
「CPAPを続けたいけれど、苦しくて眠れない」

「朝起きると、いつの間にかマスクを外している」
そんなことで悩んでいませんか?
必要な治療だと分かっているからこそ、使えない自分を責めたり、診察で「大丈夫です」と答えたりしてしまう方もいるかもしれません。
CPAPの使いづらさは、それ自体が大切な相談内容です。マスクや加湿、圧の設定などを確認し、自分に合う使い方を探していきましょう。(※1・※2)
皆さん、こんにちは。
あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
医師歴25年の家庭医療専門医で、日本睡眠学会に所属し、睡眠時無呼吸症候群の患者さんを年間延べ1,500名診察しています。
今回は、CPAPが苦しいときに確認したい5つのことと、診察での伝え方をお話しします。

CPAPが苦しいときに、相談したい5つのこと
原因を自分で特定する必要はありません。次のうち、近いものを一つ選ぶだけでも相談のきっかけになります。
- 空気の圧がつらい・息を吐きにくい
- マスクがずれる・空気が漏れる・顔が痛い
- 鼻がつまる・口やのどが乾く
- 夜中に無意識にマスクを外してしまう
- 使っているのに眠気や疲れが残る
1.空気の圧がつらい・息を吐きにくい
まず伝えてほしいのは、「いつ、どんなふうに苦しいか」です。
装着直後なのか、夜中に目が覚めたときなのか。
空気が強く感じるのか、吐くときにつらいのかで、確認するポイントが変わります。

機種によっては、入眠時に圧を徐々に上げる「ランプ機能」や、息を吐くときの圧を和らげる機能があります。診療では、治療効果と使いやすさの両方を見ながら設定を検討します。(※2)
診察では、こう伝えてみてください
「つけてすぐ、息を吐くときに苦しくなります。寝つくまでの設定を確認してもらえますか?」
「圧を下げれば楽になるのでは?」と思いますよね。
ただ、必要な治療効果も確保する必要があります。治療圧は自己判断で変更せず、担当医に相談しましょう。おなかの張りや痛みが出る場合も、我慢せず早めに伝えてください。(※3)
2.マスクがずれる・空気が漏れる・顔が痛い
「横向きになると漏れる」「鼻の付け根が痛い」「目のほうに風が当たる」。こうした具体的な困りごとは、マスクを見直す手がかりになります。
漏れるからとベルトを強く締め続ける前に、装着位置、サイズ、マスクの種類、ホースの引っ張りを確認します。顔に合うマスクを探すことは、治療を続けるうえで大切です。(※2・※3)
診察では、こう伝えてみてください
「仰向けでは大丈夫ですが、横向きになると目の近くから漏れます。締めると鼻が痛くなります」
「一度選んだマスクを変えてもよいのでしょうか?」という遠慮はいりません。
実際に使って分かったことを伝え、変更が必要か一緒に考えましょう。受診時にマスクの持参や装着写真が役立つか、事前に確認しておくとスムーズです。
実はマスクもいろんな種類があります。こちらはレスメド社からの引用ですが、こんなにもたくさんの種類がありますので、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。
実際に当院では、マスクを合わせていただきながら選ぶことができます。

上記はレスメド社のホームページより引用させていただきました。
https://www.resmed.jp/professional/therapy-masks/
3.鼻がつまる・口やのどが乾く
乾燥や鼻づまりは、CPAPで起こり得る症状です。加湿の使い方やマスクの状態を確認し、鼻炎などの治療が必要かを考えます。(※2・※3)
「加湿を上げたのに改善しない」「ホースに水がたまる」という場合も、そのままお伝えください。加湿量だけでなく、機種に応じて加温ホースなどの選択肢も検討できます。(※2)
診察では、こう伝えてみてください
「夜中に口が乾いて目が覚めます。加湿を上げても続いていて、鼻づまりもあります」
「自分でいろいろ試したけれど、もう分からない」。
そんなときこそ相談してください。
変更した設定や使っている点鼻薬の名前も、確認の助けになります。
「これくらいで相談していい?」と思った方へ
「苦しくて続けにくい」と伝えるだけでも大丈夫です。今の使い方を一緒に確認しましょう。
オンライン診療の対応は症状や治療状況により判断します。装着状態の確認などで来院をご案内する場合があります。

