「子どもの体調管理で毎日精一杯。自分の疲れは後回しにしている」
「寝ても疲れが取れないけれど、子育て中だから仕方ないと思っている」
「家族からいびきを指摘された。でも病院に行くほどではない気がする」
「産後から、あるいは40代に入ってから体重が戻らない」
このような悩みはありませんか。
子育て中は、睡眠時間が短くなりやすく、食事も不規則になり、運動する時間も取りにくくなります。そのため、疲れやすさや体重増加を「年齢のせい」「子育て中だから仕方ない」と考えてしまう方は少なくありません。
しかし、もしそこにいびき、日中の眠気、朝の頭痛、夜間の息苦しさ、血圧や血糖値の異常が重なっている場合は、単なる疲れではなく、睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病が隠れていることがあります。
この記事では、子育て中の疲れ、いびき、睡眠不足、体重増加の関係について、医師の立場からわかりやすく解説します。
- 寝ても疲れが取れない
- 家族からいびきを指摘された
- 日中に眠く、集中力が続かない
- 産後や40代以降に体重が戻らなくなった
- 健診で血糖値、血圧、脂質を指摘された
- 子どもの受診のついでに、自分の健康も相談したい
当院でしたら、上記の疑問、悩みが解決できるかもしれません。
目次
- 子育て中の疲れが取れない方へ|いびき・睡眠不足・体重増加との関係
- 結論:子育て中の疲れが続く時は「睡眠の質」と「体重変化」を確認しましょう
- なぜ子育て世代に「疲れ・いびき・体重増加」が重なりやすいのか
- いびきは「疲れているだけ」ではなく、体からのサインかもしれません
- 睡眠時無呼吸症候群を放置すると、血圧や血糖にも影響することがあります
- 子育て中の体重増加は「意思が弱いから」ではありません
- こんな症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を考えてください
- 検査は自宅でできる簡易検査から始められます
- CPAP治療は「一生外せない治療」ではなく、状態を改善するための選択肢です
- 体重が増えてきた方は、肥満治療や糖尿病予防も一緒に考えることが大切です
- 当院で相談できること
- 受診の目安:このような方は早めにご相談ください
- よくある質問
- まとめ:子どもの健康と同じように、保護者の方の健康も大切です
- 参考文献
子育て中の疲れが取れない方へ|いびき・睡眠不足・体重増加との関係
皆さん、こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。
私はプライマリ・ケア、総合診療を専門に、医師として25年目になります。家庭医療専門医として、お子さんの発熱や咳、皮膚のトラブルだけでなく、保護者の方の高血圧、糖尿病、肥満、睡眠時無呼吸症候群なども幅広く診療しています。
また、睡眠時無呼吸症候群については日本睡眠学会に所属し、年間1,500名以上の睡眠に関する診療に関わっています。糖尿病については日本糖尿病学会正会員として、年間約5,000人の糖尿病の患者さんを診察しています。肥満治療についても日本肥満学会に所属し、月間約80人の肥満治療に対応しています。
当院には、お子さんの受診をきっかけに来院され、その後に「実は自分のいびきが気になっていて」「健診で血糖値を指摘されていて」「体重が増えて困っていて」と相談される保護者の方も少なくありません。
この記事では、子育て中の疲れを単なる気合いや年齢の問題で片づけず、睡眠、体重、血糖、血圧の視点から整理していきます。
結論:子育て中の疲れが続く時は「睡眠の質」と「体重変化」を確認しましょう
最初に結論をお伝えします。
子育て中の疲れが続く時は、単に睡眠時間が足りないだけではなく、睡眠の質が落ちている可能性があります。特に、いびき、無呼吸、日中の眠気、朝の頭痛、夜間頻尿、血圧上昇、体重増加がある場合は、睡眠時無呼吸症候群を考える必要があります。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に空気の通り道が狭くなり、呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。
眠っている本人は気づきにくいのですが、体の中では酸素不足と睡眠の分断が繰り返されます。その結果、朝起きても疲れが取れない、日中に眠い、集中力が続かないといった症状が出ることがあります。(※1)
「子育て中だから眠いのは当たり前では?」と思う方もいるかもしれません。もちろん、育児や仕事で睡眠時間が短くなること自体は珍しくありません。
しかし、睡眠時間をある程度確保しているのに疲れが取れない場合や、家族から強いいびきを指摘される場合は、睡眠の質が下がっている可能性を考えた方がよいです。
なぜ子育て世代に「疲れ・いびき・体重増加」が重なりやすいのか
子育て世代は、自分の体調管理が後回しになりやすい時期です。子どもの朝の準備、送迎、仕事、家事、夜の寝かしつけが続くと、自分の食事、睡眠、運動の優先順位はどうしても下がります。
その結果、次のような生活パターンになりやすくなります。
- 朝食を抜く、または簡単に済ませる
- 昼食が遅くなる、早食いになる
- 子どもの残り物を食べる
- 夜遅くに夕食や間食をとる
- 疲れて運動する時間が取れない
