「夏になったら血圧が下がってきた。薬、減らしてもいいのかな?」「ふらつくけど、これって血圧が下がりすぎているの?」そんな疑問、抱えていませんか?
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あまが台ファミリークリニック 院長 細田 俊樹
家庭医療専門医・医師歴25年|地域医療の最前線で年間15,000人以上を診察
皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。毎年夏になると、「血圧が下がってきたので薬をやめました」「薬の量を自分で減らしました」という患者さんが増えます。気持ちはよくわかります。でも、これは実は非常に危険な行為なのです。今日は「夏に血圧が下がる理由」と「正しい対処法」について、丁寧にお伝えしたいと思います。 |
夏に血圧が下がるのは本当のこと──でも「安心」は早計です
まず大前提として、夏に血圧が下がること自体は医学的に正しいことです。血圧は季節によって変動し、6〜7月ごろが年間で最も低く、12〜1月が最も高くなることが知られています。日本の大規模な家庭血圧研究(HOMED-BP試験)では、夏と冬で収縮期血圧(上の血圧)に約6〜7mmHgの差があることがわかっています。※1
では、なぜ夏に血圧が下がるのでしょうか。大きく2つの理由があります。
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夏に血圧が下がる2つのメカニズム
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血圧が下がると「高血圧の自分にとって良いことでは?」と感じるかもしれません。しかし、ここに重大な落とし穴があります。
「下がっているから大丈夫」が危ない──2つの落とし穴
落とし穴1:降圧薬と夏の「ダブルパンチ」で血圧が下がりすぎる
降圧薬を服用している方は特に注意が必要です。薬によって血圧を下げる効果に、夏の自然な血圧低下が重なることで、血圧が下がりすぎてしまうことがあります。
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冬の血圧(例)
138/82
mmHg
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夏の血圧(同じ薬)
105/64
下がりすぎの状態
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薬の種類によっても夏のリスクは異なります。
- 利尿薬:夏の発汗による脱水に加え、薬の利尿作用でさらに体液が失われ、血圧が急激に下がることがあります。
- ACE阻害薬・ARB:脱水が強いと急激な血圧低下や、腎臓への負担が増えるリスクがあります。
- カルシウム拮抗薬:気温による血管拡張と薬の作用が重なり、ふらつきやむくみが出やすくなることがあります。
落とし穴2:脱水で血液がドロドロになり、夏の脳梗塞・心筋梗塞リスクが上がる
もうひとつ見落とされがちな危険があります。脱水状態になると、血液の水分量が減少し、血液が粘り気を帯びてドロドロになります。この状態では血液の塊(血栓)ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こすリスクが高まります。※2
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よく誤解されること:「汗をかいたから塩分を補給しよう」
汗に含まれる塩分の量は、実はそれほど多くありません。通常の食事がとれていれば、日常生活の範囲での汗による塩分補給は不要な場合がほとんどです。高血圧の方が「汗をかいたから」と意識的に塩分を多く摂ることは逆効果になります。大量発汗時(運動・長時間の外出など)は、経口補水液を適量活用しましょう。 |
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「夏の血圧、このままで大丈夫?」と感じたら早めのご相談を
薬の量が合っているか、脱水が起きていないか──セルフチェックには限界があります。 当院の高血圧専門ページを見る |
「下がりすぎ」のサインを見逃さないで──こんな症状があったら要注意
血圧が下がりすぎているとき、体はさまざまなサインを出しています。特に降圧薬を服用している方は、以下の症状が出た場合は要注意です。
| ふらつき・立ちくらみ 急に立ち上がったときにクラッとする。トイレに起きた夜中に倒れるケースも。 |
なんとなくだるい 夏バテと区別がつきにくいですが、血圧低下のサインであることがあります。 |
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| 頭がぼんやりする 脳への血流が一時的に減ることで起こります。 |
急に冷や汗が出る 血圧が急下降すると交感神経が反応し、冷や汗として現れます。 |
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| 口の渇き・尿量の減少 脱水のサインです。血圧も下がりやすい状態になっています。 |
食欲がない・食事量が減っている 夏バテで食事が減ると、薬の影響がより強く出ることがあります。 |
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このような症状が続く場合はすぐにご相談ください
「なんとなく調子が悪い」という感覚を夏バテだと思って放置していると、転倒・骨折や、血液ドロドロによる脳梗塞・心筋梗塞につながる可能性があります。特に高齢の方は脱水を自覚しにくいため、症状が軽くても早めにご相談ください。 |
よくある疑問に答えます
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Q. 血圧が下がってきたから薬を自分で減らした。ダメでしたか?
