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糖尿病を食事改善するために管理栄養士が伝えたい!~太りやすい食事5選~

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コーヒーのイラスト 腎臓病

糖尿病を食事で改善するために必須知識【太りやすい食事5選】

こんにちは。あまが台ファミリークリニック管理栄養士の小笠原です。私はクリニックで糖尿病を始めとした生活習慣病の患者さんの栄養指導を行っています。

糖尿病と診断されて不安に思われている方もいらっしゃるかと思います。

疑問を持つ女性のイラスト

  • どう食事に気をつけたらいいの?
  • 何を食べればいいの?

など、不安や疑問はありませんか?

今回は糖尿病の食事療法の考え方として、太りづらい体質を作っていくには、逆に、どういう生活や食事スタイルが太りやすいのか?を考えた方が近道なのです。

太った男性のイラスト

  • 血糖コントロールを目指したい方
  • メタボリックシンドロームを改善したい方
  • ダイエットを目指したい方

上記に当てはまる方は参考にしていただければ嬉しいです。
それでは、一緒に考えていきましょう!

1.太りにくい体質をつくる食事

たとえば、主食、主菜、副菜、汁物のように和食の定食スタイルをイメージしてもらえると良いと思います。

和風定食のイラスト

このような食事がおおよそ500Kcal前後の食事になってきます。

全体的な量などにもよるので、あくまでおおよそのカロリーにはなってしまいますが、イメージしやすくなりましたでしょうか?

こんなご飯を毎回食べることは難しいと思われる方も多いかと思います。
忙しい中で食事をしなくてはいけないため、ファストフードやコンビニなどを利用する方も多いかと思います。

コンビニエンスストアのイラスト

そんな時に参考にしていただければ嬉しいです。

それでは太りやすい食事スタイルを説明していきます。これを知ることでどんなことに注意した良いのかということが分かりますから、最低限ここでせつめいすることは、日々の生活でやらないように意識することが太りにくい体質を作るために大切なことだと思います。

「あと何kgやせたらいいの? 糖尿病をはじめとした病気になりやすい体重を知っていますか?」で、肥満度の計算の仕方や、判定基準についてお話をさせていただいていますので、体重のコントロールについて気になる方は、そちらの記事も参考にしてみてくださいね。

2.太りやすい食事 スタイル5選

①お相撲さんの食事スタイル!?

お相撲さんの食事と聞いて、何を思い浮かべますか?

鍋のイラスト

「ちゃんこ鍋」!

という方が多いですかね? 実は、私もちゃんこ鍋のイメージです(笑)
なぜお鍋が多いかというと、肉類や魚介類、野菜類など色々な食材を食べることができて栄養をバランスよく食べることができるからのようです。

実際はお鍋だけではなく、色々な料理を食べているそうですよ。

では、お相撲さんは1日に何回食事をするのでしょうか?
お相撲さんは朝食なしの1日2回だそうです。

では、なぜお相撲さんは朝食を食べずに、1日2回なのでしょうか?

力士が食事をしているイラスト

3食しっかり食べる事で、新陳代謝を高め体重を落としやすい体作りをすることができます。

しかし、お相撲さんの場合はあえて朝ご飯を抜き、新陳代謝の働きを防ぎ体内の脂肪を燃焼しにくくし、昼にご飯をたくさん食べ体に吸収させることで、体重を増やしていくのです。

朝食を抜くことが多いという人は要注意です!
朝食を抜いてしまうと、体がエネルギー不足になるので、筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとするため、筋肉の減少につながります。筋肉はたくさんのカロリーを消費してくれるので、筋肉が減るとカロリーを消費しにくい体になってしまうのです。

また、朝食を抜いた後の昼食は脂肪がつきやすくなってしまいます!
長く空腹状態が続いた後なので、血糖値が上がりやすくなり、血糖値を維持する役割を持つ「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。このインスリンは血糖値を下げる際に糖を脂肪に変える働きがあるので、大量に分泌されると太りやすくなってしまうのです。

