- 最近おなか周りが気になる
- 健康診断で指摘を受けた
- 夏に向けて服を素敵に着こなせるようになりたい
- 昔の体系に戻りたい
…など、ダイエットしたい!!と考えたことはありませんか?
こんにちは。あまが台ファミリークリニックの管理栄養士の小倉です。
自身は糖尿病内科を標榜するクリニックで肥満や糖尿病、高血圧の患者さんなどの栄養指導をしています。
私も妊娠前の体重に戻りたいと考えているうちの一人です(^^;)汗
どうぞよろしくお願いします( ¨̮ )
管理栄養士が伝える健康的にダイエットするための方法3選【食事法から運動の方法まで具体的に解説!】
ダイエットとは?
英語の「diet」は日常的な食事・食べ物を意味します。
日本でいうダイエットとは、食事の量を制限したり、エクササイズや運動をしたりして減量し、「痩身」になることと同義で使われています。
まずは、自分は本当にダイエットが必要なのか?というところを明確にしていきましょう。
BMIってなに?
BMIとは、体格を表す指標のことです。
以下の式で計算できます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
この数値によって、やせや肥満の判定ができます。
目標とするBMIは、年齢によって異なります。(表1)
BMIが18.5未満はやせ、25.0以上は肥満となります。
BMIは統計により、22が最も病気になりにくいとされています。
しかし、その範囲であっても、腹囲が基準を超えていたり(男性:85cm、女性:90cm)、血圧や血糖が高めである方は、食事の内容や生活の質を見直す必要があるので、先生や管理栄養士に相談しましょう。
その反対に、筋肉量が多い方はBMIが高くなってしまいますが、体脂肪率が低い場合もあります。
BMIは身長と体重を使って単純に計算された値であり、筋肉量や体脂肪率を反映していません。
そのため、筋肉量が多い方は体脂肪率など他の健康指標も考慮する必要があります。
あくまで目安になりますが、今自分がどこに当てはまるのか、ぜひ計算してみてください。
体重コントロールをしよう
体重が増える・減るメカニズム
私たちの体重は、身体活動による消費エネルギーと食事による摂取エネルギーでバランスを取っています。
消費エネルギーが摂取エネルギーを上回れば痩せていきますし、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば太っていきます。
じゃあ痩せるためには食べる量を減らしていけばいいんだ!
と考えられた方、いらっしゃると思いますが、ストップです!
上記でも申し上げた通り、
大事なことなので2回言いました。
極端な食事制限をすると、一時的に体重を減らすことができたとしても、
- ストレスがたまる
- 食物繊維不足による便秘
- カルシウムやビタミンD不足による骨粗鬆症
- 鉄分不足による貧血、月経異常
など、健康を損なうリスクとなる恐れがあります。
- 「食べない以外に痩せる方法はあるの?」
- 「何から始めればいいの?」
- 「病院に行かなければいけなくなるのは嫌だな…」
という方に向けて、どのようなことに気をつけていけばいいのか以下で解説していきます!
健康的にダイエットする方法とは?
極端な食事制限はリスクがあることがわかりましたね。
身体が不調を訴えることなく、健康的にダイエットできたら嬉しいですよね。
今すぐみなさんが試せること、あります!
ポイント3選を活用して、可能なものから実践していきましょう。
生活リズムを整え、1日3食しっかり食べよう!
朝ご飯を食べる習慣がない…という方、意外といらっしゃいます。
睡眠をしっかり取り、朝きちんと起きて1日3食食べるというリズムを作ることが大切です。
毎日ある程度同じ時間にできるとなおgoodです。
食生活や生活習慣が多様化した現在では、過食や運動不足による「肥満」や「メタボリックシンドローム」がある一方で、不健康なダイエットなどによる「やせ」も社会問題となっています。
炭水化物には食物繊維も含まれているので、極端に減らしてしまうと便秘の原因になってしまいます。
また、「エネルギー源となる炭水化物を摂らない」=「筋肉を分解してエネルギーを作ること」になってしまうため、筋肉量が落ちてしまいます。
主食・主菜・副菜の栄養バランスの取れた食事を摂ることがキーワードになってくるので、適切な量を、3食しっかり食べましょう。
農林水産省が食事バランスガイドというものを出しているので、1日分の参考にしてみてください。
農林水産省 食事バランスガイドより
例えば、50代女性、活動量ふつうの方の食事例です。(表2)
表2.1日の食事例
この食事例だと、乳製品と果物が1つずつ足りないかな…
といった具合にみていきます!(表2)
また、性別や年齢、活動量によって目安量は異なるので、以下の表を参考にしてください。(表3.4)
表3.男性の1日分目安量
表4.女性の1日分目安量
・低い:1日中座っていることがほとんど
・ふつう:座り仕事が中心だが、歩行・軽いスポーツ等を5時間程度は行う※赤枠で囲った部分に当てはまる方が多いことを踏まえて基本形とし、バランスガイドの図も基本形を用いています。
間食習慣を見直そう
一般的には1日200kcalが適量といわれています。
下の表でいうと、ケーキだったら半分、チョコレート半分+ヨーグルトで約200kcalになりますね。
ダイエットをしたい方や、血液検査の結果が気になる方は、食事だけでなく間食も含めて調節していきましょう。
厚生労働省 間食のエネルギーより
「習慣化してしまえば苦にならない」
ということを教わりました。
育休中はおやつ習慣ができてしまっていた私ですが、仕事が始まって時間を取るのが難しくなったこともあり、ほとんど間食しなくなりましたが特に苦は感じていません!
