目次
- 中性脂肪&コレステロール値が気になるあなたへ!今日から始める食べ方の工夫
- 中性脂肪・コレステロール対策【簡単にできる食事習慣】
- 1.脂質異常症とは?
- ①脂質異常症の診断基準は?
- 中性脂肪
- LDLコレステロール
- HDLコレステロール
- 2.脂質異常症はどういう人がなりやすい?
- ①食生活や生活習慣の乱れ
- ◇食べ過ぎとそれからくる肥満
- ◇コレステロールや脂を含んだものの摂りすぎ
- ◇アルコールの飲みすぎ
- ◇喫煙
- ◇運動不足
- ◇ストレス
- ②更年期
- ③脂質値を上げる他の病気がある
- ④遺伝
- 3.脂質異常症は放っておいたらいけないの?
- ①動脈硬化の進行
- ②心血管疾患の主要な危険因子
- ③無症状でも進行する
- 4.脂質異常症は改善できる!?
- ①~食事編~
- 【1】食事量を適正にする
- 【2】栄養バランスの良い食事を摂る
- 【3】コレステロールの多い食品を控える
- 【4】質の良い油を摂る
- 【5】食物繊維をたくさん摂る
- 【6】甘い糖質を控える
- 【7】アルコールの摂取量を減らす
- ②~運動編~
- 5.まとめ 挑戦しやすそうなことから始めてみよう!
- 6.参考文献
中性脂肪&コレステロール値が気になるあなたへ!今日から始める食べ方の工夫

どこにも不調がないから自分は大丈夫!
そんな風に思っている方多いと思います。
仕事や家事に追われて疲れた時、つい甘いものに手が伸びていませんか?
朝はパンなど簡単なもので済ませて、夜にたくさん食べてしまうことはありませんか?
朝は忙しく、ゆっくり食事の時間が取れないですよね。
疲れてる時は料理にあまり時間をかけたくないですよね。

私も朝は子どもが保育園に行くのでバタバタしていますし、夜は早く寝かせなければならないので、皆さんのお気持ちすっごくわかります…。
でもこの習慣が、少しずつ皆さんの身体をむしばんでいくことになるとしたら…?
決して他人事とは思わず、読んでくださっている皆さんにはいつまでも健康でいてほしいという思いでこのブログを書いています。
そんな中、よく聞くお悩みが
「体調はどこも悪くないけど健康診断で脂質異常の指摘を受けた。どうしたら良いのかわからない…」
「ついつい甘いものやおせんべいを食べて過ぎてしまう」
「もらい物のお菓子が多くて、もったいないので食べてしまう」
「どんなおやつなら食べていいの?」
「運動は苦手だな…」
etc…
みなさんお悩みはそれぞれですよね。
今回のブログでは中性脂肪と悪玉コレステロール(LDL-C)の違いと、それぞれ生活習慣をどう改善したら良くなるのか、簡単に取り入れることができる食事習慣について解説していきます💡
あまが台ファミリークリニックでは、管理栄養士による患者様への栄養指導を行っています。当院の患者さまのなかには、「近くに相談できるクリニックが見つからなかった」と、茂原市や一宮町、千葉市など、少し離れた地域から通ってくださる方も少なくありません。
そういった方々からも「ここに来てよかった」と言っていただけるよう、丁寧な栄養指導を心がけています。
中性脂肪・コレステロール対策【簡単にできる食事習慣】
こんにちは!あまが台ファミリークリニック管理栄養士の小倉です⭐
あまファミの一員になって、早1年が経ちました。
年々、1年ってあっという間だなあと感じています。
栄養指導に携わる機会も増えてきて、たくさんの方と楽しくお話させていただいています(*^^*)

