糖尿病生活習慣病

放置厳禁 ! 糖尿病 の 食事療法 守るべき ポイント 5選

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食事をする女性のイラスト 糖尿病

糖尿病の食事療法 守るべきポイント5選

皆さんこんにちは!
あまが台ファミリークリニック管理栄養士の小島です。糖尿病をはじめとした生活習慣病を中心に栄養指導を担当しています。

今日は、皆さんにぜひ知ってほしい内容です!

食事をする女性のイラスト

クリニックで直接お伝えすることもできるのですが、1回20分程度の栄養指導ではお伝えできることにも限界があり、クリニックに来れない方にも、少しでも病気予防のお役に立てればと思い、今回は【糖尿病の食事】をテーマに基本のポイント5選をご紹介します。

特に

  • 糖尿病の食事療法を始めようと思われている方
  • 家族が糖尿病になってしまったけど、悪化させないために自分ができることはあるのか
  • 糖尿病の食事を改めて確認したい

と考えられている方に有力な情報となっています。

糖尿病の仕組みについて

では、まず糖尿病の仕組みについておさらいです。

病院や、テレビで聞いたことがある方も多いかとおもいますが、私たちの体は膵臓から分泌されるホルモンが働き、血糖値を調節しています。

インスリン注射を打つ男性のイラスト

食後に血糖値を上げるホルモンはたくさんありますが、下げる役割を持つのは【インスリン】というホルモンしかありません。

この膵臓から分泌されている【インスリン】の分泌が低下したり、過食・肥満・ストレス・加齢によって働きが妨げられると、血糖値のコントロールが上手くいかなくなり、糖尿病を発症します。

つまり、血糖値が高くなる→糖尿病発症という仕組みとなっています

糖尿病から起こりやすい〜恐ろしい合併症〜

糖尿病になり、血糖値が高い状態が続くと、全身の血管が錆びたように脆くなってしまいます。そして、糖尿病には合併症と行って、糖尿病が原因で起こる病気がいくつかあります。

血糖値をはかるイラスト

例えば

  • 立ちくらみや感覚の麻痺、足の痺れ・壊疽などを引き起こす糖尿病神経障害
  • 血管に障害が起こり、視力の低下を引き起こす糖尿病網膜症
  • 透析導入の原因第1位でもあり、腎臓の機能が下がる、糖尿病性腎症

などがあります。
合併症を引き起こしてしまうと、脳梗塞や、心筋梗塞といった血管の病気のリスクが高くなります。

糖尿病の治療の基本について

2型の糖尿病の方は生活習慣が原因であることが多いです。

そのため、糖尿病治療は

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

の3本柱を基本として治していくことがポイントとなります。

運動をする人のイラスト

皆様の中には、薬を飲めば大丈夫!と思われている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、薬を飲むだけでは、根本的な治療は難しいです。

お食事と運動は正しく利用するとお薬の効果を高め、お薬に頼らなくても血糖値をコントロールできるようになる方も多くいらっしゃいます。

→糖尿病食事療法の基本は、食事で、血糖値をコントロールすること!

糖尿病の食事 基本のポイント5選

自分に見合ったエネルギー量をとるようにしましょう

皆さんは自分の適切なエネルギー量をご存知でしょうか?

適切なエネルギーは目標の体重や、生活習慣などによっても異なりますが大体【目標体重(kg)×身体活動量】で求めることができます。

体重計のイラスト

目標体重の目安は 【身長(m)×身長(m)×22】

身体活動量は

  • 軽い労作(大部分が座位の活動)→25〜30
  • 普通の労作(座位中心だが、通勤・家事、軽い運動を行う)→30〜35
  • 重い労作(力仕事、活発な運動習慣がある)→35〜
  • 肥満者の場合は20〜25としてまずは5%の減量を目指す
  • 医師や管理栄養士から指示がある方はそれに従ってください
(例)身長165cm・現体重70kg・目標体重60kg・既婚 50歳・男性・デスクワーク中心
→ 1.65×1.65×22≒60kg(目標体重)
60kg×30=1800kcal(目標エネルギー)

バランスの良い食生活を心がけましょう

⑴で自分に合ったエネルギー量を知ることができたと思いますが、

エネルギーだけ数値に合わせていれば、何を食べてもいいのか?

