院長ブログ

不眠に隠された病気

皆さん こんにちは

あまが台ファミリークリニック院長の細田です。

今回は「不眠に隠された病気」をテーマにブログを書きたいと思います。

実はプライマリーケア診療所(一般内科、小児科など幅広く対応できるクリニック)を受診する患者さんのうち、不眠の訴えは32.6%程度を占めるという研究があります。

それくらい不眠に悩む方は多いということです。

不眠の定義

まずは不眠症の定義から説明します。

例えば4時間しか眠れなくても、日中すごく元気で、生活に支障がない場合は、不眠症と言いませんし、極端ですけど7時間寝ても眠くて眠くてしょうがないと言う方は、不眠症になります。

つまり、生活に支障があるか?どうか?が不眠の定義には大切です。

また、不眠にも3種類ありまして、入眠障害と言って寝付けないパターンと、中途覚醒と言って夜中に早く起きてしまうパターン、早朝覚醒と言いまして、朝早めに起きすぎてしまって日中眠くて眠くて仕方がないと言うのも不眠症になります。

不眠に隠れた病気

不眠症の影には、治療すれば治る病気もあるためそこをいかに見逃さないか?と言うことが私たち医者の役目になります。

実は、不眠症患者さんの85%で内科疾患を合併し、27から45%で精神疾患を合併すると言うデータがあります。

この数字を見て皆さんどう思われますか?とても多いと思いませんか?

実際にどんな病気があるのでしょうか?

不眠に合併する精神疾患

まず精神疾患としてはうつ病が隠れているので注意が必要です。うつ病はとても大きな社会問題になっていますよね。

数年前までは1年あたり30,000人以上の方が自殺して大きな社会問題になっておりました。ここ数年は約20,000人と減ってはいますが、とんでもなく多いと思います。それではどんな時にうつ病を疑うのでしょうか?

落ち込んでる雰囲気があったり楽しみがなくなるなどの症状が4週間以上続いていればうつ病考えます。

例えば今までできていた週末の趣味で釣りとか映画とかそういうのもしたくないと思ってしまう場合は可能性が高いと思います。こういった場合は要注意ですので専門家の受診を勧めます。

もう一つは不安障害です。人前で話したり食事をしたりするときに中不安や恐怖を感じて社会生活に支障きたすような状況があったら考えます。人の集まりなどに行こうとしても不安で参加できなくなってしまうのも特徴の1つです。

不眠に合併する内科疾患

内科疾患のなかでも、特に最近注目されているのが、睡眠時無呼吸過眠症候群(略してSASと呼びます)です。

どんなときに、SASを疑うのでしょうか?

■最近太ってきた。

■眠るときにいびきが大きい。

■パートナーに呼吸が止まっているなど指摘された場合

■朝方 頭が痛くて起きてしまうといった中途覚醒や早朝覚醒がある。

■日中、やたら眠い

などです。

他にも喘息、甲状腺機能低下症、亢進症、心不全などでも、不眠を来すことがありますので注意が必要です。

不眠の危険因子

また、不眠の危険因子と言いまして、どのような状態、状況だと不眠に陥りやすいのか?と言うこともわかっています。

1つは薬剤です。

2つめが、アルコールの飲み過ぎです。アルコールによって、かえって眠気が覚めてしまいます。

3つめが、たばこです。タバコを吸った場合には2時間以内に特に眠りづらいと言う研究結果もあります。

4つめが、交代勤務です。不規則な生活のため睡眠リズムが崩れやすいです。

薬剤でもいろいろあるのですが特に不眠の原因になりうるくすりとしては、血圧の薬利尿剤コレステロールを下げる薬SSRIなどの抗うつ薬ステロイドの内服薬鎮静剤を止めた場合の離脱症状などがあります。

最近お薬を始めてから、眠れなくなったと言う場合には。もしかしたらお薬のが原因かもしれませんのでかかりつけに相談して変更や服用を止めることも考慮する必要があるかもしれません。

動画でも解説していますので参考にしていただければ嬉しいです。

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この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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