- すい臓がんに特徴的な症状はありますか?
- すい臓がんになりやすい原因はありますか?
- すい臓がんの予後は?
皆さん
こんにちは。あまが台ファミリーファミリークリニック院長の細田です。
すい臓がんについて、このような疑問をもたれている方もいるかと思います。
今回は膵臓癌を見逃さないための症状や、危険因子について解説したいと思います。
(↑の写真の黄土色のピストル、オタマジャクシのような形をしたのが臓器がすい臓です。)
膵臓がんは年間3万人程度発症する病気です。2014年の統計では3万6156人の方が発症し、2017年には3万4224人の方がなくなっています。
つまり発症する方のうち、亡くなる方も多いため、予後が厳しい病気といえます。
見つかった時点で、手術で切除できる方は全体の20%~30%程度と少ないのが現状です。
つまり、病気が発見された時点で、周囲の臓器に転移している例も多いのです。
それでは、すい臓がん(膵臓がん)を見つけるためにはどういったこと覚えておいたほうがよろしいでしょうか?
これがあれば必ず膵臓癌という症状はありませんが、まずは疑うことが大事です。
疑うためにはどうしたらいいでしょうか?
それには以下の症状について覚えておく必要があります。
すい臓がん(膵臓ガン)を疑うべき症状について
まずは、「もともと糖尿病があったけれど血糖コントロールが悪くなってきた、HbA1cが9とか10以上になった場合」です。
すい臓の機能には、血糖下げるホルモンであるインスリンを分泌する役割と、食べたものを消化するために消化酵素を分泌するという二つの役目があります。
膵臓がんになると、インスリンを分泌する機能が低下するため血糖コントロールが悪くなり、過去2ヶ月程度の血糖の平均を表す指標であるHbA1cが9とか10以上に増加してきます。
今まで、特に食生活も変わっていないし、太ってきてもいないのに血糖コントロールが悪くなってきた言う場合にはすい臓がんを強く疑いますので注意が必要です。
また、50歳とか60歳以上になって新しく糖尿病発症した場合
1ヶ月で4kg、5kgと急激に体重が減った場合
黄疸といって目が黄色くなってきた場合なども要注意です。
他にはお腹が痛くなったり背中の痛みを置くか繰り返し続き、どんどん痛みが強くなってくるなどの場合は要注意です。
最後に食欲不振です。これはがん全般にいえますが、病状が進んだ場合には食欲もなくなってくることが多いです。
これらの症状が一つよりは二つ、二つよりや三つと、重なってくるとより疑いますので注意が必要です。
すい臓がん(膵臓ガン)の危険因子
また危険因子といいましてどういう状態、状況だと膵臓がんになりやすいか言う研究があります。
まず、家族歴といいまして、家族内にすい臓がんの方が1人いた場合は相対危険度といって、なりやすい確率が4.5倍になります。
また糖尿病が基礎疾患としてあると約2倍になります。
アルコールや胆石などが原因でなる慢性膵炎がありますと、発症から4年以内には何と14.6倍も膵臓がんになるリスクが高くなります。
また肥満やたばこ、大量飲酒もすい臓がんの危険因子ですので、思い当たる方はやはり生活習慣の改善が大事だと言うことになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は膵臓癌を見逃さないために皆さんに知っておいてほしい症状について解説しました。
血糖コントロールが悪くなってきた場合、思い当たる原因がないのに糖尿病を発症した場合、黄疸になってきた場合、1ヵ月で3キロから4キロ体重が減ってきた場合、お腹の痛みや背中の痛みを繰り返し自覚し、どんどん痛みが強くなってきた場合などは要注意です。
またすい臓がんの家族歴や、糖尿病があること、肥満や、大量飲酒、タバコなども危険因子になりますので要注意です。
すべての病気にいえますが早期治療が健康寿命を保つためにも重要です。参考になれば幸いです。
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