。

お気持ちはよくわかりますが、粉瘤の場合は急に赤く腫れて強い痛みが出ることがあります。その段階では切開が必要となり、傷あとが目立ちやすくなることもあります。

そのため、

・1〜2ヶ月以上続く
・少しずつ大きくなる

といった場合は、一度医師に相談する方が安全です。
2医師 相談 

耳の後ろのしこりの治療方法

粉瘤の場合

袋ごと取り除く手術が根本治療です。局所麻酔での日帰り手術が一般的です。

炎症が強い場合は、

  • まず膿を出す処置(切開排膿)
  • 炎症が落ち着いてから袋を取る手術

の2段階になることがあります。

↑は手術直後のきずあとの写真です。糸で縫合しています。

※耳たぶにかかる粉瘤は切除できません。形成外科にご紹介しております。

リンパ節の腫れの場合

原因の風邪や炎症が治ると自然に小さくなることが多いです。必要に応じて血液検査や超音波検査を行います。

脂肪腫の場合

良性であり緊急性はありませんが、違和感や見た目が気になる場合、大きくなる場合は日帰り手術で取ることが可能です。

まとめ:耳の後ろのしこりは「様子を見すぎない」ことが大切

  • 耳の後ろのしこりは「粉瘤・リンパ節・脂肪腫」が多い
  • 痛み・赤み・膿は炎症のサインで、早めの受診が安心
  • 痛くなくても、1〜2ヶ月以上続く場合は医師へ相談を
  • 当院では総合診療×外科の視点で診察し、必要に応じて日帰り手術も可能

耳の後ろのしこりでお悩みの方へ

「このまま放置しても大丈夫?」「手術が必要?」と不安なままより、一度診察すると安心です。

診察予約ページはこちら

参考文献

  • ※1 Dermatology: Epidermal inclusion cyst overview
  • ※2 American Family Physician: Pediatric lymphadenopathy review
この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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