院長ブログ

【中性脂肪300⇒110へ】薬に頼らず中性脂肪を自分で下げる方法5選!

薬に頼らず中性脂肪を自分で下げる方法5選

皆さんこんにちは。
あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

今回のテーマは「薬に頼らず中性脂肪を自分で下げる方法5選」です。

お腹が出ている人のイラスト

  • 健康診断で中性脂肪が高いと指摘された
  • ここ数ヶ月でお腹がポッコリでてきてベルトが前よりもしめづらい
  • 甘いものやジュースがやめられない

こういった方にぜひ参考にしてほしい内容です。

私の外来では、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満といった生活習慣病を担当させていただく機会がとても多いのですが、そういった方の中には血液検査をすると中性脂肪が多い方がとても多くいらっしゃいます。

血液検査のイラスト

中性脂肪が血液検査で500mg/dL以上の方は急性膵炎といって10人に1人は亡くなる怖い合併症を起こす可能性があります。

また、心筋梗塞・脳卒中・狭心症といった重大な病気を引き起こすきっかけにもなります。

このブログを読んでいただくことで、ご自身やご家族の病気予防に役立てていただければ嬉しいです。

中性脂肪はなぜ高くなるのか

中性脂肪が高い=脂肪を減らすのがいいのでしょうか?
お肉は食べない方がいいでしょうか?

こんな疑問をよく外来でされますが、実際には炭水化物の食べすぎで中性脂肪が上がったりします。

ご飯のイラスト

炭水化物=糖+食物繊維からなる複合炭水化物

私たちがご飯を食べると、ご飯が消化酵素によってブドウ糖という最小単位に分解され、それが主に小腸で吸収されます。
小腸から吸収されたブドウ糖は体中の細胞にエネルギーとして使われます。

話をしたり手足を動かすといった動作でも、すぐに燃やせるエネルギーとして糖分(ブドウ糖)というのはとても大事なエネルギーです。

そして私たちは筋肉を動かしたり、頭を働かせることができます。

筋肉のイラスト

私たちの血糖はだいたい80~150くらいの間を推移しています。

たとえばかつ丼や砂糖たっぷりのジュースを飲むと、血糖が急上昇して200や250まであがったりします。

体にとっては余分なエネルギーなので、そのエネルギーをグリコーゲンとして蓄え、グリコーゲンが十分に溜まると今度は糖分を中性脂肪に変換して、脂肪細胞に押し込んでいきます。

脂肪細胞は肝臓、お腹周り、お尻周りに豊富にあります。

脂肪たっぷりのお肉の摂りすぎでも中性脂肪は上がるのですが、主に糖分の摂りすぎで中性脂肪が高くなるのですね。

中性脂肪を下げる方法❶過剰な糖質を減らす

炭水化物=糖+食物繊維からなる複合炭水化物

砂糖のイラスト

炭水化物は糖と食物繊維でできています。糖質は特に食物繊維を剥ぎ取った状態の加工食品に多くあります。

▼加工食品

  • 果汁のみのジュース
  • 清涼飲料水
  • 糖分(果糖ブドウ糖液糖=高フルクトース)が入ったお酒

胡麻ドレッシングのイラスト

果糖ブドウ糖液糖はドレッシングなどにも意外に入っています。患者さんで野菜をたくさん食べている方でも、ドレッシングから糖分を知らず知らずのうちに摂取しまっている方もいると思います。

食品で特に血糖が上がりやすいものは、

  • ジュース
  • 白米

白米は玄米のぬかの部分(食物繊維・ビタミン・ミネラルがたくさん入っているところ)を剥ぎ取ってしまった砂糖のようなものですから、血糖が上がります。

逆にオススメの食品は、未加工のものです。

  • 玄米
  • 全粒粉パン
  • 果物

全粒粉パンのイラスト

こういったアドバイスをすると、果物だったらたくさん食べてOKと感じる方がいるかもしれませんが、果物も食べすぎると血糖が上がってしまいますので、

たとえば

毎日バナナ1本、リンゴ1個など

量を決めて食べることをオススメします。

リンゴのイラスト

中性脂肪を下げる方法❷肉より魚を食べる

家族や自分の好みだったり、レシピの豊富さから、食卓にお肉料理が並ぶ頻度が高いという方は多いのではないでしょうか。

ステーキ

もちろんお肉も食べていいのですが、

牛や豚の脂は飽和脂肪酸といって動脈硬化を促す特徴があります。
お肉を食べすぎると血管の中にプラーク(血栓の下地になるような悪玉コレステロールの塊)ができやすくなりますから、とても危険です。

魚がオススメの理由

魚にはDHA・EPA・ドコサヘキサエン酸とイコサペント酸エチルという中性脂肪を下げる成分が入っています。

これはn3系という不飽和脂肪酸にあたり、心筋梗塞・脳卒中・狭心症を予防する効果が期待できます。

お肉の脂って白く固まっていきますよね。でも、魚の脂は固まりません。

冷たい海の中でも魚の中に流れて白く固まらないくらいですから、人間の血液の中でもサラサラしているイメージをしていただくとわかりやすいのではないでしょうか。

EPA DHA
たまご100g 1mg 72mg
豚肩100g(脂身あり・生) 1mg 15mg
サンマ100g(生) 1500mg 2200mg
サバ100g(水煮) 930mg 1400mg
黒マグロ100g(脂身あり) 1400mg 3200mg

こちらの表を見ていただくとわかる通り、お肉にもEPA・DHAは含まれてはいるのですが、下の3つ(サンマ・サバ・黒マグロ)と比べると量がまったく違うことがわかるかと思います。

