ダイエットしてもリバウンドする方へ|ウゴービ・ゼップバウンドによる肥満治療とは
「食事制限を頑張っても、途中で我慢できなくなる」
「体重が増えてきて、血糖値や血圧、脂質異常も気になってきた」
このようなお悩みはありませんか?
ダイエットが続かないと、「自分の意志が弱いからだ」と感じてしまう方が少なくありません。
しかし、医学的に見ると、体重が落ちにくいことやリバウンドを繰り返すことは、単なる根性論だけでは説明できません。
食欲、ホルモン、代謝、生活環境、睡眠、ストレスなどが複雑に関係しています。
この記事では、ダイエットしてもリバウンドを繰り返す方に向けて、ウゴービやゼップバウンドなどの薬を使った肥満治療について、医師の立場からわかりやすく解説します。
ダイエットしてもリバウンドする方へ|ウゴービ・ゼップバウンドによる肥満治療とは|千葉市・茂原市からも通院可能
皆さん、こんにちは。
あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

私はプライマリ・ケア、総合診療を専門に、医師として25年目になります。
日本肥満学会に所属し、当院では月間50人以上の方の肥満治療に関わっています。
また、生活習慣病の診療にも力を入れており、糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群など、体重と深く関係する病気を日々診療しています。
この記事は、次のような方に向けて書いています。
- 何度もダイエットしているのに、リバウンドを繰り返している
- 食事制限を頑張っても、途中で強い空腹感に負けてしまう
- 健康診断で血糖値、血圧、脂質、脂肪肝を指摘された
- ウゴービやゼップバウンドに興味があるが、副作用や費用が心配
- 一人で頑張るダイエットではなく、医師や管理栄養士に相談しながら進めたい
当院でしたら、上記の疑問、悩みが解決できるかもしれません。
目次
結論:リバウンドを繰り返す方は「意志の問題」ではなく、医学的に支える治療が必要な場合があります
最初に結論からお伝えします。
ダイエットしてもリバウンドを繰り返す方は、単に意志が弱いのではありません。
体は体重が減ると、元の体重に戻そうとする方向に働きます。
空腹感が強くなったり、消費エネルギーが下がったりするため、減量後の体重維持はとても難しいのです。

実際、セマグルチドを用いた臨床試験の延長研究では、治療を中止した後に体重が再び増え、減量効果の一部が失われることが報告されています。
これは、肥満症が「一度痩せたら終わり」の病気ではなく、長期的に管理する必要がある病態であることを示しています。※1
読者の方の中には、「薬を使って痩せるなんて、少し抵抗がある」と感じる方もいると思います。
その感覚は自然です。
私も、すべての方に最初から薬をすすめるわけではありません。
大切なのは、薬だけに頼ることではなく、食事、運動、睡眠、生活習慣の見直しと組み合わせて、体重を無理なく管理していくことです。

ただし、これまで何度もリバウンドを繰り返している方や、すでに血糖値、血圧、脂質、脂肪肝などに影響が出ている方では、医学的なサポートを受ける価値があります。
なぜダイエットはリバウンドしやすいのか
リバウンドが起こる大きな理由は、体が「体重を守ろう」とするからです。
人間の体は、急に体重が減ると、飢餓状態に近い変化として受け取ることがあります。
その結果、食欲が増えたり、少ないエネルギーで体を動かそうとしたりします。
たとえば、体重を落とすために極端な食事制限をすると、最初は体重が減ります。
しかし、強い空腹感、疲れやすさ、イライラ、甘いものへの欲求が強くなり、ある時点で食事が乱れやすくなります。

これを「自分がだらしない」と受け止めてしまう方が多いのですが、実際には体の防御反応も関係しています。
もちろん、生活習慣の見直しは重要です。
ですが、リバウンドを繰り返す方に必要なのは、精神論ではなく、体の仕組みに合わせた現実的な治療設計です。
肥満症とは、単に体重が多いだけの状態ではありません
日本肥満学会の考え方では、肥満症は「肥満に関連する健康障害がある、または内臓脂肪の蓄積があり、医学的に減量を必要とする状態」と考えられています。
肥満に関連する健康障害には、2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、変形性膝関節症などがあります。※2
つまり、見た目を変えるためだけのダイエットと、健康を守るための肥満治療は、目的が違います。
「まだ病気ではないから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。
そのお気持ちはよくわかります。症状がないと、体重の問題は後回しになりがちです。
しかし、肥満は血糖値、血圧、脂質、肝臓、睡眠、関節などに少しずつ負担をかけることがあります。

健康診断で少しずつ数値が悪くなっている方は、早めに体重管理に取り組むことで、将来の糖尿病や高血圧、脂肪肝の進行を防げる可能性があります。
ウゴービとはどのような薬か

