低用量ピルについて

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当院では、自費診療で、避妊目的の低用量ピルを扱っています。オンライン診療も実施していますので、希望の方は、アプリをダウンロードのうえ、お問い合わせください。

オンライン診療についてはこちらです。

電話番号 0475-36-7011

インターネット予約はこちらです。

  • 生理痛がひどくて学校生活や仕事に影響がある。
  • 生理不順に悩んでいる。
  • 月経前症候群でいろいろと薬を試したがよくならない。
  • にきびで悩んでいる。

上記のような症状で悩んでいる女性は少なくないと思います。

こちらのページでは、上記の症状を治療するための選択肢の一つである低用量ピルとはそもそも何なのか?どうして避妊、生理不順に効果があるのか?副作用などについても解説していますでの参考にされてください。

このページの内容

❏そもそもピルってなんですか?
❏ピルにはどんな種類があるのでしょうか?
❏ピルを飲めばどうして避妊できるの?
❏ピルを飲むことでどんなメリットがあるのか?
❏ピルの副作用は?
❏ピルのせいで太ったり、ガンになったり、子供ができなくなったりしませんか?
❏避妊以外の効果その1.生理不順 生理痛
❏避妊以外の効果その2.ニキビなどのスキントラブルの改善
❏具体的な飲み方は?費用は?
❏血栓症もふくめた副作用について
❏飲んではいけない人や、飲まないほうがいい場合はありますか?
❏ピルの飲み合わせについて
❏ピルの具体的な飲み方は?
❏ピルを飲み忘れてしまったときの対応は?
❏ピルを飲んだあとにはいてしまったのですが、どうすればいいですか?

そもそもピルってなんですか?

ピルとは、女性が飲む避妊薬(経口避妊薬)のことになります。1960年代に、アメリカで初めて承認されてから世界に広がり、今では世界中で1億人以上の女性が利用しています。

ピルは、女性の卵巣から分泌される2種類の女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)を化学的に合成して作られています。また、ピルは含有されているホルモンの量によって、高用量ピル、中用量ピル、低用量ピルに分かれます。

ピルの基本の見方は、21日間は連続して女性ホルモンが含まれた薬を飲み、その後7日間はピルを飲むのを休むか、女性ホルモンが含まれていないプラセボ(偽薬)を服用します。

この合計28日間のサイクルを1周期とします。休薬中かプラセボ飲んでる2、3日目から、生理に似た出血(消退出血)が起こります。

日本にピルが登場してから数年以上が経ち、ピルを飲む女性は増えてきていますが、世界の普及率に比べるとまだ非常に低いのが現状です。ヨーロッパやアメリカのみならず、韓国などのアジアの国よりも低いのが現状です。

下記表主要国の既婚者におけるピル服用率

国名 服用率(%)
ドイツ 52.6
オランダ 49.0
フランス 43.8
オーストラリア 26.7
イギリス 26.0
アメリカ 18.3
カナダ 14.4
北朝鮮 3.7
韓国 1.8
中国 1.5
日本 1.1

ピルにはどんな種類があるのでしょうか?

世界で初めてピルが登場した1960年代は、含有しているホルモンの量も多かったため、深部静脈血栓症などの副作用を起こす副作用の頻度が高かったのが問題でした。

そこで長い年月をかけて研究し、副作用を少なくする研究が推し進められた結果、ピルに含まれるホルモンの量が減少しました。

最小限のホルモン量で最大限の避妊効果を発揮できるピルが開発されたのです。

目安としてはエストロゲンという女性ホルモンの量が50マイクログラムより多いものは高容量ピル、50マイクログラムのものは中用量ピル、それ未満のものは低用量ピルといいます。

