院長ブログ

ダイエットが続かない人へ|意志が弱いのではなく食欲が原因かもしれません|千葉市茂原市からも通院可能

「今度こそ痩せたい」と思って始めたのに、気づくとまた食べてしまう。

夜になると甘いものが欲しくなる。仕事で疲れると、ついコンビニに寄ってしまう。食事量を減らそうとしても、数日たつと我慢できなくなる。

そして最後には、こう思ってしまう方が少なくありません。

「自分は意志が弱いのではないか」

しかし、私は日々の診療で多くの患者さんを診ていて、強く感じることがあります。

ダイエットが続かない原因は、必ずしも意志の弱さではありません。食欲、生活リズム、睡眠、ストレス、ホルモン、代謝など、体の仕組みが深く関係していることがあります。

この記事では、YouTubeをご覧いただいている全国の皆さんに向けて、「なぜダイエットは続きにくいのか」「なぜ食欲は自分の力だけではコントロールしにくいのか」「医療として肥満治療を考えるのはどんな時か」を、できるだけわかりやすくお話しします。

この記事の結論

ダイエットが続かない方は、「根性が足りない」と責める前に、まず食欲の出方や生活パターンを整理することが大切です。肥満は、医学的に治療の対象となることがあります。無理な自己流ダイエットを繰り返している方は、一度、医師に相談してみる価値があります。

皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です

皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

私は医師歴25年の家庭医療専門医として、地域医療の現場で内科、糖尿病内科、小児科、皮膚科、生活習慣病まで幅広く診療しています。

また、肥満・ダイエットの分野では日本肥満学会に所属し、当院では月間約150人の肥満治療の患者さんを診療しています。

診察室では、こうした声を本当によく聞きます。

  • 食事制限をしても続かない
  • 夜になると食欲が強くなる
  • ストレスがたまると甘いものを食べてしまう
  • 健康診断で脂肪肝、血糖値、血圧を指摘された
  • 痩せたい気持ちはあるのに、何度もリバウンドしてしまう

こうした方にまずお伝えしたいのは、「あなたが怠けているから太っている」と単純に決めつけるべきではないということです。

もちろん、食事や運動が大切であることは間違いありません。しかし、実際の肥満治療では、それだけでは説明できないことがたくさんあります。

ダイエットが続かない人に多い誤解

ダイエットが続かない方ほど、自分に厳しい言葉を向けてしまいがちです。

  • 私は我慢ができない
  • 自分に甘い
  • 本気で痩せようとしていない
  • また失敗した

しかし、これは少し厳しすぎる見方かもしれません。

なぜなら、食欲は単なる気合いだけで決まるものではないからです。食欲には、脳、胃腸、ホルモン、睡眠、ストレス、血糖値の変動などが関わります。

たとえば、忙しくて昼食を抜いた日ほど、夜に一気に食べてしまうことはありませんか。寝不足の日ほど、甘いものや脂っこいものが欲しくなることはありませんか。仕事で疲れ切った日に、食べることでホッとした経験はないでしょうか。

これは「性格が悪い」「意志が弱い」という話ではありません。体と脳が、エネルギー不足やストレスに反応して、食べる行動を強めている可能性があります。

食欲は「我慢」だけで抑えるには強すぎることがあります

ダイエットを始める時、多くの方はまず「食べる量を減らそう」と考えます。

もちろん、摂取エネルギーを減らすことは体重管理に必要です。しかし、ここで問題になるのは、体が必ずしもそれを歓迎しないという点です。

体重が減り始めると、体は「エネルギーが足りないかもしれない」と感じ、食欲を強めたり、消費エネルギーを抑えようとしたりします。これが、ダイエット後半で急に痩せにくくなる理由の一つです。肥満は慢性的に再発しやすい疾患として捉えられるようになっており、薬だけでなく食事、運動、行動面のサポートを含めた包括的な治療が重要とされています。※1

読者の方の中には、こう思う方もいると思います。

「でも、結局は食べなければ痩せるんじゃないですか?」

たしかに、短期間だけ見れば、食べる量を大きく減らせば体重は落ちます。ただし、その方法が長く続くかどうかは別問題です。

極端な食事制限は、一時的には体重が減っても、強い空腹感、反動による過食、筋肉量の低下、リバウンドにつながることがあります。

だからこそ、医療の現場では「ただ食べるな」ではなく、食欲の出方を見極め、続けやすい方法に変えていくことを大切にしています。

あなたの食欲はどのタイプですか?