- 睡眠時間が短くなる
- 休日にまとめて寝ても疲れが抜けない
このような生活が続くと、体重が増えやすくなります。体重が増えると、首まわりやのどの周囲にも脂肪がつきやすくなり、寝ている間に空気の通り道が狭くなることがあります。
これが、いびきや睡眠時無呼吸症候群につながる一因になります。(※2)
さらに、睡眠不足そのものも食欲に影響します。睡眠不足では、食欲や満腹感に関わるホルモンのバランスが崩れ、空腹感が増えたり、高カロリーな食事を欲しやすくなったりすることが報告されています。(※3)
つまり、子育て中の疲れ、睡眠不足、体重増加、いびきは、それぞれ別々の問題ではなく、互いに影響し合っている可能性があります。
いびきは「疲れているだけ」ではなく、体からのサインかもしれません
いびきは、寝ている間に空気の通り道が狭くなり、のどの周囲が振動することで起こります。お酒を飲んだ日、風邪で鼻が詰まっている日、疲れが強い日などに一時的にいびきをかくことはあります。
ただし、次のような場合は注意が必要です。
- 家族から「いびきが大きい」と言われる
- 寝ている時に呼吸が止まっていると言われた
- 夜中に息苦しくて目が覚める
- 朝起きた時に頭痛がある
- 日中に強い眠気がある
- 運転中や会議中に眠くなる
- 血圧が高くなってきた
- 健診で血糖値や脂質を指摘された
このような症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群の検査を検討してもよい状態です。睡眠時無呼吸症候群の評価では、いびき、日中の眠気、肥満、高血圧などの有無を確認することが重要とされています。(※4)
「でも、いびきくらいで病院に行くのは大げさでは?」と思う方も多いです。その気持ちはとても自然です。痛みがあるわけではありませんし、本人は寝ているので、深刻さを感じにくいからです。
ただ、いびきは家族の睡眠を妨げるだけでなく、自分自身の酸素不足や睡眠の質の低下を示していることがあります。特に、体重増加や血圧、血糖値の異常がある方では、早めに確認しておく意味があります。
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、血圧や血糖にも影響することがあります
睡眠時無呼吸症候群は、単に眠りが浅くなるだけの病気ではありません。眠っている間に酸素不足が繰り返されることで、交感神経が刺激され、血圧や心臓、血糖コントロールに影響することがあります。
日本の睡眠時無呼吸症候群診療ガイドラインでも、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を持つ方では睡眠時無呼吸症候群の頻度が高く、肥満が大きな要因であることが示されています。(※2)
また、睡眠時無呼吸症候群は2型糖尿病やインスリン抵抗性との関連も報告されています。睡眠が分断され、低酸素状態が繰り返されることで、血糖を下げる働きが悪くなる可能性があります。(※5)
もちろん、いびきがある人全員が糖尿病になるわけではありません。体重が増えた人全員に睡眠時無呼吸症候群があるわけでもありません。
しかし、子育て中の忙しさで自分の健康診断を後回しにしている方ほど、気づかないうちに血圧、血糖、脂質、体重が悪化していることがあります。だからこそ、いびきや疲れをきっかけに、睡眠と生活習慣病を一緒に確認することが大切です。
子育て中の体重増加は「意思が弱いから」ではありません
体重が増えた時、多くの方は「自分の意思が弱いから」「食べすぎているから」と考えてしまいます。しかし、子育て世代の体重増加は、単純な根性論では説明できません。
たとえば、夜遅くまで家事をして、子どもが寝た後にようやく自分の時間ができる。その時に甘いものを食べたくなる。疲れて運動する気力が出ない。朝は忙しくて食事を抜き、昼や夜にまとめて食べてしまう。
これは「だらしない」のではなく、生活リズムとして太りやすい条件がそろっている状態です。
さらに睡眠不足が重なると、食欲が増えやすくなり、満腹感が得にくくなる可能性があります。睡眠不足と肥満の関連については、多くの研究で報告されています。(※3)
「食事制限も運動も、何度もやろうとしたけれど続かなかった」という方もいると思います。その場合、いきなり厳しい食事制限や激しい運動を始めるより、まずは睡眠、食事時間、たんぱく質、間食、飲み物、歩数など、変えやすいところから整える方が続きやすいです。
当院では、肥満治療において管理栄養士とも連携しながら、食事内容や生活リズムを確認し、必要に応じて医学的な治療も含めて相談しています。
こんな症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を考えてください
次の項目に複数当てはまる方は、一度ご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群を疑うサイン
- 家族からいびきが大きいと言われる
- 寝ている時に息が止まっていると言われた
- 朝起きても疲れが取れない
- 日中に眠気が強い
- 朝の頭痛がある
- 夜間に何度もトイレに起きる
- 以前より体重が増えた
- 首まわりが太くなった
- 血圧が高い
- 健診で血糖値、HbA1c、脂質を指摘された