ピルの種類
50マイクログラムより多い 高用量ピル50
50マイクログラム 中用量ピル
50マイクログラム未満 低用量ピル

ちなみにピルは、英語のOral contraceptive(経口避妊薬)の頭文字をとってOCと呼ばれますが日本では一般的に低用量ピルのことを意味します。

前置きが長くなりましたが、国内で発売されているピルについては有効成分の配分量や服用方法によっていくつかに分類されます。

21日間飲む実薬にプロゲステロンとエストロゲンが一定比率で入っているものを一相性ピルといい、生理周期による女性ホルモンの変化に合わせて量や配合表を変化させたものを「段階型ピル」と呼びます。段階型ピルのうち、配合比率が3段階に代わるものが三相性ピルになります。

一相性ピルはすべての錠剤に含まれるホルモン量が同じですので飲み間違いは少ないのですが、三相性ピルの場合は錠剤を決められた順序で飲まなければいけません。

飲む順番を間違えると不正出血が起こったり、避妊効果が低下することがあります。

ピルは服用方法によって2種類に分かれます。1シートの21錠すべてが有効成分の入った実薬になっているものは21錠タイプとよばれ、有効成分が入った実薬21錠と有効成分が入っていないプラセボ(偽薬) 7錠が1シートになっているものは28錠タイプと呼ばれます。


(↑ 一相性で、28錠タイプです。21日間有効成分を飲んで、その後7日間プラセボを飲みます。これで1シート1ヶ月分です。)

他には月経困難症などの治療薬として保険適用になっている、LEP(低用量エストロゲン、プロゲステロン配合薬)もあります。

まずは3シート(3ヶ月)以上飲んでみて自分の体に合うか確認する必要があります。万が一体に合わない場合は、かかりつけのドクターに相談することが望ましいです。

下記表 日本で発売されている様々な低用量ピル

種類 薬剤名
一相性 マーベロン21/28
ファボワール21/28
三相性 トリキュラー28
ラベルフィーユ28
アンジュ28
シンフェーズT28
LEP製剤 ルナベルLD
ルナベル配合錠ULD
フリウエル配合錠LD
フリウエル配合錠ULD
ヤーズ配合錠
ヤーズフレックス配合錠
ジェミーナ配合錠21
ジェミーナ配合錠28

ピルを飲めばどうして避妊できるの?

結論から言うと、脳がホルモン分泌をストップさせて排卵を起こさなく接するのが理由です。

毎日、大体同じ日にピルを飲めば、99.9%と言う非常に高い避妊効果が期待できます。ピルは現在、日本国内で行える避妊法の中で最も確実で安全性の高い方法だといえます。

どうしてピルを飲むことで避妊することができるのでしょうか?

それには簡単にメカニズムについて理解する必要があります。

排卵が起こるのは、女性ホルモンの働きですが、ビルには2つの女性ホルモンが含まれています。それがエストロゲンとプロゲステロンです。

ピルを飲むことで体は排卵を促すホルモンが足りていると勘違いして排卵がストップします。簡単に言うとこれが大きな避妊のメカニズムになります。

ピルを飲むことでどんなメリットがあるのか?

一言で言うと、高い避妊効果が期待でき、ご自身の意思で避妊ができることが最大のメリットだと思います。

様々な避妊法がありますが、使用開始して1年間の失敗率(妊娠率)を比較したアメリカの調査では、選んだ避妊法を正しく続けて使用していたにもかかわらず妊娠してしまった人は下記の通りになっています。

コンドーム2%

殺精子剤 18%
ペッサリー 6%
リズム法(オギノ式) 1-9%
ピル 0.3%

また、ピルを飲むことで生理の周期が整って、生理が軽くなるほか、大切な仕事の都合等に合わせて整理の時期をずらしたり、飛ばしたりすることもできます。

ピルを飲むことでそれまで生理の量が多く困っていたり、生理痛などの月経困難症で辛い思いをしてきた人の症状は改善されます。

OC情報センター「服用者を対象にとしたOCに関する意識調査2009年度」では、ピルを飲むようになってから起こった生活の変化についても、「月経の周期が安定し、仕事、旅行などスケジュールを組みやすくなった」が56.4%と最も多く、「貧血が軽くなり、仕事など生活が楽になった」 51.2%、「月経量が少なくなり仕事など生活が楽になった」44.3%となっています。