当院で肥満治療の患者さんとお話ししていると、体重が増えやすいパターンはいくつかに分かれます。

代表的には、次の4つです。

1. 食事の量が多いタイプ

食事そのものの量が多いタイプです。

  • おかわりをすることが多い
  • 満腹になるまで食べる
  • 食べるスピードが早い
  • 大皿料理だとつい多く食べてしまう
  • お菓子は少ないのに体重が増える

このタイプの方は、いきなり食事量を半分にしようとすると続きません。まずは、ご飯茶碗を少し小さくする、食事に15分以上かける、汁物や野菜から食べるなど、食べ方の工夫から始める方が現実的です。

2. 間食タイプ

食事量はそれほど多くないのに、間食でカロリーが積み上がっているタイプです。

  • お菓子を毎日食べる
  • 菓子パンをよく食べる
  • 夜のアイスやデザートが習慣になっている
  • 仕事中や夕方に甘いものが欲しくなる
  • コンビニに寄ると、つい買ってしまう

このタイプの方に「間食を全部やめましょう」と言っても、現実にはなかなか続きません。

大切なのは、ゼロにすることより、まず置き換えることです。甘い飲み物を無糖の炭酸水にする、菓子パンをゆで卵やギリシャヨーグルトに変える、ナッツは袋ごとではなく20粒程度にする。こうした小さな工夫が、続けられるダイエットにつながります。

3. 夜型タイプ

夕食が遅い、夜に食べる量が多い、寝る前に何か食べてしまうタイプです。

  • 仕事が終わってから夕食を一気に食べる
  • 朝食を抜いて夜に多く食べる
  • 夕食後にデザートを食べる
  • 寝る前にもう一口食べてしまう
  • 夜にコンビニへ寄ることが多い

夜型タイプの方に必要なのは、「夜に食べるな」という根性論ではありません。仕事や家庭の事情で夕食が遅くなる方も多いからです。

この場合は、夕方にたんぱく質を少し入れておく、帰宅後の主食を控えめにする、夕食後すぐ歯を磨くなど、夜の食欲が暴走しにくい流れを作ることが大切です。

4. ストレス食いタイプ

空腹ではなく、疲れ、イライラ、不安、仕事後の解放感で食べてしまうタイプです。

  • 疲れると甘いものが欲しくなる
  • イライラすると食べたくなる
  • 仕事や家事が終わった後に食べるとホッとする
  • 食べた後に後悔する
  • 生理前や更年期以降に食欲が増えた

このタイプの方に「我慢してください」と言うだけでは不十分です。食べることが、気持ちを落ち着ける手段になっている場合があるからです。

まずは、食べたくなった時に無糖炭酸水を飲む、温かいお茶を飲む、5分だけ歩く、深呼吸する、一度歯を磨くなど、食べる前にワンクッション入れることから始めるのがおすすめです。

「食欲が強い」は治療で相談してよい症状です

ここで大切なのは、食欲が強いことを恥ずかしいことだと思わないことです。

診察室で「食欲が止まらないんです」と話すことに、抵抗がある方もいます。

しかし、肥満治療では食欲の出方を確認することがとても重要です。

なぜなら、最近の肥満治療では、食欲や満腹感に関係する体の仕組みに働きかける薬が使われるようになってきているからです。

たとえば、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬は、食欲や摂取エネルギーに影響する薬剤として研究されています。セマグルチドやチルゼパチドは、肥満症に対する治療薬として国内でも位置づけられており、日本肥満学会は安全・適正使用の重要性を示しています。※2

もちろん、誰にでも使えばよい薬ではありません。

美容目的で安易に使うものでもありません。低体重や普通体重の方が、短期間で見た目を変える目的で使う薬でもありません。日本肥満学会も、健康障害を伴わない肥満や、低体重・普通体重の方への美容・痩身目的の使用には注意を促しています。※2

だからこそ、医師が適応を確認し、安全性を見ながら治療を進める必要があります。

「自分は治療の対象なのかな?」と思った方へ

肥満治療は、ただ体重を落とすためだけのものではありません。血糖値、血圧、脂肪肝、睡眠時無呼吸、膝や腰への負担など、健康面を含めて考える治療です。まずは治療内容を確認してみてください。

薬を使えば楽に痩せられる、という話ではありません

ここまで読むと、こう思う方もいるかもしれません。

「それなら、薬を使えば簡単に痩せられるのでは?」

この考え方には注意が必要です。

肥満治療薬は、食欲や体重管理を助ける可能性がある一方で、吐き気、便秘、胃もたれ、下痢、腹痛などの副作用が出ることがあります。また、持病、内服薬、妊娠の可能性、過去の病歴によっては慎重な判断が必要です。

さらに、薬だけで生活が何も変わらなければ、治療をやめた時に体重が戻りやすくなることもあります。

WHOも、GLP-1関連薬について、肥満に対する治療選択肢になり得る一方で、薬だけでは肥満問題は解決せず、食事、身体活動、専門職のサポートを含めた包括的な取り組みが必要であるとしています。※1

つまり、医療ダイエットで大切なのは、薬を使うかどうかだけではありません。

自分の食欲タイプを知り、続けやすい生活改善を組み合わせ、必要に応じて薬の力を安全に借りることが重要です。

当院の肥満治療で大切にしていること

あまが台ファミリークリニックでは、肥満治療を「体重だけを見る治療」とは考えていません。

体重が何kg減ったかはもちろん大切です。しかし、それだけを追いかけると、無理な食事制限やリバウンドにつながることがあります。

当院では、次のような点を確認しながら治療を進めます。

  • なぜ体重を減らしたいのか
  • 健康診断で血糖値、脂肪肝、血圧、脂質を指摘されていないか
  • 食欲の出方はどのタイプに近いか
  • 夜型、間食、ストレス食いなどの生活パターンがないか
  • 薬を使う場合に安全性の問題がないか
  • 副作用が出た時にどう対応するか
  • 治療を続けるうえで費用や通院の負担が大きすぎないか