特に、40代以降の男性、産後から体重が戻りにくくなった女性、BMIが高めの方、血圧や血糖値を指摘されている方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認する価値があります。
「眠気はあるけれど、子どもの夜泣きや仕事の疲れのせいだと思う」という方もいます。その可能性もあります。ただ、家族からいびきや無呼吸を指摘されている場合は、自分の努力だけでは改善しにくい原因があるかもしれません。
検査は自宅でできる簡易検査から始められます
睡眠時無呼吸症候群の検査というと、「入院しないといけないのでは」「大がかりな検査では」と不安に思う方もいます。
実際には、まず自宅で行える簡易検査から始めることが多いです。検査機器を使って、睡眠中の呼吸状態や酸素の低下などを確認します。自宅で普段に近い環境で検査できるため、子育てや仕事で忙しい方でも比較的受けやすい検査です。
検査の結果、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、重症度や症状に応じて治療方針を相談します。必要に応じて、より詳しい検査を検討することもあります。
「検査をしたら、すぐにCPAPを始めないといけないのですか?」と不安に思う方もいます。検査をしたからといって、必ず治療が始まるわけではありません。まずは現在の状態を把握し、治療が必要かどうかを一緒に判断します。
いびき・日中の眠気・疲れが気になる方へ
「子育て中だから仕方ない」と思っていた疲れの背景に、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。まずは症状や検査の流れを確認してみてください。
CPAP治療は「一生外せない治療」ではなく、状態を改善するための選択肢です
睡眠時無呼吸症候群の治療として代表的なのが、CPAP治療です。CPAPは、寝ている間に鼻に装着した機器から空気を送り、空気の通り道が塞がりにくくなるようにする治療です。
CPAP治療は、成人の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する標準的な治療の一つとして、診療ガイドラインでも推奨されています。(※6)
「CPAPを始めたら一生やめられないのでは?」と心配される方もいます。その不安はよくわかります。毎日使う治療と聞くと、負担に感じるのは自然なことです。
ただし、CPAPは「治療を始めたら絶対に一生外せない」というものではありません。体重の変化、生活習慣の改善、鼻づまりの治療、飲酒習慣の見直しなどによって、睡眠時無呼吸症候群の状態が変わることもあります。
大切なのは、まず今の睡眠の状態を確認し、治療が必要な状態かどうかを判断することです。重症の睡眠時無呼吸症候群がある場合は、放置するよりも治療によって日中の眠気、疲労感、血圧などの改善が期待できることがあります。
体重が増えてきた方は、肥満治療や糖尿病予防も一緒に考えることが大切です
睡眠時無呼吸症候群と肥満は関係が深い病気です。体重が増えることで、のどの周囲が狭くなり、睡眠中の呼吸が妨げられやすくなります。一方で、睡眠の質が悪くなると、日中の活動量が下がり、食欲も乱れやすくなります。
つまり、睡眠時無呼吸症候群と体重増加は、互いに悪循環を作ることがあります。
また、体重増加は糖尿病、高血圧、脂質異常症、脂肪肝などの生活習慣病とも関係します。特に健診で血糖値やHbA1cを指摘されている方は、症状がなくても早めに生活習慣を見直すことが重要です。(※7)
「まだ薬を飲むほどではないと思う」「健診で少し高いだけだから大丈夫」と思う方も多いです。その感覚は自然です。糖尿病や脂質異常症は、初期には自覚症状がほとんどないことが多いからです。
しかし、自覚症状がない時期こそ、生活習慣を変えるチャンスです。食事、睡眠、体重、運動を早めに整えることで、将来の糖尿病や心血管疾患のリスクを下げられる可能性があります。
当院で相談できること
あまが台ファミリークリニックでは、子育て世代の保護者の方に対して、次のような相談に対応しています。
- いびき、日中の眠気、睡眠時無呼吸症候群の検査相談
- CPAP治療が必要かどうかの相談
- 健診で指摘された血糖値、HbA1c、脂質、血圧の相談
- 体重増加、肥満治療の相談
- 食事や生活習慣の見直し
- 管理栄養士による食事相談
当院は、内科、小児科、皮膚科、糖尿病内科を標榜しているクリニックです。お子さんの受診をきっかけに、保護者の方ご自身の健康について相談される方もいます。
「子どものことで病院に来たのに、自分の相談もしていいのかな」と遠慮される方もいますが、家庭医療の視点では、家族全体の健康を支えることも大切です。
受診の目安:このような方は早めにご相談ください
次のような方は、早めにご相談ください。
- 家族からいびきや無呼吸を指摘された
- 日中の眠気で仕事や運転に支障がある
- 朝起きても疲れが取れない状態が続いている
- 体重が増えて、いびきも強くなった
- 血圧が高いと言われた
- 健診で血糖値、HbA1c、脂質異常を指摘された
- 産後や40代以降に体重が戻らなくなった
- 睡眠不足と食欲の乱れを感じている
特に、いびきと体重増加、いびきと高血圧、いびきと日中の眠気が重なっている方は、睡眠時無呼吸症候群の検査を検討する価値があります。
よくある質問
Q1. 子育て中なので疲れているだけだと思います。それでも受診した方がよいですか?