生理に関するメリット以外にも、様々な効用があることが知られています。

例えば子宮内膜症や、貧血、卵巣嚢腫などの改善や、骨粗しょう症、脳動脈りゅう、子宮癌卵巣がん、子宮体がんの予防、ニキビ改善などの美肌効果も期待できます。

ピルの副作用は?

皆さんが最も心配されるのが副作用だと思います。

結論から言うと、吐き気や頭痛、胸の張りなどが頻度としては多いですが、3ヶ月以内にほとんどが収まります。

1960年頃に、ビルが誕生してすぐの頃は、ホルモンの量も多く、副作用の発現率も高かったのですが、最近のピルはホルモン量も少なく、副作用の発現率もとても低くなっています。太ったり、不妊になったりする心配もありません。がんについては、むしろピルを飲むことで卵巣がんや子宮体がんのリスクが減ることがわかっています。

ピルの副作用のほとんどは吐き気、乳房がある、頭痛などの軽い症状で、一般に「マイナートラブル」と呼ばれるものです。

副作用の現れ方には個人差があり、だるさやむくみなどが現れる場合もあります。

しかしこれらの症状は一時的なもので終わることが多く、大体はピルを飲み始めて3ヶ月以内に収まる傾向があります。

マイナートラブル以外には、血液が固まりやすくなって血管が詰まる鎮撫静脈血栓症や心筋梗塞、脳卒中を発症するリスクが1.2倍と少し高くなることが指摘されています。

特に喫煙者は血栓を発症するリスクが167倍と非常に高くなるため、禁煙するべきです。

以上簡単に副作用について説明しましたが、むやみに不安になるのではなく、どのような副作用があるか正しく知ることが大切です。

もしも副作用が現れた場合は、当院あるいは産婦人科の医師に相談して違う種類のピルに変えてみるなどの対策を考えることをお勧めします。

ピルのせいで太ったり、ガンになったり、子供ができなくなったりしませんか?

結論からお伝えしますと、ピルを飲んだからといって太ったり、ガンになったり、不妊になったりはしません。

皆さんからよく聞かれる質問が、ピルを飲むことで太ったり、ガンになったり、不妊になる可能性はありますか?と言うものがあります。

ガンについて

まず、ガンになりやすくなりますか?の「ガン」についてもいろいろありますが、ここでは乳がんを意味します。

これはピルに含まれている女性ホルモンと深い関係があり、かつてピルに含まれる女性ホルモンの量が多かったときは、ピルを服用している女性が乳がんになる確率は、服用していない女性に比べてやや高くなると言う調査報告がありましたが、最近の調査では乳がんの発症率はピル服用の有無でさがないと言われています。

婦人科系のガンには、乳がん以外にも、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどがありますが、子宮頸がんのリスクだけわずかに上がることがわかっています。

太るリスクについて

こちらについても、ピルが直接的な原因となって体重が増加すると言う研究結果はありません。むしろ、月経前症候群によって食欲が異常に増して太ってしまうと言う人などは帰ってピル服用後は食欲が正常に戻って痩せたと言うこともあるかもしれません。

ピルを飲むと不妊になる?