ウゴービは、セマグルチドという成分を含む肥満症治療薬です。
GLP-1受容体作動薬という種類の薬で、食欲や満腹感に関わる仕組みに作用します。
セマグルチド2.4mgを用いた臨床試験では、生活習慣への介入と組み合わせることで、体重減少効果が示されています。※3
ただし、ウゴービは「誰でも美容目的で使う薬」ではありません。
日本では肥満症治療薬として承認されており、適応や安全性を医師が確認したうえで使用を検討する薬です。※4
読者の方の中には、「GLP-1ダイエットという言葉を聞いたことがあるけれど、危なくないの?」と心配される方もいると思います。
その心配はとても大切です。
薬には効果だけでなく、副作用や注意点があります。
吐き気、便秘、下痢、胃もたれなどの消化器症状が出ることもありますし、持病や内服薬によっては慎重な判断が必要です。
だからこそ、自己判断で始めるのではなく、医師の診察を受けたうえで、自分に合う治療かどうかを確認することが重要です。
ゼップバウンドとはどのような薬か

ゼップバウンドは、チルゼパチドという成分を含む肥満症治療薬です。
GIP/GLP-1受容体作動薬と呼ばれ、食欲や体重管理に関わる複数の経路に作用します。
チルゼパチドを用いたSURMOUNT-1試験では、肥満または過体重の方に対して、72週間の治療で有意な体重減少が報告されています。※5
また、SURMOUNT-4試験では、チルゼパチドによって体重を減らした後、治療を継続した群では体重維持がしやすく、中止した群では体重が再び増えやすいことが示されました。※6
この結果からわかる大切な点は、「薬で体重が減ったら終わり」ではないということです。
「一生薬を続けないといけないのですか?」と不安に感じる方もいると思います。
その不安は当然です。
治療期間ややめ方は、体重、血糖値、血圧、生活習慣、費用、本人の希望を踏まえて個別に考えます。
大切なのは、急にやめる、自己判断で中断する、体重が落ちたから生活習慣を戻す、という形を避けることです。
当院では、体重を落とす段階だけでなく、落とした体重をどう維持するかまで考えて治療を設計します。
ウゴービとゼップバウンドの違い
ウゴービとゼップバウンドは、どちらも肥満症治療に使われる注射薬ですが、成分と作用の仕組みが異なります。
- ウゴービ:セマグルチドを成分とするGLP-1受容体作動薬
- ゼップバウンド:チルゼパチドを成分とするGIP/GLP-1受容体作動薬
どちらが良いかは、単純に「強い薬を選べばよい」という話ではありません。
体重、年齢、持病、内服薬、血糖値、胃腸症状の出やすさ、費用、通院のしやすさ、生活背景によって、向いている治療は変わります。

「ネットで見ると、ゼップバウンドの方が効果が強そうだから、それを使いたい」と思う方もいるかもしれません。
リバウンドを繰り返している方へ
「また失敗したらどうしよう」と感じている方ほど、自己流で頑張り続けるより、医師と相談しながら体重管理を始める価値があります。肥満治療は、意志の弱さを責める治療ではなく、体の仕組みに合わせて無理なく続けるための治療です。
薬だけで痩せるのではなく、食事・運動・睡眠を整えることが大切です
ウゴービやゼップバウンドは、体重管理を助ける可能性がある薬です。
しかし、薬を使えば何を食べても大丈夫という意味ではありません。
むしろ、薬で食欲が落ちている時期は、食事内容を見直す良いタイミングです。
たとえば、体重を落とすために食事量だけを減らすと、たんぱく質が不足したり、筋肉量が落ちたりすることがあります。
筋肉量が落ちると、将来的に体重維持が難しくなることがあります。
「食事指導を受けると、厳しく怒られそう」と感じる方もいるかもしれません。
ご安心ください。
食事指導は、完璧な食生活を押し付けるものではありません。
普段の食事を一緒に振り返りながら、「まず何を変えると続けやすいか」を考えていくものです。
たとえば、いきなり糖質をゼロにするのではなく、飲み物、間食、夕食の量、外食の選び方、たんぱく質のとり方など、続けやすいところから整えていきます。

肥満治療で大切なのは「体重を落とすこと」だけではありません
肥満治療のゴールは、単に体重計の数字を下げることだけではありません。
大切なのは、将来の病気を防ぐこと、健康診断の数値を改善すること、疲れにくい体をつくること、膝や腰への負担を減らすこと、睡眠の質を改善することです。
体重が5%から10%減るだけでも、血糖値、血圧、脂質、脂肪肝などに良い影響が期待できる場合があります。
肥満症診療では、体重そのものだけでなく、肥満に関連する健康障害を改善することが重要です。※2
「でも、標準体重まで落とさないと意味がないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
そのように感じる必要はありません。
最初から大きな目標を立てすぎると、挫折しやすくなります。
まずは現在の体重から3%、5%、10%と段階的に考えることが現実的です。
治療は、完璧を目指すものではありません。昨日より少しよい選択を増やし、長く続けられる形に整えることが大切です。
薬をやめたらリバウンドしますか?
これは、肥満治療の診察でとても多い質問です。
結論から言うと、薬を中止した後に体重が戻る可能性はあります。
セマグルチドのSTEP 1延長試験では、治療中止後に減量した体重の一部が戻ることが報告されています。※1
また、チルゼパチドのSURMOUNT-4試験でも、治療を継続した群では体重減少が維持されやすく、中止した群では体重が再び増えやすいことが示されています。※6
ただし、これは「薬をやめたら必ず全部戻る」という意味ではありません。
「結局、薬を使ってもまた太るなら意味がないのでは?」と思う方もいると思います。
その気持ちはよくわかります。
ただ、肥満治療の目的は、短期間だけ体重を落とすことではありません。
治療中に体重が落ちることで、膝や腰の負担が減ったり、血糖値や血圧を見直すきっかけになったり、生活習慣を変える余裕が生まれることがあります。