睡眠時間が短いだけで疲れている場合もあります。ただし、いびき、無呼吸、日中の強い眠気、朝の頭痛、血圧や血糖値の異常がある場合は、睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病が関係している可能性があります。一度相談していただくと安心です。
Q2. いびきだけでも検査できますか?
いびきに加えて、日中の眠気、起床時の疲れ、無呼吸の指摘、体重増加、高血圧などがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の検査を検討します。まずは症状を確認したうえで、検査が必要かどうかを判断します。
Q3. 睡眠時無呼吸症候群の検査は入院が必要ですか?
多くの場合、まずは自宅でできる簡易検査から始めます。検査結果や症状によって、より詳しい検査が必要かどうかを相談します。
Q4. 肥満治療も相談できますか?
はい。体重増加、食欲のコントロール、食事内容、生活習慣の見直しについて相談できます。必要に応じて、管理栄養士による食事相談や医学的な肥満治療についてもご案内します。
Q5. 健診で血糖値を指摘されただけでも受診できますか?
受診できます。糖尿病は初期には自覚症状が少ないことが多いため、健診で血糖値やHbA1cを指摘された段階で相談することが大切です。早めに確認することで、生活習慣の改善や治療方針を考えやすくなります。
まとめ:子どもの健康と同じように、保護者の方の健康も大切です
子育て中は、自分の体調を後回しにしやすい時期です。
しかし、疲れが取れない、いびきを指摘された、体重が増えた、健診で血糖値や血圧を指摘されたという状態が続いている場合は、単なる疲れではなく、睡眠時無呼吸症候群や生活習慣病が隠れていることがあります。
お子さんの健康を守るためにも、保護者の方ご自身が元気でいることはとても大切です。
「まだ受診するほどではないかもしれない」と迷っている方も、まずは現在の状態を確認することから始めてみてください。
寝ても疲れが取れない、いびき、体重増加が気になる方へ
あまが台ファミリークリニックでは、睡眠時無呼吸症候群、糖尿病、肥満治療について相談できます。子育て中だから仕方ないと我慢せず、まずは一度ご相談ください。
参考文献
- ※1 日本呼吸器学会. 睡眠時無呼吸症候群診療ガイドライン2020.
- ※2 日本呼吸器学会. 睡眠時無呼吸症候群診療ガイドライン2020. 肥満、高血圧、糖尿病との関連に関する記載.
- ※3 Spiegel K, Tasali E, Penev P, Van Cauter E. Brief communication: Sleep curtailment in healthy young men is associated with decreased leptin levels, elevated ghrelin levels, and increased hunger and appetite. Ann Intern Med. 2004.
- ※4 Epstein LJ, Kristo D, Strollo PJ Jr, et al. Clinical guideline for the evaluation, management and long-term care of obstructive sleep apnea in adults. J Clin Sleep Med. 2009.
- ※5 Reutrakul S, Mokhlesi B. Obstructive sleep apnea and diabetes: A state of the art review. Chest. 2017.
- ※6 Patil SP, Ayappa IA, Caples SM, et al. Treatment of adult obstructive sleep apnea with positive airway pressure: An American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. J Clin Sleep Med. 2019.
- ※7 American Diabetes Association. Standards of Care in Diabetes. Diabetes Care.