服用期間の長さに関係なく、ピルと不妊には因果関係が認められていません。ピル服用終了した後の基礎体温のパターンも、約3ヶ月ほどで95%位の方が二相性に戻っています。これはほぼ排卵が回復し、妊娠可能な状態に戻ることを意味しています。

避妊以外の効果その1.生理不順 生理痛

ピルには、避妊以外にも様々なメリットがあり、ピルの副効用と言われています。

その代表的なものが「生理不順や生理痛」の改善です。

毎月いつ始まるかわからない生理に負担を感じ、ナプキンやタンポン、鎮痛剤などを購入し、生理量が多い場合にはナプキンのズレや漏れなどを気にして行動に制限を受け、社会生活に悩まされることも少なくないと思います。

そういった方には、ピルを飲むことで生理が予定通り始まり、生理量が減って痛みなどの不調や夏場のムレなどもなくなれば女性はもっと自由に、快適に過ごすことができると思います。

ホルモンバランスを整え、子宮内膜が熱くなるのを防ぐピル

生理周期について考えましょう。生理周期とは生理開始日から次の生理が始まるまでのことです。

約28日前後を目安に、25から38日が正常範囲になります。24日以内の場合は、「頻発月経」、39日以上の場合を「稀発月経」と言います。この生理周期には個人差がありますが、月によってバラバラだったり、来たり来なかったりすることを生理不順と呼びます。

生理周期をコントロールしているのが、エストロゲンとプロゲステロンの2つのホルモンです。この2つのホルモンバランスが乱れると生理不順になりやすいと言われています。

また、生理の時は剥がれた子宮内膜を押し出そうと子宮が収縮しますが、この子宮の収縮が強くなりすぎると痛みの原因になります。

毎回寝込んでしまうほど痛みが激しく、日常生活に影響を及ぼす場合は「月経困難症」とされており、治療対象と考えます。

一般に、生理量が多い体質の人は子宮の収縮も激しい傾向があります。月経困難症の主な症状は下腹部痛や腰痛、頭痛、吐き気、背中の痛みなどが挙げられます。よく、腰のあたりが重くだるいなどと表現されるのも特徴です。

ピルを服用することで、ピルを21日間飲んだ後、休薬中の3~4日後に必ず生理が始まるため、生理周期は規則正しくなって安定します。

また、ピルのプロゲステロンの働きにより、子宮内膜が厚くなりません。そうすることで子宮の壁から剥がれ落ちる経血量も減り、生理痛が緩和されるため、月経困難症に悩む人にも効果的と考えます。

ピルの避妊以外のうれしい効用2

ニキビなどのスキントラブルの改善

男性ホルモンを抑えてしつこいニキビを治します。

目立って改善されるのがニキビです。

詳しくは当院のニキビのページを読んでいただければと思いますが、簡単に言いますとニキビは次のような理由で発生します。

まず、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きにより皮脂腺が発達して毛穴から皮脂が過剰に分泌されます。増えすぎた日は毛穴に詰まってて口を塞いでしまいます。するとそこに空気が嫌いなアクネ菌が皮脂を栄養源として増殖して炎症を起こすためニキビができて悪化します。

以上のように、ニキビの原因になるのは皮脂を増やす男性ホルモンになります。このため、女性のニキビはホルモンバランスが崩れて、男性ホルモンが多くなったときに出やすいと考えられています。

ピルを飲むことでニキビが改善するのは、血液中に男性ホルモンと結合して動けなくする蛋白が増加するためです。

男性ホルモンの活動を抑えることで皮脂は過剰に分泌されなくなります。

さらにピルに含まれるエストロゲンには皮脂腺が詰まるのを阻止する作用があり、ニキビができるのを防ぎます。もちろん、ピルを飲んでホルモンバランスが整うことも、ニキビができにくくなる大きな理由になります。

ピルを飲み始めたばかりの頃は、体が慣れないために、できやすくなる場合もありますが、2から3ヶ月過ぎてもニキビができないときには医師に相談してピルの種類を変えるか、そもそもニキビ以外の原因かもしれませんので注意が必要です。

ニキビの改善以外にも、ピルにはさまざまな肌への良い効果が期待できると考えてよいでしょう。

女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、肌をみずみずしくして、潤いを保つ働きがあります。

肌に弾力を与えるコラーゲンを増やすため、ピルを飲み続けるうちに品としたり、はりや弾力を感じるようになる人も多いでしょう。

ひどい乾燥肌で悩んで人がピルを飲んで改善した例もあります。

また肌がお入りで悩んでいる人はホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが多くなっている場合もあります。ビルで男性ホルモンの働きが抑えられると過剰な皮脂も減少します。

具体的な飲み方は?費用は?