その気持ちはよくわかります。血圧が低くなったのに同じ量を飲み続けるのは不安ですよね。でも、自己判断での減薬・中止は非常に危険です。夏の血圧低下はあくまで「季節的なもの」であり、高血圧そのものが治ったわけではありません。秋になって気温が下がると血圧はまた上昇します。薬を中断していた間に血圧が急上昇し、脳卒中を起こすリスクがあります。「下がっているな」と感じたら、まずかかりつけ医に相談してください。医師が必要と判断した場合は、一時的な減量や服用タイミングの調整を行います。 |
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Q. 水分はどのくらい飲めばいいですか?
成人の場合、1日1.5〜2リットルを目安に、のどが渇く前にこまめに補給することが基本です。ただし、心不全や腎臓病がある方は水分制限が必要な場合もあるため、必ずかかりつけ医に確認してください。飲み物は水・麦茶・経口補水液がおすすめです。スポーツドリンクは糖分や塩分が多いものもあるので、成分を確認して選びましょう。 |
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Q. 家で血圧を測っているけど、毎日バラバラ。いつ測ればいいの?
日本高血圧学会が推奨する測り方は「朝起きて1時間以内(排尿後・朝食前・服薬前)」と「就寝前」の2回です。1回の測定で2度はかり、両方を記録してください。夏は血圧が変動しやすいので、連続したデータを受診時にお持ちいただくと、薬の調整がスムーズにできます。スマートフォンの血圧管理アプリや、血圧手帳への記録をおすすめしています。 |
夏の血圧管理──当院が勧める正しい対処法まとめ
| 1 | 薬は自己判断でやめない・減らさない 「血圧が低めだから」という理由での自己中断はNGです。必ず医師に相談して、必要なら一時的な減量・調整を行いましょう。 |
| 2 | 家庭血圧を毎日記録し、受診時に持参する 朝・夜の2回測定を継続してください。季節ごとの変化を一緒に確認することで、最適な薬の調整ができます。 |
| 3 | 水分補給をこまめに行う 1日1.5〜2リットルを目安に。のどが渇く前に、少量ずつ補給する習慣をつけてください。 |
| 4 | 室内の温度管理を徹底する 室温28度以下を目安にエアコンを使用してください。「もったいない」は禁物。熱中症や脱水は血圧を不安定にします。 |
| 5 | 食事が減っているときは特に注意 夏バテで食欲が落ちると、薬の効果が強く出やすくなります。食事量が減ったと感じたらご相談ください。 |
| 6 | ふらつき・だるさが続くなら早めに受診 「夏バテかな」と様子を見てしまいがちですが、血圧低下のサインである可能性があります。症状が2〜3日続く場合は迷わずご連絡ください。 |
当院でできること──季節に合わせた血圧管理を一緒に
あまが台ファミリークリニックでは、「血圧の薬を出すだけ」のクリニックではなく、患者さん一人ひとりの生活背景・季節の変化・体の状態を総合的に診て、最適な治療計画を一緒に考えます。
- 家庭血圧の記録をもとにした、季節ごとの薬の用量・タイミング調整
- 脱水・夏バテ・食欲低下なども含めた全身状態のチェック
- 頸動脈エコー・心臓エコー・心電図など院内での精密検査
- 国家資格を持つ管理栄養士による夏の食事・水分摂取のアドバイス
- 糖尿病・睡眠時無呼吸症候群など、高血圧と関連する病気の同時管理
「薬を飲んでいるから大丈夫」ではなく、「正しく管理できているから安心」という状態を目指しましょう。そのためのパートナーとして、ぜひ当院をご活用ください。
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「夏の血圧、ちゃんと管理できているか不安」
そう感じたら、まずはご相談ください ご相談だけでも大歓迎です。「血圧手帳を持っていきたい」「薬の量を確認したい」など、お気軽にお声がけください。長生村・茂原市・東金市・一宮町からも通院いただけます。 当院の高血圧専門ページを見る |
※1 Asayama K, et al. HOMED-BP Study Group. Seasonal variation in home blood pressure measurements. J Hypertens. 2009.
※2 日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会(編). 高血圧治療ガイドライン2019. ライフサイエンス出版; 2019.
※3 厚生労働省. 熱中症予防のための情報・資料サイト. 2023.



