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AGA治療薬デュタステリドについて

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デュタステリドは何の薬ですか?

デュタステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬ですが、AGA(壮年性脱毛症)に対する自費治療薬としても使用されます。

この薬は、5α還元酵素の1型および2型の働きを阻害することで、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を抑制します。

この作用によって毛乳頭のミニチュア化を防ぎ、毛髪の本数を増やす効果が期待されます。

デュタステリド

そもそもAGAとはなんですか?

AGA とは、男性型脱毛症「Androgenetic Alopecia」の略称で思春期後、男性に多く発症する進行性の脱毛症のことを意味します。

おもな原因は男性ホルモンの作用によるものと、考えられており、男性に多くみられる症状です。個人差はありますが、早い人ですと10代で発症します。

デュタステリドは、この AGA という病気の進行を抑える薬です。

デュタステリドの具体的な効果を教えてください

デュタステリドは臨床試験により、6か月(24週間)で発毛効果が確認されています。
日本人200例を含む917例の大規模な臨床試験で、デュタステリドの有効性と安全性が検討され、頭頂部の毛髪数で有意な効果が実証されました。

生えてきた髪の毛

科学的根拠として、デュタステリドはAGAに関与するDHTを約90%抑制する強力な作用を持ち、フィナステリドの約70%を上回る抑制効果があります。

さらに、長期的な毛量維持にも優れており、5年後でも発毛効果を維持できる割合が9割以上とされています。

また、毛の太さや毛周期も改善し、毛質の改善にも効果があると報告されています。

男性のおでこ

デュタステリドはフィナステリドより効果がありますか?

デュタステリドは5αリダクターゼに対して、

フィナステリドの約3倍の効果があり
フィナステリドと比べて1.6倍の発毛効果があると報告されています。

2種の薬

デュタステリドとミノキシジルを併用するとどうなりますか?

デュタステリドとミノキシジルの併用は効果的な組み合わせとされています。
ミノキシジルは外用剤で育毛を促進する作用があり、デュタステリドとは異なる作用機序を持つため、相乗的に脱毛予防や発毛促進効果が期待されます。

髪の毛

デュタステリドが効かない場合の理由は?

デュタステリドが効果を発揮しない一般的な理由は、AGA以外の脱毛が原因である場合です。
例えば、ストレスや栄養不足、ホルモン異常などによる一過性の薄毛にはデュタステリドは適応されません。
こういった場合、デュタステリドを試して効果があるかどうかでAGAかどうかを判断することがあります。
この方法を「診断的治療」と呼びます。

デュタステリドには射精できない副作用がありますか?

デュタステリドの副作用として、性機能不全(頻度1%以上)が報告されています。
具体的には、性欲の減退、勃起不全、射精障害などです。
この副作用は、デュタステリドが体内のジヒドロテストステロンの産生を抑制することに関連していると考えられます。

自信のない男

デュタステリドを飲むと毛が薄くなりますか?

デュタステリドを飲み始めて1週間から10日ほどで、時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起きることがあります。
これは、薬の効果で乱れていた毛髪サイクルが正常化され、退行期の毛が抜け落ちる現象です。深刻に受け止める必要はありません。

デュタステリドを飲むと体毛が薄くなりますか?

デュタステリドは5αリダクターゼを抑制し、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を防ぐため、体毛が薄くなることがあります。

DHTは男性的な体の発育に関わるホルモンであるため、デュタステリドの服用によって体毛が薄くなったり、性欲が減退する可能性があります。

デュタステリドは精液量に影響がありますか?

デュタステリドを約1年間服用した場合、総精子数が23%、精液量が26%、精子運動率が18%減少したという報告があります。
ただし、精子濃度や形態には変化が見られず、受胎率には大きな影響はないとされています。

デュタステリドをやめるとどうなりますか?

デュタステリドを中止すると、徐々にDHTの抑制が解除され、元の毛髪サイクルに戻るため、薄毛が再び進行する可能性があります。

薬の効果を持続させたい場合は、継続的な服用が推奨されます。

継続していくイメージ

AGA自費診療価格(例:1ヶ月30日分処方の場合)

この薬は健康保険の適応外なので費用はすべて自費となります。

受診後の流れは診察をし採血で貧血、甲状腺機能、肝機能、腎機能を検査した後に薬を処方します。

※他院で肝機能、腎機能、甲状腺などの検査をしたことがある方は半年以内の採血結果をご持参ください。

初診時(はじめて処方する場合)

項目 費用
初診料 3,000円
血液検査 7,000円
薬代(30日分) デュタステリド後発品:6,000円
合計 デュタステリド後発品:16,000円

 

※血液検査では、肝機能、腎機能、貧血、甲状腺機能を調べます。

再診以降

項目 費用
再診料 700円
薬代(30日分) デュタステリド後発品:6,000円
合計 デュタステリド後発品:6,700円

 

 

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この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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