実際に費用、飲み方についての説明です。

避妊のためのピルは保険が効ません。大体1シート1400円から2000円位だと考えていただければと思います。

飲み方としては、1日1錠、毎日大体同じ時間に忘れずに飲むことが大切です。例えば朝歯磨き粉や、化粧前などに飲むのをお勧めします。

最近は、スマホのアプリやタイマーを活用する方法もあります。

上記でも既に説明していますが、21日間飲んで7日間休むのが基本です。休んでる間(休薬して3日から4日目)に生理が来ます。

休まずに3シートまで続けて飲んでいただいても大丈夫です。そうすることで生理をずらしたり、飛ばしたりすることができます。

血栓症もふくめた副作用について

ピルを飲まなくても、血栓症は10,000人中5人ほどに起こりえます。それがピルを飲むことで1.2倍に微増することがわかっています。

この数字をどう取るかは?個人によって様々ですが、大きく変わるわけではないと言うことになります。

喫煙については血栓症の発症率が167倍になります。発がん物質は200種類以上にもなりますのでピロきっかけにタバコをやめることを強くお勧めします。

ちなみにタバコは副流煙でも血栓リスクが167倍になります。周りの禁煙も必要です。

他に気をつけるべき事は性感染症の予防にはコンドームが必要です。ピルには予防する効果はありませんので注意してください。

飲んではいけない人や、飲まないほうがいい場合はありますか?

ピルは、誰でも飲めると言うわけではありません。絶対に飲んではいけない場合は、飲むにしても十分な注意が必要な場合がありますの。しかしながら闇雲に恐れる必要はありません。

初診の際に注意が必要な人と診断されても、定期的に必要な検査を受けて医師の指導のもとで正しく服用していれば、深刻な副作用が起こる危険はほぼないと言っていいと思います。

厚生労働省が日本産婦人科学会等の協力を得て作成したガイドラインでピルを服用してはいけないとされている人は下記の通りです。

わが国のガイドラインでピルを服用してはいけない人

  • 初経発来前、50歳以上または閉経後である。
  • 35歳以上で1日15分以上のタバコを吸う。
  • 重症の高血圧性である。
  • 血管病変を伴う糖尿病がある。
  • 妊娠または妊娠している可能性がある。
  • 産後4週以内、または授乳中である。
  • 手術前4週以内、術後2週以内、長期間安静状態である。
  • 肺高血圧症である。
  • 心房細動を合併する、もしくは亜急性細菌性心内膜炎の既往のある心臓弁膜症がある。
  • 重篤な肝障害、肝臓腫瘍がある。
  • 閃輝暗点、星型閃光等を伴う偏頭痛がある。
  • 乳がんである。
  • 血栓性そうになる。
  • 深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往症がある。
  • 抗リン脂質抗体症候群である。
  • 診断の確定していない胃腸性器出血がある。
  • 過敏性素因がある。
  • 耳硬化症がある。
  • 妊娠中に黄疸、持続性掻痒症または妊娠ヘルペスの既往歴がある。
このほかにも十分に注意が必要だとされているのは◆40歳以上の人
◆喫煙者
◆家族に乳がんになった人がいる人
◆肥満度指数BMIが30以上の肥満の人
◆軽い高血圧の人
◆糖尿病や肝障害、心臓病や腎臓病の人
◆てんかんのある人
などが挙げられます。

