皆さんこんにちは。
あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
今回のテーマは「太る食べ物10選と痩せる食べ物5選」についてです。
今回の内容は、単純に外見を良くするだけでなく、がんや脳卒中など様々な病気の予防という観点からもとても大切なことです。
ダイエットに興味がある方はすごく多いと思います。
僕自身も大学生の頃に受験のストレスで5kgぐらい太ってしまって、ダイエットに挑戦した結果失敗しました。
僕が行ったのは油抜きダイエットです。
もちろん100%抜いたわけではありません。
医学生の頃に
- 炭水化物1g=4kcal
- たんぱく質1g=4kcal
- 脂肪1g=9kcal
と習ったので、当時は単純に脂肪を抜けば痩せると思ってしまいました。
22年くらい前の話です。
今でこそ糖質制限とか低糖質ダイエットをやっている方が多いと思うんですけれども、
当時は油を抜こうということでやってしまったんですね。
そうしたら痩せはしたんですが、やる気がなくなったり、肌がガサガサしたり、アレルギーが出てきたり…。本当に体調が悪くなりました。
ある研究では低脂肪食と高脂肪食は、長期的に見たら体重は変わらないというデータも出ているくらいです。
今では脂肪を抜くっていうのはあまりよくない、むしろ脂肪の質が大事だというデータがあります。
気になる方はこちらの動画を見てみてください。
当時の僕に教えてあげたいくらい、ダイエットにも役立つ大事な内容です。
太る食べ物10選
2011年に「The New England Journal of Medicine」という一流の医学雑誌でこんな研究結果が発表されました。
▼太りやすい食べ物と体重の変化
【参加人数 12万877人】
参加者 アメリカの女性・男性
数十年の研究期間の中の4年間を対象期間とし、対象の食べ物を毎日1皿食べた場合に、太りやすかった食べ物
- 第1位 フライドポテト → 1.52kg ↑
- 第2位 ポテトチップス → 0.77kg ↑
- 第3位 加糖飲料 → 0.45kg ↑
- 第4位 赤肉 → 0.43kg ↑
- 第5位 加工肉 → 0.42kg ↑
- 第6位 ジャガイモ → 0.26kg ↑
- 第7位 お菓子・デザート → 0.19kg ↑
- 第8位 白い炭水化物 → 0.18kg ↑
- 第9位 揚げ物 → 0.16kg ↑
- 第10位 100%フルーツジュース → 0.14kg ↑
第10位の100%フルーツジュースは糖尿病の発症リスクにも影響するというデータが出ています。飲みすぎ要注意です。
第9位の揚げ物。例えばカツ丼のような揚げ物と炭水化物の組み合わせは、太るという観点では最強のコンビだと思います。
第8位は白い炭水化物。白米、パスタ、あとはうどんも入ります。
第7位のお菓子・デザート。ケーキやチョコレートなんかも入ってくるでしょう。
第6位はジャガイモ。こちらは茹でたり焼いたものです。
第5位はハム・ソーセージなどの加工肉。加工肉は大腸がんのリスクにも影響します。食べすぎ注意です。
第4位は赤い肉。豚や牛のことです。赤い肉も加工肉同様、食べ過ぎると大腸がんのリスクになると言われています。
大腸がんについて心配な方はぜひこちらの動画も参考にしてください。
第3位は加糖飲料。これは砂糖が入った炭酸飲料などのことです。代表的なのはコーラやサイダーですね。
飲むと血糖値が急激に上がり、肝臓で糖と脂肪酸がくっつくことで中性脂肪になり、皮下脂肪や内臓脂肪に蓄えられて、太っていきます。
第2位はポテトチップスです。肥満との関係が非常に大きいので、要注意です。
第1位はフライドポテトです。
じゃがいもで出来た食べ物がトップ10に3つ入りました。
じゃがいもは油で揚げた途端に体重増加作用が大きくなります。糖と脂というのは、太るという意味では最強のコンビです。ちなみに肝臓を痛めつける最強のコンビはお酒と甘いものです。
食事をする時に今お伝えしたことを知っているだけでも、これはちょっと減らそうとか、半分にしよう、週に2回にしておこうなど、少し節制する意識が出てくると思います。
生活習慣病もダイエットも、知っているか知らないかが大きな違いですので、これを参考にしていただければ嬉しいです。
痩せやすい食べ物5選
▼痩せやすい食べ物5選
- 野菜
- 茶色い炭水化物(玄米・蕎麦など)
- 加工していない果物
- ナッツ
- ヨーグルト
太りやすい食べ物にも、痩せやすい食べ物にも、炭水化物が入っています。
私も実践しているのですが、家のお米を5分づきにしたり、押し麦、もち麦、五穀米を入れるなど、毎日の食事を少しづつ工夫できると肥満予防の効果が期待できます。
そばアレルギーがない方でしたら、うどんよりも蕎麦。蕎麦でも少し注意が必要なのは、小麦粉が多く含まれている場合があるので、十割そばや二八蕎麦を選択するといいでしょう。
パンなら全粒粉やライ麦パンにするのがいいでしょう。
コンビニなどでパンを買うときに、栄養成分表を見てみてください。「全粒粉」と書いてあっても、実は小麦粉の割合が大きいということがあります。成分表示表の上にあればあるほど、食物全体の中で含まれる割合が多いということです。
それを確認しながら選ぶといいと思います。
気をつけていただきたいのは、今回お伝えした研究は「観察研究」といって、因果関係を証明したものではありません。
たとえば「フライドポテトを食べたら必ず太る」「ヨーグルトを食べれば食べるほど痩せる」という風に考えないでください。
ただ、そういった傾向がありますので、適度に食事に取り入れていただくというのが大切だと思います。
私自身、半年で6kg痩せました。まさに今回出てきた食べ物を食生活に取り入れたことで、このような結果が出ました。
今までの私だったら、診療で疲れて血糖値が下がってきたと思ったらフルーツジュースを飲んでいましたが、素焼きのアーモンドを食べるようになりました。
あとは午前中コーヒーを1杯飲むようにしたり、ごはんを白米でなく5分づきにしました。
ダイエットをする方に気をつけていただきたいのは、糖質制限が流行っていますが、やりすぎると1週間後くらいにやる気がなくなったり、イライラしたり、落ち込んだりして、続かずにリバウンドしてしまうことがあります。
糖質というのは3大栄養素の中でもすぐにエネルギーになり、脳や筋肉にとってはすぐに活用できる大事な栄養素です。
食事に野菜やナッツ、玄米などをうまく取り入れましょう。
血糖値を急激に上がらないようにして、しかも食物繊維があるので満腹中枢を刺激して、満腹感が維持されやすい。ダイエット効果につながってきます。
▼2011年「The New England Journal of Medicine」研究論文
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/nejmoa1014296
今回のまとめ
1:フライドポテトやポテトチップスなど、糖×脂は最強に太りやすいコンビ
2:炭水化物を白から茶色に変えるなど、痩せやすい食べ物を食事に取り入れよう
3:どんな食べ物も適度に取り入れよう
動画
「太る食べ物10選と痩せる食べ物5選」について、動画でも詳しく説明していますので、ぜひご覧ください!