薬は、体重管理の「きっかけ」や「支え」になります。
しかし、最終的には、薬を使っている間にどれだけ生活の土台を整えられるかが重要です。
副作用や注意点について
ウゴービやゼップバウンドでは、吐き気、便秘、下痢、胃もたれ、食欲低下などの消化器症状が出ることがあります。
多くは用量調整や経過観察で対応できることもありますが、症状が強い場合は医師に相談が必要です。
また、持病や内服薬の内容によっては、使用に注意が必要な場合があります。
糖尿病治療薬を使っている方、膵炎や胆石の既往がある方、重い胃腸症状がある方、妊娠中または妊娠を希望している方などは、必ず診察時にご相談ください。
ゼップバウンドは肥満症治療薬であり、美容や単なる痩身目的で使用する薬ではありません。
使用にあたっては、医師が適応や安全性を確認する必要があります。※7
「副作用が怖いので、やっぱりやめた方がいいですか?」と感じる方もいるでしょう。
副作用を心配することは、とても健全です。
大切なのは、怖いから何もしない、あるいはネット情報だけで自己判断するのではなく、自分の体に合う治療かどうかを医師と確認することです。
当院の肥満治療で大切にしていること

あまが台ファミリークリニックでは、肥満治療を「体重を落とすだけの治療」とは考えていません。
体重、血糖値、血圧、脂質、肝機能、睡眠、食事内容、生活背景を確認しながら、その方に合った治療方針を一緒に考えます。
当院で大切にしているのは、次の3つです。
- 薬を使うかどうかを含めて、医師が安全性を確認すること
- 管理栄養士と連携し、続けやすい食事改善を行うこと
- 体重を落とした後のリバウンド予防まで考えること
肥満治療は、一人で頑張るほどつらくなりやすい治療です。
だからこそ、医療者と一緒に、現実的に続けられる方法を探していくことが大切です。
千葉市・茂原市からも通院可能です
当院は、千葉県長生郡にあるクリニックですが、茂原市、千葉市、市原市など周辺地域からもご相談いただいています。
肥満治療は、短期間で終わるものではなく、定期的な診察と経過確認が大切です。そのため、通いやすさや相談しやすさも治療継続の重要なポイントになります。
「近くに相談できる医療機関がない」「薬のことだけでなく、食事やリバウンドの不安も相談したい」という方は、一度当院の肥満治療ページをご覧ください。
まとめ
ダイエットしてもリバウンドを繰り返す方は、意志が弱いのではありません。
体重が減ると、体は元の体重に戻ろうとする方向に働きます。そのため、強い空腹感や代謝の変化が起こり、減量後の体重維持が難しくなることがあります。
ウゴービやゼップバウンドなどの肥満症治療薬は、医師の管理のもとで使用することで、体重管理を支える選択肢になります。
ただし、薬だけで解決するのではなく、食事、運動、睡眠、生活習慣の見直しと組み合わせることが大切です。
何度もリバウンドを繰り返している方、健康診断の数値が気になってきた方、自己流のダイエットに限界を感じている方は、一人で悩まずご相談ください。

リバウンドを繰り返すダイエットから、医師と進める肥満治療へ
「また失敗するかも」と不安な方こそ、まずは治療内容を知ることから始めてみませんか。ウゴービ・ゼップバウンドの違い、費用、治療の流れをわかりやすくまとめています。
千葉市・茂原市方面からもご相談いただいています。治療の適応は診察で医師が確認します。
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参考文献
- ※1 Wilding JPH, et al. Weight regain and cardiometabolic effects after withdrawal of semaglutide: The STEP 1 trial extension. Diabetes, Obesity and Metabolism. 2022. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35441470/
- ※2 日本肥満学会. 肥満症診療ガイドライン2022. https://www.jasso.or.jp/contents/magazine/journal.html
- ※3 PMDA. ウゴービ皮下注 申請資料概要. https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20230303002/620023000_30500AMX00105_D100_1.pdf
- ※4 PMDA. ウゴービ皮下注 医療用医薬品情報. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2499418G5023_1?user=1
- ※5 Jastreboff AM, et al. Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity. New England Journal of Medicine. 2022. https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2206038
- ※6 Aronne LJ, et al. Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2024. https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2812936
- ※7 PMDA. ゼップバウンド皮下注 医療用医薬品情報. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2499422G7022_1?user=1