このブログでは、できるだけ多くの方が「実践しやすい」と思っていただける内容をお届けできたらと思います。
1.脂質異常症とは?
脂質異常症とは、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の値が正常範囲を超えてしまったり、逆に下回っている状態を指します。
以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、下回るものも含まれることから近年では「脂質異常症」という名称が一般的です。
①脂質異常症の診断基準は?
いずれか1つでも当てはまれば脂質異常症と診断されます(表1)。
表1.脂質異常症の診断基準
検査項目 | 基準値 |
---|---|
中性脂肪 | 150mg/dL以上 |
LDLコレステロール | 140mg/dL以上 |
HDLコレステロール | 40mg/dL未満 |
日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022」より
それぞれ、以下のような特徴があります。
中性脂肪
食べ物が足りない時のエネルギー源、体温を保つ、外部の衝撃から内臓を守るという役割があります。
しかし、肥満や脂肪肝があると血液中に増えてしまい、中性脂肪が増えすぎると血管の動脈硬化が進行します。
内臓脂肪型肥満の人に多くみられ、メタボリックシンドロームの診断基準のひとつです。
LDLコレステロール
肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ役割があります。
血中に増えすぎると血管の動脈硬化を進行させることから、「悪玉コレステロール」と呼ばれます。
一般的には加齢とともに特に40代から急増します。
HDLコレステロール
いろいろな臓器で使いきれずに余ったコレステロールを肝臓に戻す役割があります。
血液中に多い方が動脈硬化を予防することから、「善玉コレステロール」と呼ばれています。
血液中の中性脂肪が増えると減少してしまいます。
2.脂質異常症はどういう人がなりやすい?
それでは、脂質異常症は一体どんな人がなりやすいのでしょうか。
以下、皆さんもぜひご自身の生活に当てはまるものはないか?振り返ってみてください。
①食生活や生活習慣の乱れ
◇食べ過ぎとそれからくる肥満
脂質異常症の最も大きな原因です。
食べ物に含まれる、私たちの生命活動のエネルギー源となる三大栄養素には、炭水化物、たんぱく質、脂質がありますが、主なエネルギー源は炭水化物です。
ご飯やパン、麺類、砂糖が当てはまり、これらが分解されるとブドウ糖となります。
食べ過ぎてしまうと、肝臓でこのブドウ糖を原料に中性脂肪がどんどん作られてしまいます。
◇コレステロールや脂を含んだものの摂りすぎ
コレステロールは卵の黄身やレバーなどの内臓肉、いくらやたらこなどの魚卵、肉の脂身、バター・生クリームなどに多く含まれます。
魚介類でもたこやいか、うなぎもコレステロールを多く含むので、注意が必要です。
戦後、食の欧米化が進み、近年増加傾向にあります。
◇アルコールの飲みすぎ
アルコールを飲みすぎると、肝臓での中性脂肪の合成が促進されやすくなり、結果として血液中の中性脂肪を増やしてしまいます。
また、お酒を飲むことで食欲が増し、食べ過ぎてしまう方もいらっしゃいます。
◇喫煙
たばこを吸うことにより、HDLコレステロールを減らして血液中の中性脂肪が増えることがわかっています。
◇運動不足
血液中の中性脂肪やコレステロールを増やし、肥満を招いてしまいます。
◇ストレス
脂質代謝の異常を起こし、LDLコレステロールを増加させます。
また、ストレスによるドカ食いが肥満を招いてしまいます。
②更年期
更年期とは、閉経前後の約10年間を指します。
女性は更年期を迎えると、エストロゲンという女性ホルモンが減ることで、LDLコレステロールが急激に高くなることがあります。
エストロゲンには、LDLコレステロールを減少させ、HDLコレステロールを増加させる働きがあるためです。
閉経によるLDLコレステロールの上昇は避けられる要因ではありませんが、食事・運動習慣の生活習慣改善に取り組む必要があります。
③脂質値を上げる他の病気がある
糖尿病や肝臓病、腎臓病、甲状腺機能低下症なども脂質異常症を引き起こします。
また、免疫抑制剤、降圧剤、ホルモン剤などの薬が原因で起こることもあります。
④遺伝
脂質異常症を起こす遺伝子を持っている場合も脂質異常症がおこりやすくなります。
代表的なのは、体質的にLDLコレステロールの処理機能に異常があるため、LDLコレステロールが非常に高くなる家族性高LDLコレステロール血症です。
血縁者に高LDLコレステロール、狭心症、心筋梗塞の人がいる場合は検査を受けて注意する必要があります。
3.脂質異常症は放っておいたらいけないの?
脂質異常症は、放置すると心血管疾患のリスクを高めるため、早期の診断と適切な治療が重要です。
①動脈硬化の進行
血中のLDLコレステロールが増加すると、血管壁に沈着して動脈硬化を引き起こします。
これが進行すると心筋梗塞や脳卒中などの重篤な疾患のリスクが高まります2)。
②心血管疾患の主要な危険因子
脂質異常症は、高血圧、糖尿病、喫煙と並ぶ心血管疾患の主要な危険因子とされています2)3)4)。
これらの因子が複数重なると、リスクはさらに高まります。
③無症状でも進行する
脂質異常症は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。
そのため、定期的な血液検査で早期に発見し、治療を開始することが大切です。
当院では定期的な血液検査に加えて、半年~1年に1回頸動脈エコーのフォローも行っています。
4.脂質異常症は改善できる!?
脂質異常は、食生活・運動習慣の影響を受けやすい検査数値です。
逆を言えば、生活習慣を見直せば改善しやすい数値でもあるんです!
どんなことをすればいいのか、食事・運動それぞれみていきましょう( ¨̮ )
①~食事編~
まずタイプ別に食習慣の改善ポイントを説明します(表2)。
表2.タイプ別食事改善のポイント
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より
いかがでしょうか?