日本のガイドラインの中には、WHO世界保健機関の「投与してはいけない」に該当しないものもあります。例えば子宮筋腫がある人は、日本では「服用してはいけない」となっていますが、WHO世界保健機関では「どのような場合でも使用可能」のカテゴリーに入っています。実際、ピルを服用することで子宮筋腫が縮小したと言うケースも報告されています。

軽度の高血圧の人や、糖尿病の人、てんかんのある人なども、日本のガイドラインでは「慎重投与」ですがWHO世界保健機関では服用に問題ありません。

ピルを他の薬と一緒に服用する場合は、医師や薬剤師に相談してください。

また、ピルを他の薬と一緒に飲むと、避妊効果が弱くなってしまう場合もありますし、副作用を強めてしまう場合があります。

反対に、ピルによって他の薬の効果が弱くなったり、強く効きすぎたりしてしまうこともあります。例えば風邪をひいて抗生物質を飲んだ場合は、ピルの効果を弱めることがわかっています。

また胃潰瘍の薬を長期にわたって利用することで、ピルによるマイナートラブル(頭痛、吐き気、嘔吐、乳房の張り)が強く出てしまうことも報告されています。

逆に血糖値を下げる薬や、血圧を下げる薬の中にはビルとの相互作用によって効果が弱まってしまうものもありますので注意してください。

ピルの具体的な飲み方は?

飲み方はとても簡単です。先ほどもお伝えしたように1日1回一錠を毎日大体同じ日に飲むだけでいいのです。

ピルには21錠タイプと、28錠タイプがありますが、どちらも服用スタートは、生理の1から3日目から飲むことをお勧めしています。(初日から飲む場合は、初日から避妊効果があるが、不正出血が起こることもあります)

生理が始まった後に、最初に来る日曜日から飲み始める「サンデースタート」もあります。

いずれの場合でも、生理の初日から飲まない場合は、ピルを飲み始めて最初の7日間は必ずコンドームなどの他の避妊法を併用する必要があります。

ピルのホルモンが体内に入ってから、卵巣の働きが完全に休まるようになるまで7日間かかるからです。

21日間飲み続けたあとの、休薬期間に生理が始まります。

ピル服用中に不正出血があっても、軽い副作用のことがありますのでピルを中止する必要はありません。

ただ2周期続けて生理が来ない場合は、妊娠の可能性があるのでピルを飲むのをやめてすぐに産婦人科を受診してください。

また、ふくらはぎなどに痛みやしびれやむくみがある、偏頭痛が続く、突然の息切れや激しい胸の痛みがある、突然目が霞む、むかつきや嘔吐が長く続くなど症状がある場合は、血栓症の疑いがありますので服用を中止してすぐに医師の診察を受けてください。

ピルを飲み忘れてしまったときの対応

24時間以内に気づいた場合は気づいた時点ですぐに飲んでください。

ホルモンの量を最低限に設定している低用量ピルのため、1日1錠飲み忘れてしまった場合は、避妊効果は不確実なものになります。

ピルによる避妊効果を確実に発揮するためには「毎日同じ時間にピルを一定飲む」が必要なのです。

飲み忘れてしまった場合はどうしたらいいでしょうか?
しかしながら、これはあくまでも非常事態だと思って対応してください。

下記の図も参考にしてください。

◆まず予定していた服用時刻から24時間以内で飲み忘れに気づいた場合。

気づいた時点ですぐに飲み忘れた1錠を飲みます。そして次の服用時刻になったらいつも通り一定飲んでください。

飲み忘れに気づいたのが、翌日の服用時刻だった場合

気づいた時点で前日の分と合わせて2錠飲みましょう。

ピルには7日間ルールと言うものがあり、7日間ピルを飲んだ後なら卵巣は休止しているので1日飲み忘れても、排卵が起こる事はまずありません。飲み忘れに気づいた時点で1錠飲み、次の服用時刻にもう一度飲むのが基本になります。

飲み忘れた日がピルを飲み始めて1日から7日めの場合は、念のためコンドームなどの他の避妊法を併用しましょう。

◆24時間以上経って気づいた場合

中止して次の生理日から再スタートしてください。

予定していた服用時刻から24時間以上経って飲み忘れに気づいた場合は、避妊効果が不確実になりますのでピルの服用は注意してください。中止すると、すぐに生理が始まります。

生理が始まったら1日目から3日目から新しい薬剤シートに切り替えて飲み始めましょう。服用中止している期間はコンドームなどの避妊法を行う必要があります。

 

ピルを飲んだ後に吐いてしまったのですが?どうすればいいでしょうか?