間食はしていけないわけではありませんが、洋菓子やスナック菓子には炭水化物・脂質が多く含まれるもの、塩分が多く含まれる物が多いです。
たんぱく質が豊富なヨーグルトや、脂肪分が少なく、食事で不足しがちなビタミンも補えるフルーツに置き換えてみるのもおススメです(^^♪
ただし、飲むヨーグルトにはお砂糖も多く使われているため注意しましょう!
無糖ヨーグルトにご自身で少しお砂糖を足したり、フルーツと一緒なら、お砂糖を足すことなくおいしく召し上がれます。
運動習慣を見直そう
体重が増える・減るメカニズムでもお話した通り、消費エネルギーと摂取エネルギーのバランスが必要になってくるため、運動習慣も見直してみましょう。
厚生労働省が出している、健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023では、以下の内容が推奨されています。(表5)
表5.身体活動量の目安
また、生活活動、運動の強度を以下の表にまとめてみました。(表6.7)
普通に歩く時の強度(3メッツ)を基準として、参考にしてみてください。
65歳以上の方は、3メッツに値する運動でなくても、1メッツ以上の生活活動や運動があるので、痛みのない範囲で行ってください。
表6.生活活動のメッツ表
メッツ | 生活活動の例 |
1.8 | 立位(会話・電話・読書)、皿洗い |
2.0 | 料理や食材の準備、洗濯、子どもを抱えながら立つ、洗車 |
2.2 | 子どもと遊ぶ(座位・軽度) |
2.5 | 植物の水やり・子どもの世話 |
2.8 | ゆっくりした歩行、子ども・動物と遊ぶ |
3.0 | 普通歩行、家財道具の片付け、ギター演奏(立位) |
3.3 | フロア拭き、掃除機、身体の動きを伴うスポーツ観戦 |
3.5 | 階段を降りる、風呂掃除、草むしり、車いすを押す、原付の運転 |
4.0 | 自転車に乗る、階段を上る、ベッドの乗り降り |
4.3 | 苗木の植栽、農作業(家畜にえさを与える) |
5.8 | 子どもと遊ぶ(歩く、走る)、家具の移動 |
7.8 | 農作業(干し草をまとめる、納屋の掃除) |
8.3 | 荷物を上の階へ運ぶ |
表7.運動のメッツ表
メッツ | 運動の例 |
2.3 | ストレッチ |
2.5 | ヨガ、ビリヤード |
2.8 | 座って行うラジオ体操、楽な強度で行う筋トレ(腹筋運動) |
3.0 | ボウリング、バレーボール、社交ダンス、ピラティス |
3.5 | 体操(家で、軽・中等度)、ゴルフ |
3.8 | ほどほどの強度で行う筋トレ(腕立て伏せ、腹筋運動) |
4.5 | テニス(ダブルス)、水中歩行 |
5.0 | 野球、ソフトボール、サーフィン、バレエ、筋トレ(スクワット) |
6.0 | ゆっくりとしたジョギング、ウェイトトレーニング、バスケットボール |
6.5 | 山を登る(~4.1㎏の荷物を持って) |
7.0 | ジョギング、サッカー、スキー、スケート、ハンドボール |
7.3 | エアロビクス、テニス(シングルス)、山を登る(4.5~9.0㎏の荷物を持って) |
8.0 | サイクリング、激しい強度で行う筋トレ(腕立て伏せ、腹筋運動) |
9.0 | ランニング(139m/分) |
10.3 | 武道・武術(柔道、空手、キックボクシング、テコンドー) |
全く運動習慣がない方は、週1回散歩する、お家でストレッチや筋トレをするなど、まずは無理なく続けられそうなものを見つけるのもいいですね。
(※足腰が悪い方は、痛みのない範囲で行ってください)
体重別の運動に対するエネルギー消費量は以下の通りです。(表8)
例えば、体重60kgの方が息切れするくらいの速さで10分歩いたとすると、40kcal消費することができます。これはご飯1杯分の1/6程度にあたります。
表8.体重別エネルギー消費量
高齢期のロコモやフレイルは、要介護の原因にもなるため予防が重要です。
全年代共通して言えることは、個人差を踏まえ、可能なものから取り組む、今より少しでも多く身体を動かすということです。
若い頃の生活習慣が将来のメタボやロコモに影響するので、若い方でも「まだ若いから大丈夫」と思わず、今のうちから食生活や運動習慣を見直しましょう。
まとめ
ここまで健康的にダイエットする方法をご紹介させていただきました。
1.自分は本当にダイエットが必要なのか?というところを明確にしていきましょう
2.自分のBMIを知ることから始めましょう
3.体重が増える、減るメカニズムを理解しましょう
4.健康的にダイエットする方法とは?
特に以下の3つが重要なポイントです◎
①生活リズムを整え、1日3食しっかり食べましょう
②間食の内容・量に気をつけましょう
③今より少しでも多く身体を動かしましょう
いかがでしたでしょうか?
今自分に必要なこと、継続していきたいことなどの参考になりましたでしょうか。
不安なことや気になることがありましたらいつでも先生や管理栄養士にお声がけください。
少しでもお力になれますと幸いです(*^^*)
最後までお読みいただきありがとうございました!
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参考文献
1)ダイエット|e‐ヘルスネット(厚生労働省)https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-090.html
2) eヘルスネット(厚生労働省)ー健康的なダイエット:
適切な体重管理で、健康づくりをしよう!
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-009.html
3)食事バランスガイドについて|農林水産省
https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
4)間食のエネルギー(カロリー)|eヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-013.html
5)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023
https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf
6)広報誌「厚生労働」2021年11月号特集1
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou_kouhou/kouhou_shuppan/magazine/202111_00001.html