帯状疱疹の治療と予防について

帯状疱疹の治療と予防について

帯状疱疹の症状 原因 治療 予防【医師解説】

✔帯状疱疹になったらどんな治療をしたら早く治るの?

✔帯状疱疹の治療について教えてください.

✔帯状疱疹の合併症で、帯状疱疹後神経痛が長引いて辛いと聞いてるけど、予防するにはどうしたらいいの?

あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

こちらのページでは、帯状疱疹とその治療と予防方法について解説しています。興味ある方はご覧ください。

帯状疱疹とは?(80歳までに3人に一人が発症)

体の片側の一部にピリピリした痛みが出現して、その部分に赤い発疹ができます。痛みは徐々に悪化する場合もあり、睡眠にも影響がでることもあります。

症状の多くは、上半身にあらわれますが、顔や目、頭などにも出現することもあります

多くの場合は、加齢や、疲れ、ストレスなどがきっかけで免疫力が低下したことで発症します。

特に50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。

 

帯状疱疹の原因はなんですか?

原因ウィルスは、多くの人が子供の時に感染する「みずぼうそう(水痘)」のウィルスです。

「みずぼうそう(水痘)」が治ったあとも、ウィルスは体内の神経節(下記の赤い→の部分)に潜伏していて、過労やストレス等で免疫力が低下するとウィルスが再び活性化して帯状疱疹を発症します。

ウィルスは体内に潜伏していて、過労やストレスなどで免疫力が低下するとウィルスが再び活性化して帯状疱疹を発症します。

発症すると皮膚の症状だけでなく神経に炎症を起こすことで痛みが現れることがあります。

神経の損傷がひどいと皮膚の症状が治った後も痛みが続くことがあります。これを帯状疱疹後神経痛と呼びます。

帯状疱疹の合併症はなんですか?

年齢や、患者さんの免疫状態によって、経過は異なりますが一般的に発症しても1ヵ月以内に90%の方が治癒しますが、残り10%の方が帯状疱疹後神経痛といって、皮膚がズキズキしたり、チクチクした慢性的な痛みに悩まされるのが問題です。

特に高齢者ではリスクが高く、帯状疱疹後神経痛を防ぐためにも帯状疱疹の予防が大切です。

その他の合併症についても教えて下さい。

帯状疱疹は頭や顔面に出現することもあり、目や耳の神経が障害されると、めまいや耳鳴りといった合併症が見られる場合もあります。

重症化すると視力低下や失明、顔面神経麻痺など重い後遺症が残るリスクがありますので早めの皮膚科受診をお勧めします。

 

帯状疱疹の治療について教えて下さい

抗ウィルス薬による治療行います。発症早期に治療を開始するほど、効果が期待できます。発疹の部位には感染予防のために抗生剤入りの外用剤を塗布します。

チクチクした痛みについては痛み止めの処方をさせていただいています。

痛みや発疹の程度によりますが数日後に、薬の効果を確認します。

帯状疱疹を予防する方法について教えてください。

日ごろからストレスや疲れを溜め込まないようにして、免疫力が低下しないようにすることが大切です。

そのためには、バランスの良い食事、適度な運動、趣味や楽しむメリハリのある生活が大切だと考えます。

また、帯状疱疹を予防するために使用できる50歳以上が対象の予防ワクチンがあります。

それがシングリックスです。

何回接種する必要がありますか?

2回受ける必要があります。

※1回目と2回目の間隔は2ヶ月あける必要があります。

2回目は、遅くても6ヶ月後までに接種してください。

シングリックスの予防効果について教えて下さい

帯状疱疹に対する予防効果は50歳以上で97%、70歳以上で90%と言う結果が出ています。

帯状疱疹ワクチン(シングリックス)の副作用について教えてください。

接種した多くの方に注射部位の痛みや腫れが現れますが、これは体内で強い免疫を作ろうとする仕組みが働くためと考えられています。

シングリックス接種後7日間に起こった主な副反応としては、

注射部位の痛み78% 赤み38% 腫れ26%でした。

注射部位以外ですと、筋肉痛40%、疲労39%、頭痛33%、悪寒24%、発熱18%、胃腸症状13% でした。

副反応の多くは3日以内でおさまりますが、気になる症状があれば医師にご相談ください。

帯状疱疹にすでに罹患した場合も、シングリックスワクチンを接種することは可能でしょうか?

はい、可能です。1度かかった患者さんでも、体の免疫力が下がると、再びかかる可能性がありますので、帯状疱疹の予防がとても大切です。

予防接種を受けることができない状況を教えてください。

①明らかに発熱(37.5度以上)している方
②重い急性疾患にかかっていることが明らかな方
③過去にこのワクチンの成分によって※アナフィラキシーを起こしたことがある方
④その他医師が予防接種を受けることが不適当と判断した方

※アナフィラキシーショックとは通常接触30分以内に出現する呼吸困難や全身性の蕁麻疹を伴う重いアレルギー反応のことを指します。

もしもワクチンによって健康被害が生じた場合の対応はどうしたらいいですか?

シングリックスの接種により健康被害が発生した場合は、医薬品副作用被害救済制度により、治療費等が支給される場合があります。詳しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページなどをご覧ください。

帯状疱疹は、他人に感染する事はあるのでしょうか?

帯状疱疹は体内に潜伏しているウィルスが原因で発症するため、他の人から帯状疱疹として感染する事はないと考えられています。

ただし、まだみずぼうそう(水痘)にかかったことがない人は、帯状疱疹の患者さんから伝染してみずぼうそう(水痘)として発症することがあります。

 

当院では乳幼児で水痘のワクチン未接種の方がいる場合は、帯状疱疹の患者さんを院内で隔離しています。

帯状疱疹ワクチンは、2つあると聞いていますが、違いはなんでしょうか?

シングリックスと言う予防効果の高いワクチンが利用できるようになるまでは、みずぼうそう(水痘)のワクチンを代替していました。

水痘のワクチンは、シングリックスよりも予防効果が60%から70%と低いこと、シングリックスよりも1本あたりのワクチンの価格(7400円)が安いこと、1回接種であることが違いとして挙げられます。

シングリックスワクチンの価格について教えてください。

当院では1階あたり税込みで22,000円となっています。

シングリックス接種後の注意点

①接種後30分程度は接種した施設で安静にしていましょう。

②接種当日は激しい運動を避け、注射部位を清潔に保ってください。接種当日の入浴は差し支えありません。

③注射部位の異常な反応や体調の変化を感じた場合は、すぐに医師の診察を受けてください。

④シングリックスの接種により健康被害が発生した場合は、医薬品副作用被害救済制度により、治療費等が支給される場合があります。詳しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構のホームページなどをご覧ください。

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