タイプ別のポイントがわかったところで、それぞれ詳しく解説していきます✨
【1】食事量を適正にする
以下の表を参考に、主食の食べ過ぎに注意して自分の適正な分量を守るようにしましょう(表3、表4)。
表3.年齢・性別・活動量別1日の推定エネルギー必要量
表3.年齢・性別・活動量別1日の推定エネルギー必要量
性別 | 男性 | 女性 | ||||
身体活動レベル | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
0~5(月) | - | 550 | - | - | 500 | - |
6~8(月) | - | 650 | - | - | 600 | - |
9~11(月) | - | 700 | - | - | 650 | - |
1~2(歳) | - | 950 | - | - | 900 | - |
3~5(歳) | - | 1,300 | - | - | 1,250 | - |
6~7(歳) | 1,350 | 1,550 | 1,750 | 1,250 | 1,450 | 1,650 |
8~9(歳) | 1,600 | 1,850 | 2,100 | 1,500 | 1,700 | 1,900 |
10~11(歳) | 1,950 | 2,250 | 2,500 | 1,850 | 2,100 | 2,350 |
12~14(歳) | 2,300 | 2,600 | 2,900 | 2,150 | 2,400 | 2,700 |
15~17(歳) | 2,500 | 2,850 | 3,150 | 2,050 | 2,300 | 2,550 |
18~29(歳) | 2,250 | 2,600 | 3,000 | 1,700 | 1,950 | 2,250 |
30~49(歳) | 2,350 | 2,750 | 3,150 | 1,750 | 2,050 | 2,350 |
50~64(歳) | 2,250 | 2,650 | 3,000 | 1,700 | 1,950 | 2,250 |
65~74(歳) | 2,100 | 2,350 | 2,650 | 1,650 | 1,850 | 2,050 |
75以上(歳) | 1,850 | 2,250 | - | 1,450 | 1,750 | - |
妊婦(付加量) 初期 中期
後期 |
+50
+250 +450 |
+50
+250 +450 |
+50
+250 +450 |
|||
授乳婦(付加量) | +350 | +350 | +350 |
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より
Ⅰ:低い(生活の大部分が座位で、静的な活動が中心)
Ⅱ:ふつう(座位中心の仕事だが、職場内の移動や立位作業・接客・通勤・買い物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む)
Ⅲ:高い(移動や立位の多い仕事、あるいはスポーツなど余暇における活発な運動習慣がある)
表4.エネルギー別主食の適正量
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より
特に玄米や麦ご飯、ライ麦パンや全粒パンが、LDLコレステロールや中性脂肪を下げるために有効な食物繊維が多く含まれているため、オススメです✨