忙しい方でも簡単に摂れてオススメなのが、サバの水煮缶です。

サバの水煮缶のイラスト

さらにサバの水煮缶が苦手な方は、サプリメントで摂取するということもできるでしょう。

高中性脂肪血症(中性脂肪)が高い方、悪玉コレステロールが高い方は、病院で保険適用になっています。主治医の先生の判断にもよりますが、処方箋で出していただくこともできると思います。

実際処方箋には、1日DHA・EPAの含有量が1800~2000mgくらい摂れるくらい処方をしてもらうことができます。
オメガ-3 脂肪酸、イコサペント酸エチル
オメガ-3 脂肪酸、イコサペント酸エチル
  • 中性脂肪が高い
  • 動脈硬化のリスクが高い
  • 狭心症・心筋梗塞の既往がある
  • 高血圧・糖尿病がある
  • コレステロールが高い

こういった方は、一度主治医の先生に相談してみてはいかがでしょうか。

中性脂肪を下げる方法❸運動

運動には、有酸素運動と無酸素運動の2種類があります。

▼有酸素運動

  • エアロバイク
  • ジョギング
  • 早歩き(隣の人とやっと話ができるくらいの早歩き)

歩く夫婦

たとえば早歩きであれば、エビデンスでは週150分以上続けると動脈硬化のリスクを下げ、心筋梗塞・脳卒中の予防に効果的で、毎日20分やるといいと言われています。

普段から運動をしていない方は20分運動するのはとても大変だと思いますので、まずは5分からはじめてはいかがでしょうか。

▼無酸素運動

  • 筋トレ

筋トレする人

以下の棒グラフにあるように、私たちの消費カロリーのうちだいたい6~7割は基礎代謝で成り立っています。

1日のエネルギー消費割合

たとえば1日に2000kcal消費する人がいたら、だいたい1200~1400kcalは基礎代謝で消費されます。

そしてその基礎代謝のうち20%以上が筋肉で消費されています。

基礎代謝の内訳円グラフ

Q.筋肉を1kg増やすと1日の消費カロリーはどのくらい増える?

❶10kcal
❷50kcal
❸100kcal

A.❷50kcal

50kcalと聞くとすごく少ないように感じるかもしれませんが、黙っていても1日50kcal消費されるのはとてもすごいことです。1ヶ月で換算すると1500kcal、年間18000kcalになります。

脂肪は1kgが7200kcalですから、1年で脂肪2.5kg相当が消費される計算です。継続は力なりですね。

運動初心者が本気で運動をはじめた場合、1年目で10kg以上筋肉量が増えると言われています。

ただ、ひざや腰などの体の痛みが出やすい方は、理学療法士さんのアドバイスのもとはじめていただくのがいいと思います。

中性脂肪を下げる方法❹お酒を減らす

外来をしていると、お酒をけっこう飲む方で中性脂肪・脂肪肝が高い方がとても多くいらっしゃいます。

ビールのイラスト

アルコールの適量は1日20g以下。具体的な量でいうと、

  • ビール 500cc
  • 日本酒 1合
  • ワイン 200cc

このぐらいの量であっても中性脂肪が高い方はもっと減らす必要がありますし、週に1~2日は休肝日を作ることがオススメです。

休肝日のイラスト

特に中性脂肪があがりやすいのは、アルコールに糖分が入っているものです。

たとえば

  • 梅酒ロック
  • 缶チューハイ

などが代表的です。

梅酒のイラスト

缶チューハイの成分表示表を見ると、糖類と書いてあります。これは果糖ブドウ糖液糖=高フルクトースのことで、特に中性脂肪をあげやすい糖分です。

アルコールと糖は、中性脂肪をあげる最強のコンビですから、もしお酒を飲むとしたら、オススメは

  • ハイサワー
  • 焼酎のウーロン茶割り

こういったお酒になります。

ただ、糖分が含まれていないお酒も肝臓の負担にはなりますから、やはりダイエットしたい方・中性脂肪を下げたい方は基本的にはお酒を飲まないのがいいでしょう。

弱っている肝臓のイラスト

別の飲み物でお酒の欲求をそらしたい方は、無糖の炭酸水がオススメです。

中性脂肪を下げる方法❺食物繊維を摂る

食物繊維は腸から吸収されません。ですから

食物繊維と一緒に糖分や揚げ物を摂ると、油も吸収されづらく、中性脂肪が下がるという仕組みです。

日本人の食物繊維の平均摂取量はだいたい16g程度ですが、実際に摂りたい量は25~30g程度です。

野菜のイラスト

それくらい摂ることができると、心筋梗塞・脳卒中・大腸がん・慢性腎臓病のリスクを減らせるという報告もあります。

ぜひたくさん摂ってほしい栄養になります。

食物繊維は

  • 海藻
  • きのこ類

に多く含まれています。

海藻のイラスト

また、ご飯1膳に含まれている食物繊維は0.5gになりますが、玄米に変えると1膳あたり2gの食物繊維が摂取できます。

もし食事の中で食物繊維を摂りいれるのが難しいという方は、イヌリンや難消化性デキストリン(Amazonなどで購入可)がオススメです。

お味噌汁やおかずに振って食べるのですが、ほぼ味がしませんので、味付けの邪魔をせずに食物繊維を摂ることができます。

ただ、イヌリンや難消化性デキストリンにはビタミン・ミネラルは含まれませんので、できれば野菜から摂るのが体にとっては一番自然です。

動画

「薬に頼らず中性脂肪を自分で下げる方法5選」について、動画でも詳しく説明しています。ぜひご覧ください!

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この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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