忙しい日常の中で朝食を食べることが難しいときもあると思います。また、朝食を食べたくない時もあると思います。

ですが、朝食を抜くことで肥満体質になりやすくなってしまうのです。
そんな時にお勧めな食事は

例えば

鮭のおにぎりのイラスト

  • パターン1  一口おにぎり・市販の卵豆腐や茶わん蒸し、めかぶ
  • パターン2  全粒粉パン・サラダチキン・千切り人参・レタスのサンドウィッチ、ヨーグルト
  • パターン3  一口おにぎり・具だくさんスープ

などはいかかでしょうか?

スープレシピの紹介です。

あさりの豆乳スープ(2人分)レシピ

あさりのイラスト

  • あさり(殻付き)   200g
  • キャベツ       100g
  • 玉ねぎ        60g
  • ベーコン       40g
  • しめじ        30g
  • にんにく(お好みで) 1/2片程度
  • オリーブオイル    大さじ1/2
  • 豆乳(無調整)    200ml
  • 水          100ml
  • コンソメ       大さじ1/2
  • 塩・ブラックペッパー 適量
  1. キャベツは一口大程度にざく切りにし、玉ねぎは2㎝の角切り、ベーコンは1㎝幅にカット、お好みでにんにくはみじん切りにする。あさりは砂抜きをする。
  2. 鍋を火をかけて、オリーブオイルでにんにく、ベーコンを炒める。にんにくは焦げやすいので注意してください。にんにくの香りがしてきたら、玉ねぎを加えて炒めます。
  3. 玉ねぎがしんなりしてきたら、水とキャベツとあさりを加えて、火にかけます。あさりの口がひらいてきたら、コンソメと豆乳を加えて加熱します。
  4. ふつふつしてきたら、塩・ブラックペッパーで味を調えて完成です。

あさりは強い火で加熱しすぎてしまうと、身が縮んで固くなってしまうの注意してください。豆乳がない場合は牛乳でも大丈夫です。

春は春キャベツや新玉ねぎを使用すると、優しい甘みが増すので野菜の食感や風味で季節を楽しんでもらえると嬉しいです。

新玉ねぎのイラスト

胃腸の働きを助けるキャベツと肝臓の機能向上を助けるあさりのスープで体を温めてはいかがでしょうか?

ポイントとしては、食欲がないときでも炭水化物・たんぱく質・脂質・食物繊維を少しでも取り入れて頂くことだと考えています。

②お腹ほっそり!?目指せ15分以上!!

栄養指導をさせて頂いている中で、「早食い」・「良く噛まない」という方が多いという印象を受けます。

早食いのイラスト

仕事や家事・育児などで忙しい日常の中で、食事もスピーディに短時間で済ませてしまうことが多くなりがちなのかもしれません。しかし、早食いは肥満の原因、血糖値の変動を大きくする原因になるので注意が必要です。

では、どのくらいの時間を目安に食事をするといいのでしょうか?
それは15分です。

どうして15分なのか説明をしていきたいと思います。

血糖値のイラスト

食べ物を摂取すると血液中の血糖が増加し、血糖値が上昇します。満腹中枢がこれを感知し、「これ以上食べる必要がないよ」と体に伝えます。もしも、満腹中枢が正常に機能しないと、どれだけ食べても満腹感を得られなくなってしまいます。

さらに満腹中枢は交感神経の中枢でもあるので、良く噛んで食べることで脳の神経が活性化されると、交感神経を経由して内臓脂肪を燃えやすくしてくれます。

満腹中枢が血糖値の上昇を感知するまでに約15分かかるとされています。15分以上けかけて食事をすることで、食べすぎの防止にもつなげることができるのです。

研究している人のイラスト

九州大学が行った2型糖尿病の日本人約6万人を対象とした研究で、食事の速度が肥満やBMIに影響を与えること明らかにしました。
早く食べる人ほどBMIや復位が上昇するというのです。