また、ピルを飲んだ後に吐いてしまったのですが?どうすればいいでしょうか?と言う質問もよくありますが、ピルを飲んでから3時間以上経っている場合は、ピルは消化されているので大丈夫です。

3時間以内に吐いてしまった時は、吐き気が治まった後に追加で一定飲んで次の服用時刻にいつも通り一定飲んでください。

激しい下痢を起こした場合も、吐いた時と同じように対処していただければと思います。

◆低用量ピルに関してよく聞かれる質問Q&A◆

Q:ピルを内服している場合は、子宮がん健診をしたほうがいいですか?
A:はい、する必要があります。ピルを内服していると、子宮頚癌のリスクがあるため、ぜひ1年に1回はしてください。
Q:月経困難症がある場合は、どんな検査が必要ですか?
A:卵巣嚢腫、子宮筋腫が隠れていることがありますので、年に1回は必ず産婦人科での超音波検査をおすすめします。卵巣腫瘍、子宮筋腫などがあった場合に、手術が必要なケースもまれにあるため、治療方針を決めるうえでも大切です。
また年1回は副作用の確認のため、血液検査も重要です。血液学的検査(赤血球、白血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板)、血液生化学検査(GOT、GPT、コレステロール、中性脂肪など)を、1年に1回は行ってください。
Q:低用量ピルを飲んではいけないのはどんな場合ですか?
A:<以下に該当する方は服用できません>
過去に肺梗塞・脳梗塞・心筋梗塞など血栓症を起こしたことがある人
家族に血栓症の人がいて遺伝的に血栓が起きやすい体質の人
タバコを吸う人
体重が多すぎる人
前兆を伴う片頭痛がある人
コントロールできていない高血圧・糖尿病・高脂血症がある人
Q:あまが台ファミリークリニックでは保険診療はしていますか?
申し訳ありません。当院では現時点では保険診療はしていません。自費診療のみとなっています。
Q:下記のLEP製剤は保険適応ですが、避妊効果はないのでしょうか?
LEP製剤 ルナベルLD
ルナベル配合錠ULD
フリウエル配合錠LD
フリウエル配合錠ULD
ヤーズ配合錠
ヤーズフレックス配合錠
ジェミーナ配合錠21
ジェミーナ配合錠28
A:避妊はそもそも自費診療のため、保険適応ではありませんが、LEP製剤は高い避妊効果はあります。避妊を目的に使用する場合は、下記の一相性あるいは三相相の低用量ピルの内服が必要です。