特に、肥満治療では「続けられること」が大切です。

最初から完璧な食生活を目指す必要はありません。

たとえば、最初の一歩は次のようなもので十分です。

  • 甘い飲み物を無糖の飲み物に変える
  • 夜のアイスを毎日から週2回にする
  • 菓子パンをゆで卵やヨーグルトに置き換える
  • 夕食後すぐ歯を磨く
  • 仕事後にコンビニへ寄る回数を減らす
  • 食べたくなったら、まず5分だけ待つ

小さく始めて、続けられる形にする。これが、リバウンドを防ぐうえでも大切です。

「まだ病院に行くほどではない」と思っている方へ

肥満治療についてお話しすると、よくこう言われます。

「まだ病院に行くほどではないと思っていました」

この気持ちは、とてもよくわかります。

日本では、体重の悩みを医療機関で相談することに抵抗がある方が少なくありません。

「自分で何とかするもの」

「病院で相談するのは大げさ」

「薬に頼るのはよくない」

そう感じる方もいると思います。

ただ、次のような状況がある場合は、自己流だけで抱え込まず、医師に相談してよい段階です。

  • 何度もダイエットとリバウンドを繰り返している
  • 健康診断で脂肪肝を指摘された
  • 血糖値やHbA1cが高めと言われた
  • 血圧や脂質異常症が気になっている
  • 睡眠時無呼吸症候群や強いいびきがある
  • 体重のせいで膝や腰に負担を感じる
  • 食欲が強く、自分だけではコントロールが難しい

肥満は、将来の糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管疾患などと関係することがあります。WHOも、肥満を心血管疾患、2型糖尿病、一部のがんなどの非感染性疾患と関連する慢性疾患として位置づけています。※1

だからこそ、早めに相談することには意味があります。

まずは「自分の食欲タイプ」を知ることから始めましょう

今回の記事で一番お伝えしたいのは、ここです。

ダイエットが続かない時、最初にやるべきことは、自分を責めることではありません。自分の食欲タイプを知ることです。

食事量が多いのか、間食が多いのか、夜に食べるのか、ストレスで食べるのか。

そこが分かると、対策が変わります。

食事量が多い方に、間食対策だけをしても効果は出にくいです。夜型タイプの方に、朝だけ頑張る方法を勧めても続きません。ストレス食いタイプの方に「我慢しましょう」だけでは、かえってつらくなることがあります。

つまり、ダイエットは「誰にでも同じ正解」があるわけではありません。

あなたの生活、食欲、体調、健康診断の結果に合わせて考える必要があります。

まとめ:ダイエットが続かないのは、意志が弱いからとは限りません

最後に、この記事の内容をまとめます。

  • ダイエットが続かない原因は、意志の弱さだけではない
  • 食欲には、脳、ホルモン、睡眠、ストレス、生活リズムが関係する
  • 食欲の出方には、量が多いタイプ、間食タイプ、夜型タイプ、ストレス食いタイプがある
  • 肥満は医学的に治療の対象となることがある
  • 薬は魔法ではなく、医師の判断と生活改善の組み合わせが大切
  • 自己流で何度も失敗している方は、一度相談してよい

もしあなたが、何度もダイエットに挑戦してはリバウンドを繰り返しているなら、それは「あなたがだめだから」ではないかもしれません。

必要なのは、もっと厳しく自分を追い込むことではなく、体の仕組みを理解し、自分に合った方法を選ぶことです。

当院では、肥満治療を通じて、単に体重を減らすだけでなく、血糖値、脂肪肝、血圧、睡眠、膝や腰への負担など、将来の健康まで含めて一緒に考えていきます。

ダイエットを一人で抱え込まないでください

食欲が強い、何度もリバウンドする、健診で脂肪肝や血糖値を指摘された。そんな方は、自己流で頑張り続ける前に、一度医療機関で相談してみてください。

まずは肥満治療の内容を確認し、ご自身が相談対象になりそうかをチェックしてみましょう。

参考文献

  1. World Health Organization. WHO issues global guideline on the use of GLP-1 medicines in treating obesity. 2025.
  2. 日本肥満学会. 肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント. 2025年4月10日改訂.
  3. Tchang BG, et al. Pharmacologic Treatment of Overweight and Obesity in Adults. Endotext. 2024 update.
  4. Jastreboff AM, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. New England Journal of Medicine. 2022.
  5. Wilding JPH, et al. Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity. New England Journal of Medicine. 2021.

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断や治療方針を決定するものではありません。持病や内服薬、妊娠の可能性、過去の病歴によって治療の適応は異なります。治療をご希望の方は、医師の診察でご相談ください。

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医
  • 日本糖尿病学会正会員、日本睡眠学会所属、日本肥満学会所属

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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