BMIが25以上の肥満の割合は

  • 食べる速度が速い人では44.8%
  • 普通の人では29.6%
  • ゆっくりな人では21.5%

食べる速度がゆっくりであるほど肥満の割合が少ないことが分かりました。

また食べる速度はウエスト周囲径にも影響します。

ウエストを測るイラスト

ウエスト周囲径の平均は

  • 食べる速度が速い人では86.8cm
  • 普通の人では82.8cm
  • ゆっくりな人では80.1cm

食べる速度がゆっくりであるほどお腹周りも引き締まることが分かりました。

おもしろい研究ですね。ゆっくり食べるほど、肥満の割合が減り、ウエスト周囲も引き締まる傾向があるんですね。食習慣が大切だと感じることができます。

忙しい中で食事をゆっくりなんてとれないと考える方は多いと思います。

例えば、

食事する家族のイラスト

  • 3食のなかの1食どこかの時間はゆっくり食べる時間にしてみる
  • 噛む回数がをまずは5回増やしてみる

などはいかかでしょうか?試していただければ嬉しいです。

③人気者にはご注意を!

甘い食べ物はお好きですか?実は私も大好きなんです。
プロフィールでも書かせて頂いておりますが、洋菓子を作ることが趣味なんです。もちろん洋菓子を食べることも好きです。

ショートケーキのイラスト

好きな物を継続して食べないというのは、忍耐力とストレスがかなりかかってきてしまいます。
栄養指導の中でも、「量や頻度に気をつけてくだいね」とお話をさせて頂くことがあります。

それでは、どんな風に気をつけていけばいいか考えていきましょう。

チョコいちごのイラスト

糖尿病を治療するうえで、気をつけなければならないことがあります。それは、間食をすることで血糖値に大きな影響を与えるリスクがあるということです。

特に血糖値に大きく影響する栄養素は糖質です。一般的な甘いおやつには糖質が多く含まれていますので、食べると血糖値は急激に上がります。

しかも糖尿病での血糖値は、上がりやすく下がりにくくなっています。そのため、食後高血糖になりやすいという特徴があるのです。
なので、食後高血糖が日常化すると合併症発症のリスクが上がってしまいます。

例えば間食におやつを食べ、血糖値が下がり切らないまま次の食事が始まると、おやつ分の血糖値が上乗せされて高血糖状態になってしまいます。

そして、血糖値が下がりにくい糖尿病患者さんの高血糖状態は長く続く可能性が高く、おやつを食べた時間帯によっては、夜間の血糖値が下がらないまま翌朝を迎える可能性まであるのです。

睡眠のイラスト

このような状況が日常的に続くと、血糖値が平均的に上がり(=HbA1cが上がり)、合併症のリスクが高くなってしまいます。

間食は、「何を食べるか、どのくらいの量を食べるか」 が大切です。

厚生労働省が推奨している間食の目安は、エネルギーなら80Kcal~120Kcal程度(多くても200Kcal未満)、糖質なら10g程度としています。この程度の量なら、血糖値への影響を心配せずに安心して食べることができます。

おやつの糖質10gの目安

プリン2/3個分
プリンのイラスト
シュークリーム1/2個分
シュークリームのイラスト
ショートケーキ1/5個分
ショートケーキのイラスト
大福1/5個分
大福のイラスト
どら焼き1/6個分
どら焼きのイラスト
1個100gあたり
エネルギー
130Kcal
1個100gあたり
エネルギー
200Kcal
1個100gあたり
エネルギー
300Kcal
1個100gあたり
エネルギー
240Kcal
1個100gあたり
エネルギー
270Kcal
1個100gあたり
糖質15g
1個100gあたり
糖質25g
1個100gあたり
糖質45g
1個100gあたり
糖質50g
1個100gあたり
糖質60g

しかし、「食べられるおやつの量は、予想以上に少ない」 と感じたでしょう?例えば、ナッツ類はいかかでしょうか?

