目次
胃がんのリスクとなるヘリコバクター・ピロリ菌について
- 「家族に胃がんの人がいて自分もそうでないか?と心配」
- 「最近、胃の不快感が続くので、ピロリ菌を調べたいけど、いきなり胃カメラをやるのはちょっと。。。」
- 「簡単にピロリ菌を調べてみたい。」
皆さん こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
こんな疑問や不安をお持ちの方は、このブログが役に立つと思いますので是非ご覧ください。
意外に知られていませんが、日本人の死因1位が「がん」だということをご存知でしょうか。
国立がん研究センターの2017年の調査によると、がんで亡くなった方の中で、胃がんは3番目に多いというデータが出ています。
今回のブログでは、胃がんのリスク因子の中でも、「治療できるピロリ菌」
の早期発見に役立つ方法をお伝えしたいと思います。
ピロリ菌がいると、胃がんのリスクが6倍!?
ヘリコバクターピロリ菌に感染している場合、長期的に胃がんになるリスクが6倍高くなるという研究があります。
これは1993年の「Lancet」という一流雑誌の研究です。また先進国においては
胃がん全体の原因を100とすると36はピロリ菌が原因
ということもわかっています。
そもそもピロリ菌とは?
ピロリ菌とは胃の粘膜に生息している「らせん形」のバクテリア(細菌)です。
胃の中は強い酸性のため、昔から細菌はいないと考えられていましたが、その発見以来様々な研究からピロリ菌が胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの病気に深く関係しているということがわかってきました。
特に井戸水を使ってて生活していたことがある、50代以上の世代に多いと言われ、またその世代に口移しで食べ物をもらっていた中学生や高校生もまれにピロリ菌感染が見つかることがあります。
子供の頃に感染し、一度感染すると基本的には除菌しない限り胃の中に住み続けます。
強い酸性の環境のなかで、なぜピロリ菌は生き続けることができるのか??
ピロリ菌が生き続けるためには最適なPH(ペーハー)というのがあってそれが6~7位なのですが、胃の中は強い酸性PH(ペーハー)1~2で、通常の菌は生息できないようにできています。
それではなぜピロリ菌は生息できるのでしょうか?
それはピロリ菌が出している「ウレアーゼ」と言う酵素にあります。
この酵素は胃の中の尿素を分解してアンモニアを作り出し、アンモニアはつよいアルカリ性のためピロリ菌の周りの胃酸が中和されて生息できると言われています。
ピロリ菌感染を放置するとどうなるか?
ピロリ菌を放置したからといって全ての人が、がんになるわけではありませんが、ピロリ菌に感染している人の方が、胃がんになるリスクは5倍程度高いと言われており、最近では学校単位でピロリ菌のチェックをしているところも出てきました。
ピロリ菌は、胃がんのリスクになるということがわかっていますのでピロリ菌感染の有無についてはチェックしておいても良いのではないかと思います。
2.胃がんの家族歴がある方
上記に該当する方は、一度チェックをお勧めしたいと思います。
お父さん、お母さん、兄弟が胃がんである場合は、そうじゃない場合に比べ胃がんのリスクが高まります。
ピロリ菌の検査方法
ピロリ菌の検査方法としては一般に
2.尿素呼気テスト
3.血液検査
の3つがありますが、当院では、
ただし、当院で実施する場合、これら二つは自費の検査になります。
尿素呼気テストについてご案内
胃がんのリスク因子となる、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているかどうかを検査するためのものになります。
以下手順です。
1.ユービット錠100mgの服用前に呼気を採取する。
2.ユービット錠100mg(1錠)をつぶしたりせず、空腹時に水100mLとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)嚥下する。
3.服用後左側臥位の姿勢を5分間保ち、その後は座位の姿勢を保つ。
4.ユービット錠100mg服用後20分に呼気を採取する。
5.服用前と服用後の呼気中の成分を測定し、ピロリ感染の有無、あるいは治療効果を判定します。
よくある質問と答え
Q:尿素呼気テストをやる場合、当日の朝は、食事を中止したほうがよいですか? |
A:はい、午前なら、朝食を抜き、午後の検査なら、昼食は抜いてください。水分(お茶、お水は)は摂取していただいて結構です。 |
Q:たばこは、吸ってから受診しても大丈夫ですか? |
A:いいえ、検査前は禁煙してください。喫煙後は30分以上空けて行う必要があります。 |
Q:検査前に飲まない方が良い薬があれば教えてください。 |
A:胃酸抑制剤のプロトンポンプ阻害薬や抗生剤、骨粗鬆症のビスマス製剤などはこれらのお薬は中止、または終了後2週間以上経ってから実施します。 |
尿素呼気テスト、血液検査(ピロリ菌抗体検査)の価格
自費による診療となります。ともに1回6600円(税込み)となります。