そのいびき、家族に指摘されていませんか?長生村、茂原市で睡眠時無呼吸症候群の相談を
「朝起きると頭が重い」「昼間の眠気で仕事に集中できない」「家族から、いびきや息が止まっていると言われた」――こうしたサインが重なっているとき、もしかすると睡眠時無呼吸症候群(特に閉塞性睡眠時無呼吸:OSA)が隠れているかもしれません。
睡眠中に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、放っておくと生活の質(QOL)が大きく下がり、脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まります。
こんにちは。医療法人社団 緑晴会 あまが台ファミリークリニック院長の細田俊樹です。(家庭医療専門医、日本睡眠学会正会員、日本糖尿病学会正会員)

クリニックを開業して5年以上が経ちますが、現在では年間延べ1,500人以上の睡眠時無呼吸症候群の患者さんを治療しております。
今回は、睡眠時無呼吸症候群を予防するための5つの対策を、わかりやすくお伝えします。
目次
睡眠時無呼吸症候群とは? どんな状態になっているのか
睡眠時無呼吸症候群は、その名の通り眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう病気です。医学的には「睡眠時無呼吸障害群」と呼ばれ、そのうち最も多いタイプが閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)です。
OSAでは、寝ているあいだに
- あご(下顎)が下がる
- 舌のつけ根がノドの奥に落ちる
- 軟口蓋(ノドちんこのあたり)が垂れ下がる

- (向かって右側が、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の状態)
といった変化が起こり、空気の通り道(気道)が物理的に狭くなったり、完全にふさがったりします。その結果、10秒以上息が止まった状態(無呼吸)や、呼吸が弱くなる状態(低呼吸)が繰り返し起こります。
睡眠時無呼吸症候群の主な原因
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主なリスク因子として、次の4つが知られています。
- 肥満:最大の危険因子とされており、体重が増えると喉まわりの脂肪も増え、気道が狭くなります(※1)。
- 性別:男性の方が女性よりもリスクが高いとされています。
- 加齢:年齢とともに気道を支える筋力が弱まり、無呼吸を起こしやすくなります。
- 顔の形:特に舌が大きかったり、下あごが小さかったりすると気道が狭くなりやすく、無呼吸の原因になります(※2)。
舌の大きさや喉の見え方でリスクがわかる?

「口を大きく開けて、舌を出したときにどのくらい喉が見えるか」という「マラパチ分類」という分類があります。
クラス2:軟口蓋、口蓋垂の大部分、口峡が見える
クラス3:軟口蓋、口蓋垂の基部(根元)のみ見える
クラス4:舌を出してものどが全く見えない
クラス4のような人は、舌が大きく、もともと喉のスペースが狭いので、睡眠中に喉がふさがれやすく、SASのリスクが高いとされています(※3)。
睡眠時無呼吸症候群を予防する5つの方法
1. 減量する
肥満はSASの最大の原因です。とにかく体重を増やさない、太っている方は減量することが一番の予防策です(※1)。
2. 横向きで寝る
仰向けで寝ると、舌が喉に落ちて気道をふさいでしまいます。横向きに寝ることで、舌が横に逃げて喉がふさがりにくくなります(※4)。
3. 飲酒を控える
お酒を飲むと筋肉がゆるんで喉が詰まりやすくなります。特に寝る前の飲酒は控えましょう。
4. 睡眠薬の使用に注意
一部の睡眠薬は筋肉をゆるめてしまうため、無呼吸を悪化させる可能性があります。睡眠薬を使っている方は主治医に相談してください(※5)。
5. 禁煙する
タバコは喉を荒らし、むくみを引き起こすため、気道が狭くなります。禁煙も重要な予防対策です(※6)。
予防だけでは不十分なことも
生活習慣を見直すことである程度は予防できますが、それだけでは十分でない場合もあります。
* 日中の強い眠気がある
* 家族から「寝ているときに呼吸が止まっている」と指摘される
このような場合は、自己判断せずに早めに検査を受け、必要があれば治療を受けることが大切です。
睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅で実施できますし、オンライン診療も使えるので便利です。
▼一度検査をしてみたい、いびきの原因について知り方は気軽にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群の診断方法や治療方法とそれぞれのメリット、デメリットをくわしく解説しています。
まとめ
- 肥満、加齢、顔の形がSASのリスクになります
- 体重管理や横向き寝、禁煙・節酒が効果的です
- 睡眠薬を使っている方は医師に相談を
- 対策しても症状が続く場合は、検査と治療を
当院では、睡眠時無呼吸症候群に関する検査や治療の相談も受け付けております。
YouTubeでも睡眠時無呼吸症候群やCPAP治療について解説しています
参考文献
1. Young, T., et al. (2002). The occurrence of sleep-disordered breathing among middle-aged adults. *New England Journal of Medicine*, 328(17), 1230–1235.
2. Sutherland, K., et al. (2019). Facial morphology and its relationship to obstructive sleep apnea. *Sleep Medicine Reviews*, 45, 1–14.
3. Samsoon, G.L.T., & Young, J.R.B. (1987). Difficult tracheal intubation: a retrospective study. *Anaesthesia*, 42(5), 487–490.
4. Oksenberg, A., et al. (2000). Positional therapy for obstructive sleep apnea patients: a 6-month follow-up study. *Laryngoscope*, 110(3), 636–642.
5. Berry, R. B., et al. (2015). AASM Manual for the Scoring of Sleep and Associated Events. *American Academy of Sleep Medicine*.
6. Larsson, L.G., et al. (2001). Tobacco smoking and sleep disturbances. *Archives of Internal Medicine*, 161(3), 497–501.
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