ミックスナッツのイラスト

ナッツ類の糖質量は、他のあらゆる食品と比べてとても少ないのが特徴です。
さらにナッツ類には噛みごたえがあるので、少量でも満腹感を得られやすいという利点があります。

しかし気をつけたいのは、ナッツ類のカロリーなんです。
糖尿病食事療法のための食品交換表で、油脂類と同じグループに属するナッツ類は高カロリーです。

それでは、適切な量はどのくらいなのでしょうか。
おやつとしてナッツ類を食べる場合、80kcal分の量を目安にすることをお勧めします。

  • 素焼きアーモンド…15粒
  • ピーナッツ…12粒
  • くるみ…8粒
  • カシューナッツ…10粒

チョコレートのイラスト

また、チョコレートなら、ハイカカオチョコレートはいかかでしょうか?
ハイカカオチョコレートとは、カカオ成分が70%以上のチョコレート。カカオのポリフェノール効果も期待できるチョコレートのことを言います。

血糖値の上昇が抑えられ、血糖高値を継続的に下げることが期待されています。
血糖値に良い効果が期待できるハイカカオチョコレートなら、日常的に取り入れても安心ですね。
おやつとして午前と午後に食べたり、食前に食べるのも良いでしょう。

しかし、1回に食べる量は少なめに。理想は1回あたり、ハイカカオチョコレート1片5g程度が目安です。

ヨーグルトのイラスト

フルーツやヨーグルトなども上手に間食を取り入れながら、血糖値のコントロールに気をつけていきたいですね。

④メインキャラにもサブキャラにもなります!

野菜はお好きですか?
糖尿病の方のお話を聞いていて、「野菜は苦手なんだよね」という方が多いと感じています。

野菜が苦手な子供のイラスト

なぜ野菜を食べないといけないのか考えていきたいと思います。

  • 野菜類、海藻類、きのこ類などに含まれている食物繊維は血糖値を下げる
  • コレステロールの排出を促進、腸内環境の改善などの役割があります。
  • カリウムは、余分はナトリウム(食塩)体外に排出してくれる役割があり、血圧を下げる効果があります。
  • ビタミン類は皮膚や粘膜を細菌の感染から守ったり、乾燥を防いだり、強い抗酸化作用をもち老化や生活習慣病の引き金になる脂質が参加されることを防止したりなど様々な役割を担っています。
また、多くの研究で、野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、ある種のがんにかかる確率が低いという結果が出ています。

野菜は低脂肪、低エネルギーでありながら「かさ」が多いことから、満腹感を与えてくれます。
反対にかさが多いと食べにくいということがあるかもしれません。

キャベツのイラスト

例えばキャベツなど葉物を食べるときは、熱を加える(例えば電子レンジにかける、ゆでるなど)と、かさは小さくなって食べやすくなります。

調理法による野菜の量

野菜を多く食べられる料理「野菜とお肉の重ね蒸し」を紹介します。

  1. お鍋(できれば平鍋)に白菜(またはキャベツ)などの野菜をざく切りしたものを豚肉などと交互に重ねて入れます。
  2. 少量の日本酒(または水)を入れて、フタをして火加減に注意しながら(焦がさないように)、お肉の色が変わり野菜がしんなりするまで熱します。
  3. お好みでポン酢などに付けて召し上がってみてください。

ポン酢のイラスト

とても簡単で、自然とたくさん野菜を食べることができます。料理が苦手な人や普段料理をしない人もぜひチャレンジしてみてください。

「健康日本21」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つに「野菜類を1日350g以上食べましょう」と掲げられています。

また、野菜を食べる際にドレッシングをたっぷりかけたり、塩辛い漬物としてたべたりしていませんか?