また、大皿は食べた量がわかりづらく、特に味付けが濃いとご飯も進みがちになってしまいます。
少し手間ですが、1人分ずつ取り分けて食べることをおススメします。
そのほか、調理方法でも脂は落とせます。
油を使わなくてよい調理方法(蒸し・茹でなど)や下ごしらえの時点で余分な脂を切り落とすだけでも脂質は減らせるので、やってみてください。
電子レンジ加熱も時短料理におススメです。
【2】栄養バランスの良い食事を摂る
・1日に必要なエネルギー量の60%を主食から摂るようにしましょう。
1食分の目安は自身の握り拳(グー✊🏻)1個分です。
・主菜(肉・魚・卵・豆腐など)は1食につき60〜100gが適量です。
チョキ✌🏻の大きさ(握り握の面積含む)のたんぱく質を摂るようにしましょう。
・サラダチキンやヨーグルトなどが取り入れやすくておススメです。
副菜は手のひら山盛り1杯分(パー✋🏻の大きさ)を毎食摂れるようにしましょう!
【3】コレステロールの多い食品を控える
コレステロールは、以下の食材に多く含まれています。
これらの表を参考に、食べる回数を減らしたり1回量を少なくして、1日200mgを目安に調整しましょう(表5、表6、表7)。
表5.【肉類・卵類】に含まれるコレステロール量
食品名 | 1回使用量 | コレステロール量 |
鶏レバー | 50~60g | 185~222mg |
鶏卵 | 50g(Mサイズ1個) | 210mg |
卵黄 | 15g(Mサイズ1個分) | 210mg |
豚レバー | 50~60g | 125~150mg |
牛レバー | 50~60g | 120~144mg |
鶏モモ(皮付き) | 80g | 78mg |
牛霜降り肉 | 80g | 58mg |
豚バラ肉 | 80g | 56mg |
豚もも肉 | 80g | 54mg |
牛ヒレ肉 | 80g | 52mg |
鶏ささみ | 80g(2本) | 42mg |
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より
表6.【魚介類】に含まれるコレステロール量
食品名 | 1回使用量 | コレステロール量 |
ゆでだこ | 150g(足1本) | 225mg |
うなぎ(かば焼き) | 90g(1串) | 207mg |
たら白子 | 50g | 180mg |
ししゃも(生干し) | 60g(3尾) | 174mg |
いくら | 30g(大さじ2杯程度) | 144mg |
いか(刺身) | 50g | 135mg |
たらこ | 35g(小½腹) | 123mg |
あわび(殻付き) | 250g(大1個) | 110mg |
あなご(蒸し) | 60g(1尾) | 108mg |
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より
表7.【油脂類・乳製品】に含まれるコレステロール量
食品名 | 1回使用量 | コレステロール量 |
生クリーム | 30g(大さじ2杯) | 36mg |
バター | 13g(大さじ1杯) | 27mg |
牛乳 | 210g(1カップ) | 25mg |
チェダーチーズ | 20g(2㎝角2個) | 20mg |
プロセスチーズ | 20g(約1㎝) | 16mg |
ラード(豚脂) | 13g(大さじ1杯) | 13mg |
ヘット(牛脂) | 13g(小1片) | 13mg |
プレーンヨーグルト | 100g(½カップ) | 12mg |
マヨネーズ(全卵型) | 14g(大さじ1杯) | 8mg |
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より
【4】質の良い油を摂る
油脂を構成する脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
大まかにいうと、飽和脂肪酸にはLDLコレステロールを上げる働きが、不飽和脂肪酸にはLDLコレステロールを下げる働きがあります。
◇一価不飽和脂肪酸(体内でつくれる):オリーブ油など
◇多価不飽和脂肪酸(体内でつくれない):大豆油、菜種油、ナッツなどの植物性油、いわし、さんま、さばなどの青魚
細かい作用は以下の通りです(表8)。
表8.脂肪酸の種類とはたらき
脂肪酸の種類 | 含まれる食品 | LDL
コレステロール |
HDL
コレステロール |
総
コレステロール |
||
飽和脂肪酸 | パルミチン酸、
ステアリン酸など |
肉の脂身、バター、生クリームなど | ↑↑
(とりすぎは) 増やす |
↑
増やす |
↑↑
増やす |
|
不飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | オレイン酸 | オリーブ油、菜種油、アボカド、アーモンドなど | ↓
減らす |
→
変わらない |
↓
減らす |
多価不飽和脂肪酸 | リノール酸
(n-6系) |
サラダ油、コーン油、ごま油、くるみなど | ↓↓
減らす |
↓↓
(とりすぎは) 減らす |
↓↓
減らす |
|
αーリノレン酸
(n-3系) |
えごま油、シソ油、菜種油など | ↘
やや減らす |
↗
やや増やす |
↘
やや減らす |
||
IPA
(イコサペント酸) DPA (ドコサヘキサエン酸) (どちらもn-3系) |
さんまやさば、いわしなどの青魚 | ↘
やや減らす |
↗
やや増やす |
↘
やや減らす |
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より