種類 薬剤名
一相性 マーベロン21/28
ファボワール21/28
三相性 トリキュラー28
ラベルフィーユ28
アンジュ28
シンフェーズT28
Q:生理痛、肌荒れがあります。ピルをスタートしても症状の改善がない場合、最初に処方した薬を何ヶ月程度続けたほうがよろしいでしょうか?つまり、例えば3ヶ月続けて効果がなければ変えたほうがいいのか? 1ヵ月続けて効果がなければ書いたほうがよろしいでしょうか?低用量ピルが効果がない、別のものに変えたほうが良いと言う判断をどのタイミングでされているのか?教えていただければ幸いです。
A:基本は非ステロイド系鎮痛薬で対応するのがいいですが、改善なければ、低用量ピルの適応です。大体2,3ヶ月はトライしていいと思います。それでもきつければ、ヤーズフレックスで月経回数を減らすのも方法です。
Q:避妊目的でピルを使う場合は、いつからスタートするのがいいですか?
A:まずは妊娠がないことの確認が必要です。また月経サイクルに沿って導入という観点からは月経開始から1週間以内に開始するのがいいと思います。避妊目的であれば早めの内服がよろしいと思います。生理がおわったあとの日曜からのスタートもわかりやすいですね。
Q:眼がチカチカするような前兆を伴う偏頭痛があるのですが、その場合は低用量ピルは内服できませんか?
A:はい、脳卒中のリスクが高くなので内服できません。また前兆がない場合は、十分注意して内服する必要があります。
Q:ピルを初めて使う場合に何かおすすめのピルはありますか?
A:一相性のピルは、飲み忘れた時の対応もしやすくおすすめです。マーベロンと、マーベロンの後発品のファボワールがあります。
Q:フリウエルULDとヤーズ配合錠の特徴を教えて下さい。
A:フリウエルULDとヤーズ配合錠はエストロゲンの量が少ないです。エストロゲンをあまり使いたくない人、つまり血栓症が心配な人に使います。たとえば40歳以上の方や糖尿病、脂質異常と肥満など、ピルの禁忌には該当しないけれど、心配な人に使う場合があります。ただ、内膜維持作用が弱くなるので不正出血しやすいという面もあります。
Q:タバコを吸っている人は、ピルは内服できませんか?
A:35歳以上の喫煙者には出しません。タバコを吸うことで、血栓症のリスクが167倍になりますので危険です。どうしても辞めることが出来ない場合は、ミレーナという子宮内避妊具もあります。
Q:確実に避妊したいと思っています。緊急避妊薬(アフターピル)と、低用量ピルを同時に内服することはできますか?
A:計画的に、低用量ピルを避妊目的で飲んでいる方は緊急避妊薬を飲む必要は全くありません。仮に普段から低用量ピルを飲んでいなくて避妊目的で緊急避妊薬を飲んだ後に、最初の出血が来たら今後の避妊として低用量ピルを開始することが推奨されています。
Q:緊急避妊薬は何時間以内に内服すればいいですか?
A:性交後、72時間以内に内服する必要があります。2時間以内に吐いたら、再度飲み直しが必要です。問題は、同意ない性交であったり、レイプの場合です。その場合の費用は公費負担になります。警察には本人からの連絡が必要です。

初診の流れ

以下が受付から会計までの流れになります。

2020年5月1日からオンライン診療も開始しています。この場合は、2回目以降は来院せずに、お薬も郵送させていただきます。

受付

診察

採血

薬の処方(院内処方)

会計

帰宅

あまが台ファミリークリニックで採用している薬はなんですか?

当院では、マーベロンとファボワールを採用していますが、ファボワールのほうが、後発品医薬品となっており1ヶ月あたりの負担は安く済みます。

診療費用について

<初診時(はじめて処方する場合)>

項目 費用
初診時診察料 3,000円
血液検査 7,000円
薬代(税込み) ファボワール28日分:2,200円
マーベロン28日分:2,800円
合計 ファボワール12,200円
マーベロン12,800円

※血液検査では、肝機能、腎機能、貧血、甲状腺機能を調べます

※一度に3ヶ月分まで処方は可能です。

<2回目以降>

項目 費用
再診料 700円
薬代(税込み) ファボワール28日分:2,200円
マーベロン28日分:2,800円
合計 ファボワール2,900円
マーベロン3,500円

※お薬を郵送希望の場合は、着払いでお願いしています。

※一度に3ヶ月分まで処方は可能です。

以上が説明ですが、何か不明な点など気軽にご相談ください。下記からネット予約、あるいは電話でのお問い合わせもできます。

ネット予約はこちら。

あまが台ファミリークリニック
電話番号 0475-36-7011

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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