というわけではありませんね。

血糖コントロールの鍵を握るのは【何を選んで食べるのか】=食材・食品の選択です

炭水化物のイラスト

  • エネルギーの素となるのは炭水化物・脂質・たんぱく質です
  • たんぱく質は筋肉や臓器などの構成成分のみならず、様々な働きをしています
  • 骨や、歯の材料となるのは、カルシウムなどのミネラルです
  • 身体の働きを正常に保つために様々なビタミンやミネラルが必要です

バランスの良い食事は日本食ならではの定食スタイルをベースにすること

【一食分の食事イメージ】

  • 主食・主菜・副菜の3品を揃えるようにしましょう
  • 野菜やきのこ・海藻類などの副菜は毎食取り入れましょう

血糖値の上昇を穏やかにする食品

炭水化物の中で特に、糖質(砂糖や、小麦粉など)を摂取した際に血糖値の上昇が急激になりやすいです。

小麦粉のイラスト

糖質に偏らず、炭水化物の中でも食物繊維の多い食品をとりましょう(表の低GI食品)

食物繊維は吸収されにくく、糖質の吸収を穏やかにしてくれます。
→結果食後血糖値の上昇を防ぎます
・食物繊維は1日20gを心がけましょう
→1食7g程度

【食材のおおよその食物繊維含量】

ごぼうのイラスト

  • ごぼう1本/10.3g
  • 人参1本/3.6g
  • 椎茸1個/0.7g
  • 干し柿1個/4.2g
  • バナナ1本/1.7g
  • 絹ごし豆腐1丁(200g程度)/0.6g
  • 木綿豆腐1丁(200g程度)/0.8g

血糖値の上昇を小さくする食べ方

糖尿病では、食事をした時に、血糖値が上がりすぎないように食べ方を工夫する必要があります。
血糖値の上昇を小さくする食べ方は

野菜サラダのイラスト

  • 野菜料理から食べ、炭水化物は食事の後半にとることを心がけると良いでしょう
    (例・野菜サラダ→おかず→ご飯)
  • 野菜は1食で、生野菜で両手に収まるくらい・茹で野菜だと片手で収まるくらい
    程度を心がけましょう
    ⇨煮たり焼いたりすることでかさが減り、効率良く摂取できます
  • よく噛んでゆっくり食べる(1口30回噛んでみましょう)
  • 1日3食決まった時間に食事をしましょう

減塩をしましょう

減塩→病院でも気をつけられており、合併症のリスクを下げます

出汁だいこんのイラスト

  • 出汁を効かせましょう
  • 香辛料や、香味野菜を加えましょう
  • ドレッシングの量に注意しましょう

まとめ

糖尿病になると、血糖値の調節に重要になってくる糖質の量と、エネルギーの量をコントロールする必要があります。そのために、何を食べたら治る、といったものは特にありません。

カロリーメイトのイラスト

自分の体に見合ったエネルギー量(必要カロリー)と栄養バランスが取れた食事を規則正しくとる事が基本になります。

「糖尿病の食事」でご紹介したチェックポイントの中で、できそうだな・やってみたいなと思ったことから取り組んでみましょう!

最後に・・・
食事療法はあなたが主体です。私たち管理栄養士や医師は、それをサポートします。今までできたことは継続し、意識していなかったなというところは、できそうなところから取り組んでみましょう!
食事指導を受けたい方へ
当院 細田院長のブログやYouTubeも合わせて読んで頂くと、知識がますます深まるのでご覧になってみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=AZQgDMLM6p0
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