目次
糖尿病の治療と生活上の注意点について
糖尿病の治療
糖尿病の治療は、以下の3つの柱でなりたっています。
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
1つずつ順に解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
糖尿病の治療1:食事療法
上記の図の通り、食事療法のコツは
- 「自分に見合った食事量」
- 「血糖値が高くなる山を増やさない」
- 「食後の急激な血糖上昇を防ぐ」
この3点です。
実際、糖尿病の初期段階の患者さんにこの食事療法を取り入れていただいた結果、血糖値がだいぶ改善したことがあります。ご本人も驚いていました。
どれもちょっとした心がけでできることばかりだと思います。
私自身も食事をする時は出来る限り野菜から食べるようにしています。
糖尿病を予防改善する食事のポイントについて、動画でも解説しています。興味がある方はご覧ください。
糖尿病の治療2:運動療法
糖尿病にオススメの運動は、以下のような有酸素運動です。
- 早歩き
- 水泳
- ラジオ体操
- サイクリング
運動の習慣がない方も、ぜひいつでもどこでも1人でできる早歩きをしてみてください。
毎日少しずつすることが大切です。
ただし、以下の項目に当てはまる方は、必ず主治医の医師に相談してから決めましょう。
- 血圧が高い
- 糖尿病神経障害(足の感覚障害がある)
- お薬やインスリンを使用している方…低血糖に注意。空腹時の運動は避けましょう
歩数計などを利用すると、運動量が客観的に確認できて便利です。
糖尿病の治療3:薬物療法
薬物療法には飲み薬と注射薬があり、症状によって使い分けられます。
自分が使っている薬の名前と量をしっかりと覚えておきましょう。
飲み薬や注射、薬は、糖尿病を治すものではありません。同時並行で食事療法、運動療法を続ける必要があります。
また、薬は勝手に止めたり増やしたりせず、決められた時間に正しくのみましょう。
低血糖に気をつけましょう
低血糖は食事、運動、薬のバランスが崩れたときに起こります。
- 食事を抜いた時
- 食事の時間が遅れた時
- 過度な運動をした時
- 空腹時に運動した時
- 薬を勝手に増やした時
こういった時は要注意です。
また、低血糖の症状には次のようなものがあります。
- 冷や汗
- 動悸
- 脱力感
- 異常な空腹感
- 吐き気
- 手足の震え
- 頭痛
- めまい
- 頭が重い
- 低血糖による意識障害
上記のような低血糖症状が起きた場合は、砂糖やブドウ糖をすぐに口に入れて血糖値を改善させましょう。
低血糖に備えてブドウ糖や砂糖は必ず持ち歩きましょう。
また、症状があれば救急車を呼んですぐに医療機関を受診されてください。
αグルコシダーゼ阻害薬という飲み薬を飲んでいる方は、ブドウ糖或いはブドウ糖を含む飲料水を摂取してください。
日常生活で心がけること
糖尿病になると感染を起こしやすくなります。身体の清潔、保清に気をつけましょう。
- 歯を磨く
- 入れ歯を洗う
- 深爪をしない
- 陰部を清潔にする
- 足のしびれがある方…足を毎日観察。水虫を治す。足の傷、魚の目、たこは早めに手当する
- 糖尿病連携手帳、ブドウ糖や砂糖飴を持ち歩く
- 発熱時や腹痛時は早めに通院
- 規則正しい生活を心掛ける
- 定期的な検査・診断を受ける
糖尿病のほかの注意点
高血糖以外にも、次のような病気や状態があると合併症が起きやすくなります。
- 肥満メタボ
- 高血圧
- 脂質異常症(高脂血症)
いわゆる生活習慣病になります。
血圧はできれば自宅で毎日測っていただき、5分安静にしてから測ったものを、血圧手帳につけていただくと安心です。
2週間位の平均が自宅で125-80以下が目標になります。
旅行の楽しみ方
食事時間が著しくずれる心配のあるときは、前もって主治医の先生に相談しておきましょう。
以下の物を持っていくとよいでしょう。
- 非常食
- 糖尿病連携手帳
- 飲み薬、注射薬
- (海外旅行時は)英語の診断書
当院の糖尿病の治療方針について
当院では糖尿病の予防および治療にも力を入れております。栄養指導室も完備しています。
一人ひとりのライフスタイル・希望を考慮し、無理なく続けられる食事療法および運動療法についても一緒に考えていくスタンスです。
さらに、近年は血糖コントロールを良好にする様々な薬物治療と言う選択肢も増えてきております。
メリットデメリットを考慮し、最善の治療になるようにサポートできれば幸いです。