手足口病

手足口病

手足口病

「口の中が痛いといって食べづらそうです。」
「手足に発疹ができました。」

こういった理由でクリニックを受診することが多いのが手足口病です。夏に多く、原因ウイルスはおもにコクサッキー16とエンテロウイルス71です。稀ではありますが脳炎などの重症な合併症を起こすことがあるのはエンテロウイルス71です。近年はコクサッキーA6型による多発水疱や爪の脱落等が起きる特殊なケースも報告されています。症状がすべてそろえば診断は容易です。

ウイルスの排出は、喉やうんちなどから数週間続くと言われています。通常1週間程度で自然治癒します。

手足口病の特徴

潜伏期は通常3日から5日間です。兄弟がいたり集団生活している場合はほぼ連続的に発生します。初期は微熱、感冒の症状があることが多いと思われます。小児は、多少熱があっても元気ですので、室内を普通に走り回ることもあります。発疹は典型的なものは小さな楕円形で水疱が出現することが多いと思われます。手足と行っても、手のひらや、手足の指がおもに出現する場所です。

紛らわしい病気

手足に水疱ができる疾患は沢山あるので注意が必要です。

多いのは汗疹です。

他にも単純ヘルペスしもやけがあります。

秋冬にも手足口病があるので、これらの病気との区別に注意が必要です。

また、しもやけ と紛らわしいことがあります。他にも虫刺され、水痘、疥癬、手湿疹、アトピー性皮膚炎の手足指の発疹、おむつ皮膚炎などです。

手湿疹を考えて、ステロイド外用剤を使ってみたところ、悪化する症例などでは疑う必要があるかもしれません。

典型的な手足口病の水疱は楕円形で皮膚のしわに沿って生じる場合があります。

合併症

以前この病気で脳炎などの重篤な合併症が生じ死者が出たことがあります。1997年にはマレーシアで30人が手足口病で犠牲になりました。2000年前後には台湾で9万人が感染し、55人が亡くなられています。。日本でも当時重症例がありました。その原因のほとんどがエンテロウィルス71で一部にコクサッキーウイルス16が確認されたようです。稀ではありますが、こうした深刻な合併症を生じることがありますので注意が必要です。

治療

特別な治療はありません。脱落してしまった爪は再生し元に戻るようです。

非典型的な症状や全身状態がやや不良という場合は、脳炎など合併症に注意することがとても重要です。

登園登校の判断は?

手足口病は学校感染症第3種の感染症の「その他の感染症」です。

第3種ではありません。この場合、医師の判断のもとで、登園登校の判断をします。

手足口病は、「口の中の発疹で食事で摂りにくい、発熱、体がだるい、下痢頭痛などの症状がなければ学校を休む必要はありません」ということになっています。(日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会の推奨)

プールに入っても大丈夫ですか?

水疱がほぼ消失し、明らかに病気の勢いがなくなるまではプールは待ちましょう。

どんなときに受診したらいいですか?

意識状態がおかしかったり(ぼーっとしている)、体がピクピク動く(痙攣)があったりした場合はすぐに来院してください。まれに脳炎を引き起こすことがありますので注意が必要です。

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