ただし、飽和脂肪酸を全くとらないのは血管がもろくなる、貧血を起こしやすくなるなどの副作用もあるため、おすすめできません。
脂肪酸はバランスよく摂取することが大切であり、目安は動物性脂肪40%、植物性脂肪を50%、魚の脂を10%摂るとよいとされています。
簡潔にいうと動物性脂肪は摂りすぎないようにし、植物性油は不足しないようにする、魚は積極的に食べるようにしましょう!
魚は特に生で取り入れると効果アップ↑です◎
ただし、お寿司は酢飯が糖質が高く、食べ過ぎは禁物なので気をつけましょう。
【5】食物繊維をたくさん摂る
食物繊維には、胆汁酸を吸着して体外に排泄する作用があります。胆汁酸はコレステロールが原料なので、新しく胆汁酸をつくるために体内のコレステロールを使用するのでLDLコレステロールが低下します。
また、食物繊維は腸内で糖質がゆっくり吸収されるようにする働きがあるため、中性脂肪を下げる効果も期待できます◎
食物繊維は、お野菜のほか、きのこ類、海藻類、こんにゃく、精製度の低い穀類に多く含まれます。
毎回の食事で上手に活用していきましょう!
朝は時間がない方も多いかもしれませんが、炭水化物中心のメニューは血糖値も上げやすく、中性脂肪増加にもつながってしまいます。
食物繊維は中性脂肪やLDLコレステロールを下げる強い味方なので、毎食取り入れることが望ましいです。
前日の夜に多めに副菜を用意する、カット野菜を上手に利用する、コンビニを利用する場合はサラダやスティック野菜を追加するなど、工夫してみましょう。
【6】甘い糖質を控える
砂糖をはじめとした甘いものの摂りすぎは、中性脂肪の合成を高めたり、肥満を招きます。
甘いお菓子を食べるのは1個以下、もしくはジュースは1缶以下にし、習慣化しないようにしていきましょう。
特に夜遅い時間の甘いものは中性脂肪が溜まりやすいです。
間食をする場合は日中・食後にすると、日中の方が活動量も多いので安心です。

また、動物性の脂肪である生クリームやバターを多く使った洋菓子系には気をつけましょう。


牛乳やヨーグルトは無脂肪タイプや低脂肪タイプがあるので、そちらを選ぶとさらに安心ですね。
ジュースは無糖のコーヒーのほかに、風味の付いた炭酸水などに変えると満腹感を得られますよ(*^^*)

果物も一見体に良さそうですが、果糖がたくさん含まれているので食べ過ぎは禁物です⚠️
1日の果物摂取量は、以下の表を参考にしてください。
1日1種類を食べるor2種類を半量ずつを目安にしてみましょう🍎🍌(表9)。
表9.1日の果物適正量
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より
【7】アルコールの摂取量を減らす
前述した通り、アルコールの飲みすぎは、血液中の中性脂肪の増加につながります。
アルコールとして25gが適量と言われており、飲む回数は2日に1回程度に抑えるのが理想です(表10)。
表10.1日のアルコールの適正量
石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社1)より
②~運動編~
成人では、1日合計30分以上を週3回以上(可能であれば毎日)、または週に150分以上中等度以上の有酸素運動を実施することは血清脂質を改善するため、推奨するとされています5)。
ウォーキングや水泳、エアロビクスダンス、サイクリングなどを中心に行っていきましょう。
「運動」と聞くと、しっかり時間を確保して汗かくまでやらなきゃ!
とプレッシャーになりがちですが、外に出なくてもご自宅でできる運動もたくさんあります。
中々運動の時間の確保が難しい方には、寝る前のストレッチや歯磨きしながらのスクワットなどもよく栄養指導でおススメしています✨

生活習慣とセットにすることで、忘れずに行うことができます。
また、下半身は筋肉量が多いため、スクワットで鍛えることによって脂肪を燃焼しやすい体を作ることが期待できます。
運動療法については、以下のブログでも詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

5.まとめ 挑戦しやすそうなことから始めてみよう!
いかがでしたか?
食事は、私たちの毎日に欠かせないものです。

「制限」と考えるとつらくなってしまうこともあると思うので、制限というよりも「こっちを選んだ方が身体は喜んでくれる!」という考え方にしてみてはいかがでしょうか☺
少しでも皆さんの生活習慣のヒントになれば幸いです。
少しずつ、できそうなことから始めて健康な身体を作っていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
6.参考文献
1)石川俊次・忍田聡子(2024)『コレステロール・中性脂肪を下げるおいしい食事』主婦の友社
2)日本動脈硬化学会. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版. 2022.
3)日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2022」
4)日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2023」
5)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」