ごまドレッシングのイラスト

それでは、それでは、野菜類の大切な効果が半減してしまう可能性があります。

市販のドレッシングの代わりに、簡単ドレッシングを作り方です。

レモンのイラストコショウのイラスト

  1. 塩・胡椒(私はブラックペッパーが好きなので、ブラックペッパーを使います)レモン汁を野菜と和えます。
  2. オリーブオイルやえごま油などをかけて完成です。
  3. お好みで、砕いたナッツをプラスしても美味しいです。

適度な塩加減とレモンのさわやかな香りで、さっぱりとサラダを食べることができるんです。良かったら試してみてくださいね。

サラダのイラスト

それと、ベジタブルファーストを忘れずに心がけてみてくださいね。
糖尿病の食事療法~気を付けたい5つのポイント~ | 健康によい食事療法-管理栄養士監修 (amagadai-fc.com)
ベジタブルファーストの大切さについて書かせていただいているので、参考にしてみてくださいね。

⑤体重増加の隠れ犯人!?

コンビニやスーパーなどでさまざまな種類のフルーツや野菜のジュースが販売されています。健康的なイメージがありますが、炭水化物(糖質)の量をチェックすると、意外に多く含まれているものがあります。

野菜ジュースのイラスト

オレンジジュース(濃縮還元ジュース)の場合、100g当たりのカロリーは42kcal、糖質は10.7g、うち吸収の速い単糖が7.9含まれています。
200mLのパックであれば糖質を20g以上摂取する計算になってしまいます。
野菜ジュースも同様で、「炭水化物=糖質」と考えると、200mLのパックであれば15〜20g摂取することになります。
鮭のおにぎりのイラスト
おにぎり1個のカロリーは180kcalで、炭水化物が40g含まれるています。
野菜ジュースだけでその半分を摂ってしまうことになるのです。

「健康的な食生活」を心がけていても、なかなか体重が減らないという場合は、果物や野菜のジュースを飲む習慣が影響しているかもしれません。

フルーツジュースも野菜ジュースも、液体なので、固形物をしっかり噛んで食べる場合よりも、より吸収が速く、血糖値を急激に上げてしまうおそれがあります。

果物のイラスト

もし果物を食べるのであれば、ジュースにせずに、そのまま固形で食べることがお勧めします。

果物には食物繊維も含まれ、よく噛んで胃で分解され、小腸に少しずつ流れていき、栄養素が少しずつ吸収されていきます。

小腸のイラスト

果物も糖質が多めに含まれるので、糖尿病の人にとって食べ過ぎは良くありませんが、有用な栄養が多く含まれているので、甘い物が欲しくなった時の間食として適量であれば、ほとんどの場合で問題はないのです。

フルーツの適量は100g~200g程度とされています。

糖質の多い果物などもありますので注意は必要ですが、フルーツに含まれるビタミン類やカリウムはとても大切な栄養素になりますので、ぜひ摂っていきたいですね。

「健康のために良い」と思って飲んでいるフルーツジュースが、体重増加につながっているかもしれません。

ハーバード公衆衛生大学院が18万7,382人を対象にした調査で、糖質の少ない果物をよく食べる人は糖尿病のリスクが低下することが明らかになった。
ブルーベリーのイラスト
調査の結果、ブルーベリー、ブドウ、レーズン、リンゴ、西洋ナシなどの果物を、週に3回食べていた人では、2型糖尿病を発症する割合が約10%低下したことが明らかになった。
リンゴのイラスト
特にブルーベリー、ブドウ、リンゴを週に2回以上食べていた人では、まったく食べない人に比べて糖尿病のリスクが23%減少した。
逆に、フルーツジュースを毎日飲む人では、糖尿病リスクは21%上昇していた。
また、1週間に飲むフルーツジュースのうちの3回分を、果物をそのまま食べるように変更すると、糖尿病のリスクは7%減少した。
野菜ジュースでも同じような調査結果が出ており、どんなに健康に良い食品でも、ジュースとして加工することで効果が減少することが示されている。