4.夜中に無意識にマスクを外してしまう
「寝るときはつけているのに、朝には外れている」。
この場合も、外した理由が分からないまま相談して構いません。
CPAPの使用記録と、圧・漏れ・乾燥などの困りごとを照らし合わせ、使い続けにくい原因を探します。
CPAPの診療では、客観的な使用状況と治療効果を確認することが推奨されています。(※1・※4)
診察では、こう伝えてみてください
「毎晩つけて寝ていますが、朝には外れています。自分では覚えていません。使用記録を一緒に確認したいです」
装着そのものに慣れない場合は、起きている時間に短時間つけて練習する方法もあります。(※2)ただし、練習だけで夜間の治療を代わりにできるわけではありません。
「もっと頑張らなければ」と抱え込むより、できていることと困っていることを、両方伝えてください。
5.使っているのに眠気や疲れが残る

CPAPを続けているのに変化を感じられないと、「本当に意味があるのかな」と思いますよね。
そう感じることも、診察で話してよい内容です。
確認したいのは、眠っている時間を通して使えているか、空気漏れや治療中の呼吸の乱れが残っていないかです。
画面の一つの数値だけで判断せず、使用記録と体調を合わせて評価します。(※1・※4)
睡眠不足、眠気を起こす薬、別の睡眠の病気などが関係することもあるため、睡眠時間や服薬内容も確認します。(※5)
診察では、こう伝えてみてください
「毎晩使っていますが、午後の眠気が続いています。睡眠は約6時間です。治療の記録や薬も確認してもらえますか?」
運転中に眠気が出る場合は運転を控え、早めに担当医へ相談してください。
眠気による事故の危険は、優先して確認すべき問題です。(※6)
診察前に、スマホへこの3つをメモしてください
毎日きれいに記録する必要はありません。覚えている範囲で、次の3つがあれば十分な相談の入口になります。
- いつ困るか:つけた直後、夜中、朝起きたときなど。
- 何がつらいか:息を吐きにくい、鼻が痛い、乾く、眠いなど。
- 試したこと:マスクの調整、加湿の変更、点鼻薬など。
相談の始め方は、例えばこんな一言です。
「CPAPを続けたいのですが、夜中に口が乾いて外してしまいます。加湿は調整しましたが改善しません。楽に使う方法を相談したいです」
使えていない日があっても、そのまま教えてください。
診察は、使用時間を報告するだけの場ではありません。続けられる方法を一緒に探す場です。

「苦しいからやめたい」と感じたときは
毎晩つらければ、やめたくなるのも自然なことです。
ただ、CPAPは使っている間の気道を支える治療なので、装着できていない時間はその効果を得られません。(※3・※4)
自己判断で中止を続ける前に、使いづらさを担当医に伝えましょう。
調整しても継続が難しい場合は、病状に応じて別の治療が適するかも相談します。
なお、CPAPを外しても続く強い息苦しさや胸痛は、通常の装着トラブルと決めつけず、救急受診を検討してください。
忙しくて通院が難しい方は、オンライン診療もご相談ください
あまが台ファミリークリニックでは、睡眠時無呼吸症候群のオンライン診療にも対応しています。
CPAPの継続診療は、状態に応じてオンラインで行えます。
ただし、マスクの装着状態や鼻・皮膚の症状などを直接確認したほうがよい場合は、対面診療をご案内します。
新たにCPAPを開始する際には、来院が必要です。
他院で治療中の方も、「今のCPAPが使いづらい」というお悩みをご相談いただけます。予約時には、CPAP治療中であることと、現在の困りごとをお伝えください。

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オンライン診療の対応は症状や治療状況により判断します。必要に応じて対面診療をご案内します。
参考文献
- ※1 Patil SP, et al. Treatment of Adult Obstructive Sleep Apnea with Positive Airway Pressure: An AASM Clinical Practice Guideline. J Clin Sleep Med. 2019;15(2):335–343.
- ※2 American Thoracic Society. PAP Therapy—Quick Tips for Troubleshooting to Address Problems with Use.
- ※3 National Heart, Lung, and Blood Institute. CPAP.
- ※4 American Thoracic Society. Positive Airway Pressure (CPAP and BPAP) for Adults with Obstructive Sleep Apnea.
- ※5 American Thoracic Society. Sleepy Since Adolescence.
- ※6 Strohl KP, et al. An Official ATS Clinical Practice Guideline: Sleep Apnea, Sleepiness, and Driving Risk in Noncommercial Drivers. Am J Respir Crit Care Med. 2013;187(11):1259–1266.




