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なぜ、あのクリニックには良いスタッフが集まるのか? 採用で9割決まる、開業成功の秘訣
こんにちは。あまが台ファミリークリニック院長の細田です。私は総合診療専門医・家庭医療専門医としてキャリア25年、現在は常時ドクター2人体制で年間25,000人以上の患者さんを診療するクリニックを経営しています。
私もかつては、先生と同じように「自分の理想とする医療を、最高のチームで地域に届けたい」という熱い想いを胸に、開業を夢見ていました。専門医として十分な経験を積み、知識や技術にも自信がありました。しかし、いざ開業を具体的に考え始めると、純粋な医療行為とは別の、大きな壁が立ちはだかることに気づいたのです。
それは「経営」そして「人」の問題です。
特に、「スタッフ採用がうまくいかない」「採用してもすぐに辞めてしまう」といった悩みは、多くの開業医が抱える深刻な問題です。
どんなに優れた医療技術を持っていても、院長一人ではクリニックは成り立ちません。
なぜ、いつも雰囲気が良く、患者さんからも評判のクリニックには、素晴らしいスタッフが集まっているのでしょうか?
その秘訣は、多くの先生が見落としがちな、ある一点に集約されます。
この記事では、クリニック開業の成否を分ける「採用」の重要性と、その成功の鍵について、私の経験も踏まえながらお伝えします。
「採用が9割」と言われる、その深刻な理由
これは、数多くのクリニック経営を見てきた私の実感であり、決して大げさな表現ではありません。クリニックの経営において、スタッフ採用は最も重要な要素の一つです。
なぜなら、スタッフの質は、そのまま患者満足度に直結するからです。(※1)受付の対応一つ、看護師の言葉遣い一つで、クリニックの評判は大きく変わります。チームワークが悪く、スタッフが疲弊しているクリニックでは、医療の質も低下し、患者さんの足は遠のいてしまうでしょう。(※2)
実際に、開業後に「スタッフ全員が辞めてしまった」「人間関係のトラブルで夜も眠れない」といった地獄のような経験をする院長は少なくありません。
スキルや経験だけで採用を決めてしまい、人柄やクリニックの理念との相性を見抜けなかった結果です。
「スキルが高いスタッフさえいれば安心」
もし、先生が少しでもこう考えているとしたら、それは非常に危険なサインかもしれません。
多くのドクターが「採用」で失敗する根本原因
では、なぜ多くの優秀なドクターが、採用でつまずいてしまうのでしょうか。
その理由はシンプルです。私たちは、医学部でも研修医時代でも、「経営」や「マネジメント」、そして「採用」について、ほとんど教わってこなかったからです。
診断や治療の勉強に明け暮れ、医師としてのスキルを磨くことに全力を注いできた先生方にとって、経営者の視点は未知の領域です。
その結果、
- 開業コンサルタントに言われるがまま、よく考えずに採用を進めてしまう
- 世にあふれる「開業成功本」を何冊読んでも、いざとなると行動に移せない
- 面接で何を聞けばいいのか、相手の何を見ればいいのか、本質がわからない
といった状況に陥ってしまうのです。知識として知っていることと、実際にできるようになることの間には、大きな壁が存在します。
「良いスタッフが集まるクリニック」だけが知っている秘密
では、どうすればその壁を乗り越え、良いスタッフに囲まれた理想のクリニックを作ることができるのでしょうか。
今でこそ私のクリニックでは、心から信頼できる人柄の良いスタッフたちに囲まれ、毎日が本当に充実しています。毎朝の朝礼はスタッフのポジティブな報告から始まり、活気のある雰囲気で一日がスタートします。診療中もスタッフ間のコミュニケーションは笑顔で溢れ、定期的に食事会を開くなど、チーム全体の人間関係は非常に良好です。
しかし、ここまで来るには、当然ながら多くの試行錯誤がありました。最初から全てが順風満帆だったわけではありません。
結論から言えば、この理想的な環境を築く秘訣は、「クリニック経営に成功しているドクターから直接学ぶ」しかありません。
それも、本やセミナーのような座学ではなく、「実際の臨床現場で、働きながら学ぶ」ことが最も効果的です。
スキーが上手くなりたければ、スキー場で上手な人に教わるのが一番の近道です。
それと同じで、クリニック経営を成功させたいなら、成功しているクリニックという「現場」で、そのノウハウを肌で感じ、直接指導を受ける以上の学びはありません。
成功しているクリニックは、
- どのような理念を掲げ、どんな人材を求めているのか
- 面接で、応募者のどこを見ているのか
- 採用後、どのようにスタッフを教育し、理念を共有しているのか
- スタッフが活き活きと働き続けられる、どんな仕組みがあるのか
こうした、本には書かれていない「生きたノウハウ」で溢れています。そして、そのノウハウの核心部分こそが、良いスタッフを惹きつけ、定着させる秘訣なのです。
開業の不安を「成功への投資」に変える方法があります
「ましてや、千葉のクリニックまで通うのは現実的じゃない…」

そう思われるかもしれません。
しかし、その「時間」と「距離」を理由に、未来の成功を諦めてしまうのは、あまりにもったいないことです。
なぜなら、現に今、4名の開業前研修の先生方が、あなたと同じように都内や千葉の中心部から、当院まで実際に通って熱心に勉強されているからです。
彼らは決して暇なわけではありません。貴重な時間と交通費という「コスト」をかけてでも、なぜ決して近くはないこの場所を選ぶのでしょうか?
それは、目先のコストよりも、開業後に直面するであろう「採用・集患・資金調達」の失敗による数千万円規模の損失リスクを回避できるという「リターン」の方が、比較にならないほど大きいことを理解しているからです。
だからこそ当院では、その熱意に応えるため、給与をもらいながら、週1日や隔週1日からでも、その「生きたノウハウ」を実践的に学べる環境を用意しています。
採用やスタッフマネジメントはもちろんのこと、
-
集患に困らないホームページの活用法
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開業資金を低金利で調達する方法
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小児科や皮膚科など、対応できる診療の幅を広げる実践的指導
といった、開業に必要なスキルを体系的に学び、数年後に迎えるご自身の開業を、盤石の体制でスタートさせることができます。
犬が人間の7倍の速さで歳を取るように、私たちの日々もあっという間に過ぎ去っていきます。
目の前の忙しさに追われる毎日を過ごすのか。
それとも、数年後の理想の実現のために、その貴重な時間を「未来への投資」として使うのか。
その選択が、先生のこれからの医師人生を大きく左右するかもしれません。
「採用で9割決まる」の本当の意味と、その具体的なノウハウを、あなた自身の目で確かめてみませんか?
▼「理想のクリニック」開業への第一歩を踏み出す
失敗しないための開業前研修。その詳細はこちらのページでご覧ください。
参考文献
(※1)Doyle, C., Lennox, L., & Bell, D. (2013). A systematic review of evidence on the links between patient experience and clinical safety and effectiveness. BMJ Open, 3(1), e001570.
(患者経験(スタッフの対応を含む)が、臨床の安全性や有効性と関連することを示したシステマティックレビュー)
(※2)Agency for Healthcare Research and Quality (AHRQ). (n.d.). TeamSTEPPS®. U.S. Department of Health & Human Services.
(AHRQが開発したTeamSTEPPS®は、医療専門家間のコミュニケーションとチームワークスキルを向上させることで、患者の安全と医療の質を最適化することを目的としたエビデンスに基づくプログラム)