反対にお勧めの飲み物は、コーヒーやお茶です。

コーヒーのイラスト

コーヒーには2型糖尿病の発症リスクを低下させるという研究結果が発表されているのです。

コーヒーに含まれている「クロロゲン酸」などのポリフェノールには、血糖値の急上昇を抑えて糖尿病を予防する働きがあることがわかっています。

1日あたり7杯以上のコーヒーを飲む人は、1日2杯以下の人と比較すると糖尿病の発症リスクが半分まで抑えられるという驚きの研究結果です。とはいっても、「さすがに1日7杯も飲まないよ」という人も少なくないでしょう。

もちろん、1日3~4杯でも糖尿病予防や高血糖抑制の効果は期待できるので安心してください。

2009年に、当時の国立国際医療研究センターが発表した研究結果によると、40~69歳の日本人5万人以上を対象とした「JPHC研究」では、ほとんどコーヒーを飲まない人に比べて「1日3~4杯程度飲む」と答えた人の糖尿病発症リスクが、男性で18%下がり、女性では38%も低下することが明らかとなりました。

しかし、不整脈持ちの方やカフェインが苦手な体質の方も多いでしょう。
最近では、ノンカフェインのコーヒーも多く販売されるようになっています。

ドリップコーヒーのイラスト

もちろん、ノンカフェインでもコーヒーに含まれるポリフェノールの含有量は変わらないため、血糖値の急上昇を抑える作用や、2型糖尿病を予防する効果が得らます。

また、コーヒーのポリフェノールは抗酸化作用が高いので、老化や病気の原因になる「活性酸素」を取り除く効果も期待できるのです。

心臓が痛い人のイラスト

高血糖抑制はもちろんのこと、肝臓がんや肝硬変、パーキンソン病の予防、心筋梗塞の生存率上昇にも効果的だといわれています。

糖尿病患者の場合には、砂糖を入れずにブラックで飲むのがベストですが、どうしても飲みにくいときには少量のはちみつやミルクを足しても構いません。

コーヒーミルクのイラスト

研究結果によると、1日3~5杯のコーヒーが推奨されていますが、苦手な方は1日1杯でも良いので、ぜひ生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

いかがだったでしょうか? 心がけられそうなことはありましたか?

まとめ

今回は太りやすい食事のポイントをご紹介させていただきました。

  1. 1日3食を摂るように心がけましょう
  2. 15分以上ゆっくり時間をかけて、良く噛んでたべましょう
  3. 間食は上手に取り入れつつ、エネルギー200Kcalまたは糖質10g未満を目指しましょう
  4. 野菜類、海藻類、きのこ類など取り入れるように心がけましょう
  5. 野菜ジュース、果物ジュースの摂りすぎに注意して、野菜や果物を食べるように心がけましょう

このような食習慣に気をつけて、痩せ体質を目指していきましょう!
食習慣の改善や、体重のコントロール、血糖のコントロールの参考にしていただければ嬉いです。

当院 細田院長のブログやYouTubeも合わせて読んで頂くと、知識がますます深まるのでご覧になってみてください。
体重コントロールを行いつつ、これからも生活を楽しんでいきましょう。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

 

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

年間15,000人以上の患者さんを診察している総合診療専門医。
総合診療という専門分野を生かし、内科、皮膚科、小児科、生活習慣病まで様々な病気や疾患に対応している。
YouTubeでよくある病気や患者さんの疑問に対して解説している

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引用・参考文献
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」
保健指導リソースガイド
Effects of changes in eating speed on obesity in patients diabetes: a secondary analysis of
Longitudinal heath check-up data(British Medical Journal 2018年2月12日)
厚生労働省 食事バランスガイド
糖尿病患者さんと医療スタッフのための情報ガイド「糖尿病ネットワーク」
Association of 100% fruit juice consumption and 3-year weight change among postmenopausal women in the in the Women’s Health Initiative(Preventive Medicine 2018年2月8日)

食事指導を受けたい方へ

この記事の監修者
細田 俊樹
  • 医療法人社団緑晴会 あまが台ファミリークリニック 理事長
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 家庭医療専門医

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